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放送大学という場所~大学院合格者のみなさまへのお祝い

仕事納めも終わり、お正月準備に忙しかったりする人も多いと思います。
今日はXで多くの放送大学大学院合格のお知らせを拝見して、合格のお祝いと今後の研究生活の参考になればと思い記事を書きました。


自己紹介(追加)

最初の自己紹介でも書きましたが、現在内部監査の業務を離れ、大学院での研究をメインに(?)生活しています。

現在の所属は放送大学の大学院博士課程。その前に修士課程を修了しています。今回は放送大学での修士時代の話を書きます。

修士時代の研究の旅

最初の1年半は順調

修士課程に入学した当初から1年半くらいは、私の研究は順風満帆でした。その理由としては、
・修士課程は2度目なので自分なりの研究ペースをつかんでいた
・修士論文のイメージは出来上がっていたので、その論文のパーツとなる研究作業を順次行って、結果をゼミで発表していた
・家族も別の研究をしていたので、ちょっとした相談や一緒に研究作業をしたりできた

といったところです。
修士2年目の夏あたりから修士での研究と並行して、博士課程進学希望だったので、準備をはじめました。ただ、この時は修士論文の準備に特に問題もなく、同じ研究で博士課程に進学をしようとしていたため、特段の勉強もせず…といった状態。何をしていたかと言えば、修士の研究を進めつつ、博士の研究でこんなことやりたいな…と漠然と考えていました。
博士課程入試のための研究計画書を作成して、入試に出願。一次試験を受験は全く問題なく通りました。

修士2年目後半から色々と!

博士課程の2次試験。自分の中では当初余裕だったのですが、研究計画の説明で指導教授のほか複数の先生方とお話しても、うまく研究計画が説明できず、先生方からダメ出しされました。今も納得いかない部分はあるのですが、結果として翌年の博士課程への進学はなくなりました。
12月に博士課程不合格の通知をいただき、その週は修士論文の提出もありました。修士から博士への研究の連続性のようなものを考えていたので、その場で修士論文の提出を1年延ばすことを決意して指導教授に連絡しました。
そのまま、修士3年目に突入しました。3年目に様々なことが起きました
・世の中がコロナ禍となり大学はフルリモートに
・当時の勤務先での業務と研究テーマが若干違ったので、転職を決行
・転職直後に家族に不幸が起き、ざまざまな手続で時間をとられ、精神的にもダメージが

といったところです(結構色々と)。180度生活が変わってしまうのと同時にこれまで研究をサポートしていたものがなくなりました。
幸いに、最初の1年半で修士での研究自体はある程度できていたので、研究自体の進捗は今一つだったものの、12月に修士論文を提出することはできました。

研究を進めていく上で大切なこと

最初の1年半と後半の1年半が全く真逆でした。まとめると修士論文を完成させるのに重要なこと(指導教授やゼミの関係以外)は次のようになると思います。

  • 自分の研究ペースを守ろう

  • 家族や研究仲間など話ができる人を確保しましょう

  • 何よりも健康

研究ペースというのは日々の時間配分もありますが、文献検索にはこれを使うとか、データはこんな風に分析して発表資料はこんな感じにまとめるといった研究での基礎体力のようなものです。作業的なものが多いのですが、これがスムーズにできるかどうかで研究のスピードとストレスが全く変わります。
また、家族や研究仲間等は相談までいかなくても、ちょっとしたことを話すだけで、自分の中で小さなトラブルの整理ができたり、安心感を得ることができます。
最後に健康ですが、結局のところ研究を進めるのは体力勝負になりがちです。肉体的な健康もありますが、精神的な健康も必要です。修士時代の後半に様々なことが起きて、肉体的にも精神的にも振り回されてしまったのはかなりのダメージでした。ただ、そのダメージにあらがう力が研究を進めていた気もします。

放送大学で楽しく研究するために

自分なりの研究ペースを作るために

放送大学は非常に研究の自由度が高く、また、様々なバックグラウンドの学生が集まってきます。専攻や指導教授によりますが、基本的に学生のペースを尊重してくれる先生が多いように思います。
他大学の修士課程と違って、研究室によって研究に使用するアプリケーションや論文のフォーマットが決まっているといったこともあまりありません。
その点で、手ぶらで研究をはじめてしまうと戸惑うことも多いと思います。
ゼミがあれば積極的に参加して、他の学生さんが使う手法を学ばせてもらったり、自分の研究分野で他の大学が公開している資料等を参考に研究環境を整えるのをおすすめします。

