使ってみなきゃわかんない!デマンド交通実験中
わが周防大島町。令和4年度末に初めての公共交通計画ができました。
そして今年度は、「地域公共交通共創・MaaS実証プロジェクト」に実施計画が採択され、まずは一部の町営乗合タクシーと、路線が重複している町立病院の患者輸送バスを融合させて、デマンド型で運行してみるという実証実験が始まりました。
実証実験にあたっての、周辺住民説明会の資料はこちら
薄く広く人が住んでいる周防大島町では、公共交通が不便と思われがちで、乗客が少なく、さらに便数が減るというアルアルの悪循環。
以前から言われている高齢者の自家用車運転の危険性も、リアルになってきています。
自家用車を手放し公共交通だけになるのは不便。それと安全性とを天秤にかけて、何とか「公共交通&共助でこれから生活してみるか~。」と、これから高齢になる方々が選択できる未来を探りたいです。
乗ってみないことには何も言えない
↑そんな中、知人が地元新聞に登場。早速利用してみた感想を聞くと
「案外便利だったよ。今までは病院バスや自分の車で母を病院に連れて行っていたけど、今回は予約して使ってみた。いつ自分が使うようになるかも、わかんないからね。」
と。
そうだ。いつかは私も行く道。
実証実験中に乗ってみれば、良いところも、課題も、具体的にみえてくるはず。
居住エリアのバスでもないし、使う用事もないけど、用事を作って乗ってみることにしました。
デマンド体験ツアー実施
こんな企画でお声掛けし、私含め3人でツアーに行ってまいりました!
デマンドタクシー予約~乗車までの手順をご紹介
まずはオンライン予約
予約するには、まず利用者登録を。
それから、アプリや、電話で予約をします。
町の公式ラインで「奥畑線」と送ると、予約アプリへの入り口を教えてくれます。
希望時間の近い複数人の都合を調整して運航時刻を決定する、という仕組み上、
希望の時刻 「前後に出発」、「以降に出発」、「までに到着」
という時間希望で予約を申し込みます。
ここでちょっと不安になったのが、「実際に何時何分にお迎えが来るの?」ということ。
当日の出発時間の30分ほど前に、確定の時刻がメッセージで届きました。
めったに乗らない場合は、直前まで時間の確定連絡が来ないのでソワソワするかも。
いつも自宅近くのバス停で乗降するというような人には、よさそうです。
この便は、私たちしか乗車予約がなかったらしく、乗車予定時刻の20分前にはバス停に来てくれ、揃い次第出発してくれました。
日本ハワイ移民資料館~屋代ダム散策
ダムの公園でお弁当を食べたいけどどのバス停で降りるのがいい?と商工観光課さんに事前に尋ねました。
ドンピシャの場所はなくて、教えていただいた最寄りのバス停「自光寺」から公園入口まで少し歩きます。
花見シーズンや歩くのが大変な人向けに、シーズン限定でも公園入口の乗降場所があるといいかも。
日本ハワイ移民資料館は、建物も魅力で、ほっこりできます。
この日は、大学の博士課程でハワイ移民について研究されているという方が訪問されていました。
カフェの併設とかがあると、立ち寄る人が増えるのではと思います。
ところでダムカードとは…?
我がごととして実証実験に参加してみる大切さ
運転手さんに訊いたところ、このデマンドタクシーに投入されている車両はこの1台のみ。これまで、奥畑線乗り合いタクシーと町立大島病院患者輸送バス、2台と運転手さん2名が関わっていたところが、統合により1台・1名になるというのは効率的になったと思います。
また、予約がなければ走らないというのも、誰も乗せずに走っている公共交通を日々目にしているものとしては、無駄がなくて良いと思いました。
予約から乗車までの手順は、わかりやすくはあるものの、乗車30分前まで確定時間がわからないというのは、経験しておかないと不安感は半端ない。ソワソワです。
この路線で実証実験が行われたのは、町営の既存乗り合いタクシー路線であったということと、重複する町立病院のバス路線があったということから。
本町の公共交通は、少なくて割高だと言われますが、
民営の幹線バスが走っているが、通勤通学時間帯以外は乗客が少なく、路線もこれまでにだんだん短く・少なくなってきている
学校統合によりたくさんのスクールバスを保持し走らせている
民間の病院も送迎バスを走らせている(無料)
町立(指定管理)の温泉施設も送迎バスを走らせている
といったように、やり方によっては余力があるかもしれない、うまく組み合わせることが出来ないか、と町が中心となって公共交通計画を立て、現在は利便増進実施計画も策定に向けて動いています。
エリアによって、同様なデマンド化や複数事業体の統合を目指すのか、新たな路線やデマンドを投入するのか、様々になると予想しています。
私は、その実験になるべく参加して、気付きを伝え、より便利な公共交通になるように意見を伝えていくといいのではと思っています。
あなたも、乗ってみると、自分のエリアだったらどんな手法がいいか、どんなのだったら、高齢者など車を運転しない人が使いやすいか、アイデアが湧いてくるかもしれませんよ。