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セブ旅行雑感2~こどもたちの未来に幸あれ!

友人たちとのセブ旅行で、今この瞬間にも同じ地上に存在する絶対的貧困と、それに立ち向かって奮闘する人々に接したことを、前の記事に書いた。

訪ねたのは、NPO法人DAREDEMO HERO。
「すべての子ども達が夢と希望を持ち、努力が正当に報われる社会を実現する」をミッションに掲げ、貧困問題の根本解決を目指す。
貧困地域のこどもたちへの教育支援、大人たちへの自立支援をはじめ、災害や疫病流行時の緊急支援など、困難の最前線で地域に密着した活動を展開している。
(詳細は是非、リンク先を参照されたし!)

なかでも力を入れているのは奨学生への教育支援。
夢を持たせるだけに終わらせず、夢の実現まで。「セブの貧困層から未来のリーダーを育成」すべく、大学まで徹底支援しリーダー教育を行う。

フィリピンでは高校卒業までが義務教育、しかし実際には学校に通えない子も多い。家が貧しく家族のためにゴミ山で物を拾わねばならなかったり、お腹が空いて勉強どころではなかったり。

理事長の内山順子さんいわく、多くのこどもたちが困窮するなか選抜された奨学生だけを支援するのは残酷ではないか?と問われることもあるそうだ。
しかし、「今日の食料を配るだけでは、明日にはまた飢える。だから教育支援を通じて、自ら問題を解決する機会を提供する」と、この道を選んだ。
(なお貧困地域でのラーニングセンター運営など、幅広い層への支援も並行して行われている)

夢と志と能力のある奨学生たちは厳正に選抜され、現在は50名以上が「学ぶ権利」を存分に実現している。
そう、当たり前だけど義務教育とは社会がこどもたちに教育を与える義務であって、こどもたちにとっては「権利」なのだった。
日本では求める前から与えられ、感謝を忘れがちだけれど。

さて、根本的な問い。
教育は社会を救うだろうか?

それは、教育の内容にもよるのだろう。
大きな話で言えば、ひとりひとりの命を一顧だにせず戦争を始める権力者。彼らに教育がないとは思えず、世界には知を凌駕する野蛮も存在する。それも悲しい事実だ。
また過去の立身伝でも、お仕着せの教育とは別の道を歩んで才能を開花させた例は多い。

それでも。
多くの人にとっては、教育こそが知力を育み、才覚を磨き、よりよい人生を切り拓くきっかけを得る、最大の機会だ。
大人から、社会から、こどもたちに贈ることの出来る、大切な財産のひとつ。

「貧困問題の根本解決」までは、時間はかかるかもしれない。
でも私たちは、争いや奪い合いではなく、知性と理想による社会の改善を願う。
善意の支援と家族の愛を背負って貧困から立ち上がる彼らは、学び、夢を実現し、よりよい社会をつくるリーダーとなるのだろう。

DAREDEMO HEROの事務所で私に声をかけてくれた奨学生たちは、日本語で挨拶し、自己紹介をしてくれた。
多くの子が、「○○になりたい、そして家族を支えたいです」と語った。

そう、あなたたちはきっと立派な家族の支えとなるでしょう。
(今だって、そうかもしれない)
でもそれだけでなく、さらに多くの人々を助け、もっと大きなものの支えとなれる自らの力に、いつか気付くのでしょう。日々学び続けるうちに。

夢と志に輝く、こどもたちの未来に幸あれ!

行事(ファミリーデー)に向け歌の練習をする奨学生たち。
Photo by まこさん

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