話ができる人を確保する

研究内容の相談は研究者仲間ということになりますが、ちょっとした作業の進捗や研究が煮詰まった時の愚痴など、気軽に話せる人が身近にいるととても安心できます。研究室の人とゼミだけではなくLINE等で連絡を取り合うのもいいと思います。
ただ、一番身近な家族がやはり一番だと思います。研究活動の中で家族に負担をかけることはあるかもしれませんが、その分記念日やイベントの際に奮発するなどしてメリハリをつけるのがよいと思います。
一方、職場の人は微妙ですね。本来なら一番理解して欲しいと思う人が多いのでは?と思います。仕事のスケジュールの調整やまとまった休暇を取得したい時にサポートがあると本当に助かりますよね。でも、大学院への理解がある職場は少ない場合があります(分野によるかもしれません)。私は大学院に在籍していることは職場で公言していましたが(最初と2回目の修士号取得時ともに)、周囲は関心がないか、もっとひどい場合は「本を読んでまとめる」とか「大学の授業に参加する」程度の作業だと思われていました(レポートだったらわかりますが)。よく考えてサポートを求めるのかを決めた方がいいと思います。

肉体的・精神的健康のために

肉体的健康(というと堅苦しいですが)はまず大事です。ほどほどに規則正しい生活、適度な運動、バランスの取れた食生活など、これもまた当たり前の部分が大きいです。家族のいる方は、家族に合わせて無理する場面もありますし、逆にサポートを多く受けることができるかもしれません。一人暮らしであれば、自由はききますが無理しがち。
精神的健康も同様です。ストレスを貯めないとか、規則正しい生活リズムとか色々基本的なことがあります。サポートを得られれば、それに越したことはありませんが、何がストレスになるかは人によって大きく違います。
基本的には研究が進まないことが一番のストレスなのかなと思います。
放送大学ではいわゆる一般の大学のようなメンタルサポートの機能はありません。

声を上げること、自分で選ぶことを忘れない

上で書いた3点は、全く特別なことではないのですが、放送大学、研究生活という環境で、普通の会社員等として、若い学生とは違う生活と同時並行で行うと調子を崩しやすい点ということで記載しました。
研究ペースを守り、人とのコミュニケーションを継続し、健康を維持するのに、さらに大切なことは、「困ったときは声を上げること」、「自分で選ぶこと」でしょうか。
放送大学での研究は一般の大学での大学院生活と違って、2年間で修了することにあまりこだわる必要はないと思っています。大学院という所属機関を得て、研究を行い、発表する機会を得ているのが一番大事。もちろん、指導教授をはじめとした先生方には、修了年限で修了することを重視される先生もいると思います。ただ、大学院生活の中で何を得るのかが一番大事なのです。
2年間で学位を取得することが一番大事であれば、それでもかまいません。大学院という場所で研究者としての研究手法の習得、実践を行いたいのであれば、それを大事にするべきです。自分なりの選択基準をつくっておくと、困った時の意思決定がスムーズにできるようになります。

最後に

今回は、ちょっと抽象的な話を書いてしまい「ん?」「当たり前じゃん!」って思われた方が多いと思います。たくさん書きたいことがあったのですが、あまり個別具体的に書くのもどうかと考えた次第です。
今回の話は主に、単に合格ポストに「いいね!」をつけるだけではどうかと思い、Xで拝見した放送大学大学院合格者のみなさま向けに書きました。これまでにXでお話をしたことない方々がほとんどです。研究生活の中で思ったこと、考えたことがあったら、どんどんXにポストしていただければと思います。Xで直接返信したり、今回のようにnoteの記事としてお返事することができるかもしれません。
どうか、みなさまの研究生活が実のあるものとなりますように!

楽しく寄り道はまだまだ

このnoteは寄り道しなががら、内部監査、大学での研究などの記事を書ければと思っています。
読んでいただいて、コメントや質問、「いいね」していただけると励みになります。
これからもどうぞよろしくお願いします。


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