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知らない街に行ったら、まず書店に行く

私には余裕がない。
心の余裕が。
人と待ち合わせをするときは、下手をすると30分以上早く着いてしまう。
初めての場所はなおさら早くなる。
そんなときはあたりを見渡して書店を探す。
私が書店を探すのは、本がある場所が落ち着くというのが何よりの理由。
加えてその土地や場所ならではの雰囲気を持つ書店が見つかることもある。
そんな書店は、その場所を再度訪れたいと思うきっかけとなる。
駅の近くにはたいてい書店があり、駅が大きければ駅ビルに書店があった。

けれど先日、赤坂で唯一残っていた書店、文教堂書店閉店の記事を見た。
私は赤坂に特段の思い入れはない。
でも、出先で前あったはずの書店が姿を消していたことはある。
初めての街で書店を見つけられなかったこともふえてきた。

「本はネットで買うから」という人もいる。
「レビューがとても参考になるから」と実物も見ないらしい。
でも、私にはそれはできない。
ほかのものはともかく、本だけは実際に手に取ってから買う。
(実物を見ずに買っていた本は福音館書店の月刊絵本だけだ。)

この間、ネットで大評判だという本を紹介された。
いわく、対象の人にはすごく売れているらしい。
紹介者もとても気に入っているようだ。
レビューを読んだ。
出版社のHPも見た。アツい。
が、正直、私にはそれほど、とまでは思えなかった。

けれど、私は実物を見て買う。

本を見に複数の書店に行った。
それぞれの書店でどんな扱いをされているかも知りたかった。
目利きの書店員さんがその本をどう評価しているかも知りたかった。
レビューの熱狂ぶりやHPの力の入れようから、さぞかしと思って探す。
けれど、ほとんどの店がそのシリーズの最初の1冊を置いているのみ。
類書と一緒に書架にさしてあった。
それどころか置いていない書店もあった。
売り切れたわけでもないようだ。
評価もなにもない。
拍子抜けして一般書店ではなく、専門書店にも行った。
やはり、同様の扱いだった。
扱いもそうだけど、実際に本を見て、やはり、買わなかった。
そして、買おうか迷っていた本と存在を知らなかった本を買った。

昨日職場の図書室にやってきた学生が言った。
「ここで見て、わかりやすかったから自分で買いました!」
そうだよね、実際に手に取って見ることって大事だよね。
そしてそういう環境があるっていうことが大事だよね。
まぁ、、私にとっては書店てそれだけのものではないんだけど。

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