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お茶の水女子大学「新フンボルト入試とは?その対策とポイント」

お茶の水女子大学の「新フンボルト入試」は、これまでの入試制度とは一線を画す新しい形態として注目を集めています。これからの時代に求められる人材を育成するため、従来の学力試験に加え、受験生の多様な才能や個性を重視した評価基準が導入されています。本記事では、新フンボルト入試の特徴や対策方法について詳しく解説し、受験を控えた皆さんがしっかりと準備を進められるよう、ポイントを押さえたアドバイスをお届けします。

お茶の水女子大学の「新フンボルト入試」とは?

お茶の水女子大学が平成29年度入試から導入した新型のAO入試になります。実施初年度の合格者は10月に発表されましたが、倍率は約10倍の難関試験になりました。

新型AO入試「新フンボルト入試」では、以下の流れで選考が行われます。

  1. プレゼミナールに参加し、そのレポートを提出することで1次選考が行われる

  2. 図書館や実験室でのレポート作成、実験演習、グループ討論などの2次選考が行われる

  3. 2次選考と書類審査の結果、最終合格者が発表される

1次選考を兼ねるプレゼミナールへの参加は必須で、9月に行われるいずれかのセミナーを受講しなければなりません。受講後はレポートを作成し提出。出願時に提出する志望理由書・活動報告書・外国語試験成績等と併せて第1次選考が行われます。

2次選考がユニークで、1次選考を通過した生徒たちは、文系が「図書館入試」、理系は「実験室入試」を受けることになります。

ユニークな図書館入試と実験室入試

文系の「図書館入試」とは、お茶の水女子大学の附属図書館に詰め込まれ、図書館内にある文献や資料を駆使してレポートを作成します。同時に、グループ討論や集団面接、個別面接等を行い論理力や課題探求力、独創性などが評価されます。

理系の「実験室入試」とは大学の実験室に一日閉じ込め、他の受験生と共同で実験演習等を行います。各学科の専門性に即した実験や実験演示、データの分析等の課題が課されます。実験が終わった後はレポートを提出し、それをもとに討論をしたり発表が行われます。探究する力や協調性、論理力などが評価されます。

プレゼミを含めると合計で5日間の試験になります。大学側の負担も多いいですが、ペーパーテストでは計れない、大学が欲している本当の学力を評価できる仕組みになっています。

ちなみに、新フンボルト入試の「フンボルト」とは、世界最初の近代大学であるベルリン大学の基本構想を作ったヴィルヘルム・フォン・フンボルトから名前が来ているようです。研究中心主義のドイツ近代大学では、文系は図書館、理系は実験室でゼミナールをすることが重視されていて、大学は知識を吸収する場ではなく知識を生産する場というのが理念になるようです。

外国語検定試験のスコア提出が必須へ

文系の学部学科志望者は、TOEFL、IELTS、TEAP、英検、TOEIC、GTECのいずれかのスコアや級の提出が必須となります。つまり、受験2年以内に英検などの民間の英語4技能試験を受験しておかないと出願できない仕組みになります。来年度受験を考えている方は、高校3年の初夏までに受験しておかなくてはならないことになります。

理系学科志望者では、その提出を必須としないとなっています。

新フンボルト入試への対策

他の大学のAO入試と対策の柱は、変わりません。ただ、お茶の水女子大学では、図書館入試というのがあります。ですので、日ごろから図書館を利用し、情報の検索や論理的なまとめといったことに慣れておくといいでしょう。また、実験室入試においては、やはり普段から実験に積極的に参加し、学校で課せられなくても、自ら実験に関するレポートを作成し、発表する練習を積んでおくといいでしょう。

受験を考えている高校生へ

非常にユニークなAO入試「新フンボルト入試」ですが、実施する大学側の負担は計り知れないですね。100名以内の少人数の志望者が受験する場合はいいのですが、受験者が1000人を超えるような大学の場合は運営が難しいようです。あくまで新大学入試の一つの形態として、お茶の水女子大学が示した「新フンボルト入試」です。すべての大学が同じよう入試制度になるわけではありませんが、自分たちの大学では、こういった学生がほしいという思いがしっかりと伝わってきます。今後は、各大学が自分たちのほしい学生像をしっかりと考え、各大学がオリジナリティあふれる入試制度をつくってくるに違いありません。

これからの高校生や中学生は、大学側がどんな学生を欲しがっているのか、自分の考えと一致している大学はどこかなども考慮しながら志望大学を決めていくことになりそうですね。

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