地震津波災害、減災への備え(R6.3一般質問)
能登半島地震の被災、復旧復興の状況をニュース等で拝見する中で、
辺境の高齢化率の高い過疎地(=我が町)
の災害への備え、減災の工夫について、考えさせられました。
今回の周防大島町議会一般質問では、
私も含め4名の議員が防災関連の質問を行いました。
それぞれの議員はそれぞれちょっとずつ違った視点で問い質があったと感じています。
YouTubeでの配信はもう少し後になりますが、
ぜひ町民の方々には視聴いただき、
各議員の示した論点や、役場側の答弁、今後に向けた課題を
確認いただけたら嬉しいです。
能登半島地震による過疎地域の被災状況は、
もしもの時の本町の状況を想像させるものでした。
橋1本で本土とつながり、集落が点在する本町は、
町自体が孤立することや、基幹道路の断絶により集落が孤立する可能性に
備えておく必要があると考えます。
多くの災害で、国や自衛隊が動き出して現地に支援が届くのは、
発災後しばらくかかると感じています。
また、今回の地震災害では、役場も被災して、連絡手段もなく、
当初は状況を把握できていない地域も少なくなかったようです。
そうなると、
被災直後から何らかの支援が来るまで、
頼りになるのは”自分”と周りにいる人たちです。
○住民の意識向上、地域の組織力の強化をどのように働きかけるか
(町長)
これまでの取り組みとしては、
・全町民を対象とした防災訓練や防災講演会等での研修・意識啓発
・各自治会及び自主防災組織が独自で行う訓練や研修会での情報提供や実地訓練
を行ってまいりました。
周防大島町は中山間地域が多いので、
大規模なハード整備に頼るのではなく、
すでに資源として持っている、人や地域の強いつながりを生かしていくことが
防災力を高める近道であると考えています。
地域防災計画や国土強靭化地域計画など、
各種防災関連計画をより実践的なものにしていくことが非常に重要である一方、
必ず起こる“想定外“を受け止められる強い地域にするためには、
町民一人ひとりが災害を想像し、
どれだけだ備えられるかにかかっていると考えています。
これから先、住民の皆様に防災意識が根付くよう、
防災に触れる機会を増やしていきたいと考えています。
再質問:地域力が弱まっていることへの対応は?
高齢化や人口減少によって、
住民だけではなかなか厳しい側面も出てきており、
長いコロナ禍の影響で、人が集う機会も減少して
元には戻っていないように感じます。
(防災の側面だけではないと思いますが)地域力を高めるために、
町としてはどのようなことをお考えでしょうか。
答:議会とともに考えたい
(総務部長)
行政としてどこまで地域に入って、
活性化を図るかというのは大きな課題の一つと認識しています。
議会の「地域活性化・害獣・防災特別委員会」の中でも
持続可能なコミュニティづくりを議題のテーマの一つとして、
議論を重ねているところです。
地域の活力が活性化するような施策がどうにか生み出せるよう、他所の事例なども参考にしながら、しっかり対応していきたい。
○災害時の協定を締結している民間事業者等の状況は?
本町は様々な民間事業者や教育機関と包括連携協定などを締結していますが、
その中に、防災等に係ることも含まれているかと思います。
そういった協定の締結状況(締結数や締結内容、それらの公表の有無、締結後の確認等)を教えてください。
答:これからHPに掲載する
(総務課長)
現在本町では、19の民間事業者、団体等と協定を締結しています。
その内容は、災害時の食料や各種インフラ関係物資などの提供のほか、
いち早く情報を集めるための相互応援、情報発信などになっています。
これまでは公表していませんでしたが、町ホームページへの掲載に向けて
現在準備を進めているところです。
念押し:企業のメリット、町民への意識啓発にもなる
協定の事業者としては、自治体と連携協定を結ぶことは、
企業のCSR、社会貢献に寄与していることのPRにもなるはずです。
町民も、そういう協定を結んでくださっている事業者には
ありがたいという感謝の気持ちを持つと思います。
ぜひ公表して、周知を図っていただきたい。
(↑長門市の災害時応援協定一覧表。年度初めに最新情報であることが確認されている)
再質問:内容の具体化や確認など、締結後もやりとりをしている?
