【海外幼児教育&保育】子供のストレス
こんにちは!
カナダのカレッジで幼児教育・保育を勉強中のNorikoです。
今回のお話は、私がカナダのカレッジで学んだ「子供のストレス」についてです。
大人は日々、大なり小なりのストレスを毎日感じていると思いますが、乳児や幼児を含む子供にもストレスはあります。ストレスの感じ方やポイントは人それぞれですが、人はストレスを感じると脳や身体が反応します。例えば心拍が上がったり体内のストレスホルモン値が上がった状態をストレスを感じている、ということになります。
「コップの水理論」のお話を聞いたことがありますか?
コップに半分入った水が「半分しかない」のか「半分も残っている」のか人によって感じ方が違う。。。というお話ですが、もしそのコップを1時間、1日、1週間とずーっと持ち上げ続けるとどうですか?とても大変ですよね。
子供のストレスも同じで、量よりも、どのくらいの期間ストレスを持ち続けるかでさまざまな影響が生活の中で出てきます。
子供の脳や社会性は成長過程中の刺激や経験、環境によって形成されていきます。子供はストレスがどういったものなのか、どう対処するのかを知りません。大人が子供のストレスに気づき、対処法を子供と実践するとそこから子供は学び、学校生活や大人になっても上手くストレスと向き合う・付き合うことができるようになります。
ストレスには3種類のタイプがあるということを学びました。
「ポジティブなストレス」
「許容できるストレス」
「毒性ストレス」
の3つです。まず、「ポジティブなストレス」というのは一瞬身体に起こる変化のストレスレベルです。心拍が少し上がる、ストレスホルモン値が少し上がるといった状態です。このポジティブなストレスは生活の中で頻繁に起こる状態なので、経験を積むことによって少しずつ慣れていきます。成長過程に必要なストレスです。例えば新しい場所に行く時や、新しい人たちに会うとき、いつもと違った環境に置かれた時、日々の忙しいスケジュールに対応しなければいけない時にポジティブなストレスを感じます。
「許容できるストレス」というのは脳の形成に影響を与えるほどのストレスレベルではあるけれど、短期間もしくは時間がたったり、大人の適切なサポートがあるとリカバリーできる範囲のストレスです。例えば家庭内で家族が問題を抱えている、家族や大切な人の死、両親の離婚、いじめやハラスメント、現実的ではない期待をかけられるもしくは自分自身に期待をかけ過ぎてしまう時のストレスのことを指します。
「毒性ストレス」とは、子供自身ではコントロール不可能な状況かつ大人の適切なサポートにもアクセスできない状況で起こるストレスです。毒性ストレスは子供の成長過程で脳へダメージを与え、その結果、小さな脳が形成されるという非常に悪影響なストレスです。それによって、学習困難や、記憶力低下、自己制御力(感情をコントロールする能力)の低下につながるとされています。例えば虐待、育児放棄、家庭内暴力などが毒性ストレスの要因です。
ストレス自体をなくすことは不可能ですが、毒性ストレス以外の2つは大人の適切なサポートと対処法を教えてあげることで子供がストレス解消法を学び順応していく技術を習得していくことが可能です。
次回は子供がどんな時にストレスを感じるのか、そのストレスによって起こる身体や心に起こる変化についてお話できたらと思います。
応援よろしくお願いします。
参考文書
Psychology Foundation of Canada's "Kids Have Stress Too!" Program. (2009). KHST! Preschool and Kindergarten Program.