30【日本2024 Day 11:11月22日(金)仙禽@さくら市】
栃木のいちご大使の寛子さんと宇都宮の
隣駅の岡本駅から、最初に向かった先は、
業界に新しい風を吹かせたさくら市の酒蔵
「仙禽」(せんきん)さん!
杜氏/常務取締役の薄井真人さんが本当に
丁寧に酒蔵を見せてくださいました。
一般公開していない中、
感謝の気持ちでいっぱいです!
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まず、「こちらでお待ちください。」と
案内されたのは、2階建ての大谷石の蔵。
(栃木の大谷石と言えば、
フランク・ロイド・ライトが愛し、
旧・帝国ホテルなど様々な
ところで使ったことで有名)
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蔵の中は木を多用しています。歴史を感じる
蔵の階段を上がると、天井からさす光が、
1806年(江戸後期)創業の歴史のグッと
詰まった古い賞状や大谷石と木のテーブルを
柔らかく照らしていました。
馬好きだった大叔父様の遺した馬や、薄墨の書
など、古さの中にもすっきりとしたラインと
温かみがあり、全体としてはモダンでシャープ
な印象です。
ユナイテッドアローズとコラボしている
キャップと服で現れた薄井さんは、キビキビ
しながらも落ち着いていて、温かい笑顔で
迎えてくださいました。
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「酸味は失敗」と言われている日本酒の疑念を
大きく変えて、若い世代や海外でも大人気の
仙禽のお酒。
江戸時代の酒造りを再現しながらも、新しい
味を打ち出したそのコンセプトの強さは、
ワインのソムリエでもあった、お兄さんの
薄井一樹氏(11代目)が作り上げたもの。
業界のタブーである酸味を取り入れた日本酒が
日本の料理シーンに調和し、美味しいだけでは
なくインパクトを残す味として酸味が鍵になるとの
考えは周りからは全く受け入れられなかったそう。
しかし、予想と裏腹に新しい味は瞬く間に
受け入れられ、日本酒のイメージは「仙禽」の
名と共に大きく変わっていきました。
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酒造りの心臓部で、度肝を抜かれたのは、酒樽の
大きさ!写真で見たことがあっても、目の前に
すっくと立ち並ぶ様は圧巻!
大阪の木桶メーカー一社に毎年2樽ずつオーダーを
入れていると言う樽は20年は持つそう。
酒造りに使われた樽は、その後、味噌や醤油を
作る樽になり、その塩分が木を腐敗から守り
100年は使うことができるそうです。
圧巻なのは、その大きさだけではなく、釘を
一本も使わずに、大正時代の竹で外側を幾重にも
抑えているその技術。
酒樽は、柔らかくあくのない杉だそうです。
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酒蔵の前にあった稲穂は、お酒作りに向いている
山田錦ではなく、江戸時代にあった「亀の尾」と
言う品種。
厄介なのは、水害や病害には弱いところがあり
農家さんにとってもリスクがある部分がありながら
仙禽ブランドを一緒に作り上げたい農家さんが
仙禽の求める米作りを誇りを持って作っているそう。
地元の農家さんに潤ってもらいたい、地域に
潤ってもらいたいと言う仙禽の強い思いに呼応して
亀の尾を作っている周辺の30軒ほどの農家さん。
農家さんの性格まで知り尽くしている薄井さんは
どの農家の米をどのくらい浸水させるべきか、
秒単位で測ってデータを取っていて、数値としては
計れない農家さんとの関係と、きっちりデータ化
して、酒造りに取り組んでいるところに奥深さを
感じました。.
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お米の状態を見せてくれながら、麹や酵母の説明を
詳しくしてくださる中、酒造りに禁忌な強い納豆菌を
避けるため、夏の2ヶ月の納豆解禁期間は、毎日
3パックずつ食べると、納豆好きの杜氏ならではの
悩みにはつい笑ってしまいました。
(私も、酒蔵見学のため、来日以来、1回も納豆を
食べずにいます!)
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勧められるままに、お酒を作っているタンクを
上から覗かせていただいた時は感動しました!
まるで、鍋を火にかけて豆乳を温めているように
泡が湧き上がってきている光景に「生きている」
「育っている」のを感じました。
見せていただいていたのは、10日目のもので、
8日目が一番ポコポコ泡立つそう。
できたばかりのお酒も試飲させてくださいました。
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栃木も東北の震災の被害を受け、仙禽さんでも煙突が
崩れるなどの被害が出ました。
遺構として、崩れかけの煙突は残しておくことに
決めたと言うその左側には、神棚。
巫女になって以来、「神棚」への意識が
高まっているので、その立派な神棚のことも
伺うと、神棚が震災の時にも何の影響も
受けなかったこと、今まで、神様のご加護が
あるから色々と助かったと思えることが
あったことなどを聞かせてくださいました。
やはり、江戸時代から218年続く酒造りは
大きな力にも支えられているようです。
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真摯に愚直に、新しい時代を見据えて取り組んで
いる姿勢は、株式会社の運営にも現れています。
酒造り以外の業界で働いた経験があるからこそ
他業種の働き方の当たり前を老舗の酒蔵運営
にも取り入れ、30人余りの従業員のうちの
半分は女性と言う、ワークライフバランスの
取れた働きやすい「職場」になっているそうです。
お昼の時間帯に、みんなが食事している建物の
2階から楽しそうな話し声がしたのもその
現れでしょう。
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見学中にお会いする従業員の方たちも非常に
感じが良く、ニコニコしながらお迎えして
くださっているのに、私は心底ホッとして
いました。
尖った会社でマスコミや経済界からも注目を
浴びている酒蔵さんに、海外在住の
とちぎアンバサダーが見学したいなんて、
どう思われるのかと少し心配していたからです。
薄井さんは、一緒に写真を撮ってくださったり
事細かに一つずつ説明してくださったりと
ゆっくり時間をとって案内してくださいました。
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ちょうど外に出た時に、京都から仙禽のお酒を
買いにきた着物の染めを家業にするご家族に
丁寧に「一般公開していないこと」「小売りは
していない」ことを説明されたときに、余計に
ありがたい気持ちが込み上げてきました。
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「重くなりますが・・。」
と渡されたバッグの中には、
できたばかりの「雪だるま」
りんごのシードル
(ドメーヌパーラーナチュールシードル)
の瓶が入っていました。
見せていただくだけでもありがたいのに
お心遣いが本当に胸に沁みました。
果物を使ったシードルの開発は常に続けていると
言うことで、 新作発表が待たれます!
赤・白・黒の3色のスタイリッシュで
目を引く仙禽さんのロゴ!
「仙禽のシンボルは、仙界に棲む「鶴」。
愛情の赤。伝統の白。革新の黒。
そのすべてが響きあうとき、
ほかにはない唯一無二が生まれる。」
とホームページにあり、業界を変えていく
尖った酒蔵のロゴに「愛情の愛」があり、
ロゴ自体が「丸」であることにじ〜んと
しました。
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株式会社 せんきん
〒329-1321
栃木県さくら市馬場106
TEL 028-681-0011
FAX 028-682-0011
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