答:していない。共同防災訓練など考えたい
(総務部長)
協定を結んだ後に、毎年確認するということはしていない。
以前、協定先と避難訓練を共同で実施したこともあった。
災害の訓練などに協力いただけるかなど、検討してみたいと思う。
○自治体間の防災交流都市協定や、姉妹友好都市連携などを締結しているか?
先日2月23日、町主催の防災講演会で、
「広域での連携の重要性」について講師が説いておられました。
この度の地震災害でも、石川県能登町と姉妹都市関係にある千葉県流山市は、
自治体同士が早急に連絡を取り合い、民間事業者の支援も受けつつ、
4日には支援物資と職員数名が現地に向かわれたそうです。
議員同士も交流があり、情報交換や情報発信を行われたそうです。
こういうことができたのも、互いの行事に行き来したり、
普段から交流を重ねていたからこそです。
組織立って支援体制が整い動き始める前の、特に初動の時期に
大変有効だと伺いました。
ここで質問ですが、本町では、防災交流都市協定や、姉妹友好都市連携などを結び交流している自治体はありますか?また、ないのであれば、その必要性をどのように考えておられますか?
答:県内、瀬戸内沿岸では広域連携がある
(総務部長)
自治体相互の連携でいうと、「山口県及び市町相互間の災害時応援協定」を締結しております他、「瀬戸内・海の路ネットワーク災害時相互応援に関する協定」において、瀬戸内海の各地域とも相互援助の協定を締結しております。
今のところ新たな協定締結の予定はありませんが、連携先を増やしていくことは、必要かつ重要と考えておりますので、情報収集に努めてまいります。
念押し:遠方の自治体との相互協定の検討をぜひ!
顔の見える距離、近隣での連携も大切ですが、今後は互いに被災していない時に支援し合えるように、より遠距離の地域とも、何かしらのご縁をつなぎ、協定を検討していただけたらと思います。
○本土からの電力供給が途絶えた時の備えは?
本町は本土からの電力供給も大島大橋の上の架線にかかっています。
本土からの電力供給が途絶えた場合、どのように電力確保に備えておられますか?
答:避難所等に自家発電機を配備
(町長)
離島を含む町内18ヶ所の公共施設等に
自家発電機を各2台合計36台配置しています。
また、早期回復を目的とした協定を
中国電力株式会社や周防大島電気工事協会と締結しております。
再質問:太陽光発電を持っておられる地元民間事業者への協力要請は?
もし本土と結ばれている架線が切れたり、大きな被災となると、
早期の電力回復が困難なことも予想されます。
最近では町内の民間事業者の施設(店舗や工場)等に、
独自に太陽光や蓄電池などを設置されるところも増えつつあります。
そういった事業者と協定を結び、災害時に地域に電力供給してもらうことも有効と思いますが、現状そのような協力体制はありますか?
答:検討の余地あり
(総務部長)
太陽光発電は非常用電源としては大変有望だと思っています。
現在、一部の公共施設の屋根に事業者が太陽光を設置しているところがあり、
その事業者とは、災害時には電力を供給いただくことにはなっています。
個人事業主等と協定を結んで地域に提供いただくということは、
少しハードルが高いかとは思うが、
確かに非常時には施策の一つとして重要かなと思います。
町内の状況把握からしないと先には進めないと思うので、
どの程度あるのかというところから、まず把握していかないといけないかなと思います。
一度検討材料にさせていただけたらと思う。
(事例)
↑民間企業と自治会との間で協定。自治会住民への非常時電力供給
↑民間企業と自治体が協定。周辺住民への非常時電力供給。