周防大島町の財政状況を受け止めてそれから…
さて、9月2日から始まった議会。令和3年度の決算認定にあたり、まずは決算書に基づいてざっと説明を受けました。
全体の印象は、今までと同様、「国や県からの支援に支えられた収入で、多くを使わざるを得ないことに使い、今後のまちづくりへの投資がほとんどできない状況」だということです。
会計の種類
自治体の会計について、少し整理をしておくと、財布をいくつかに分けて使っているというイメージを持っています。
一般会計:教育・福祉や道路の整備、農林水産業の振興など、主に町の基本的な行政サービスを行う会計。
特別会計:わかりやすい会計経理を行うために、一般会計と分けてある会計。特定の目的のための会計で特定の収入があり、一般会計から切り離して、その収入・支出を経理する会計。周防大島町には、国民健康保険事業・後期高齢者医療事業・介護保険事業・渡船事業の4つがあります。
公営企業会計:民間企業と同じように、事業で収益をあげて運営する 会計で、周防大島町には、水道事業・下水道事業・病院事業の、3つがあります。
今回は、一般会計について注目してみていこうと思います。
資金をどう調達しているか
収入を見る上でポイントとなるのが、「自主財源」と「依存財源」の割合です。
自主財源:町が自主的に収入できるお金。町税や使用料など。
依存財源:国や県の決定により交付される収入。補助金や交付金、 町債など。
依存財源の割合が大きいということは、よそからの支援に頼るということなので、結果として町自身の自由度が減ります。自主財源がしっかり確保できれば、財政が安定し、独自で考えた事業を多く行うこと ができます。
ここで、周防大島町の収入内訳をみると、一般会計152億7千万円のうち、
自主財源は17.2%、町税は8.3% 。
多くの財源を依存していることがわかります。
どんな事業にどのくらい使っているか、の前に。
一般会計の歳出総額は、143億8千万円。
教育や福祉、どんな分野にどのくらいの割合使っているかをみたいところですが、
まず、「諸支出金」というのがあります。これは、財布を分けている特別会計や企業会計でお金が足りない分、一般会計から回しているお金です。なんとこれが、
全体の24.1%。
一般会計の1/4が、他の財布の補填に回されているということになります。
その中でも大きい割合を占めているのが、病院事業へ繰り出している、14億9千万円。一般会計の10.3%を占めます。
一般会計の支出内訳で、これを超えているのは
民生費(障害者や高齢者に対する福祉の充実、子育て支援など)18.7%、
総務費(庁舎の管理や住民票など)14.8%、
公債費(地方債の元利償還費と一時借入れ金の利息)12.7%
だけで、教育費は5.2%、農林水産商工費(産業振興など)は8.8%です。
ここだけみても、病院の経営改善は、本町にとって大きな大きな課題です。
財政状況をよくするには支出を抑える?
町長も、議会冒頭の発言の中で、
と発言されました。
これに続き、
と発言されています。
また、
とも。
これではまさに公務員的発想というか…、私には根本的な問題解決にはつながらないように感じます。
義務的経費におけるコストカットは、もう20年は取り組んできているはずです。
ミスなく不利益がないよう業務を進めることは、当たり前のことであって、財政規模の縮小や行財政改革は、小手先のことではもう進められなくなっていると思います。本当に行政がお金をかけてやるべきことか、効率的に手を抜くことはできないか、ということを考える必要があるのではと思いますし、支出を減らすだけではなく収入を増やすことを考えないと、限界があります。
自主財源を増やすには?
自主財源の確保について、町長は「収納率アップを図る」とおっしゃいますが、例え100%町税や利用料を徴収できたとしても、現在の収納率が96%ほどなので、劇的な改善は望めません(完全徴収を目指すことはもちろん大事)。
じゃあどうすれば、自主財源比率を高くすることができるのか?考えてみました。
「ふるさと寄附金」による収入をアップする
町民にどんどん稼いでもらって、町民税をどんどん納税してもらう
収入のある住民を増やして、町民税を稼ぐ
使っていない資産(土地や建物)を民間に売却したり賃貸する(←9/4追記)
土地の価値を高めて、固定資産税をアップする
ということで、今回の一般質問は、こういった視点で行なっていきたいと思います。