九谷焼き研修 at secca.inc 後編
2Day:本制作の骨描開始
この骨描はコツガキとよみます。筆は和筆を使います。九谷焼の絵付けはびっちり描くものだと思いがちですが、別に描かなくてもよかったり。案外自由です。私が準備した絵はこれ。あばずれシリーズとよんでます。100均の皿にアクリル絵の具で描いてドローイングしてました。なんであばずれかって?私生活のことをベースにしてるので秘密です(笑)。
そして下が九谷焼きに絵付けしたあばずれさん。和絵の具かかっているところは焼く前はペールカラー。焼いたら鮮やかになります。紫の首飾りはマロンという色で、高級絵の具。ピンク系には金が入ってるみたいで今価格が高騰してます。あばずれの首には高級なものがにあいます。
このぐい飲みは試作品用。焼き付けは2回まで出来ます。左は骨描のみして焼きます。右は骨描が乾いた後焼かずに色をのせてます。違いは色を塗るときに、一度焼いておくと呉須(黒い線の釉薬名)が固定されて色が塗りやすくなります。
そうそう、和絵の具はアクリル絵の具のように描いてはいけません。陶器部分に触れないように筆を運びます。水に浸した片栗粉を乗せる感じでしょうか。日本画を描いたことある方はわかると思います。色塗りしてるところをご覧ください。 広い面であればあるほど大変でした。
骨描から色塗り。拾ってきた破片なんかにも描くことができます。
骨描だけでもかっこいいです。この壷の絵付けはとても都会的な印象があるので、壺は色塗りをせずに焼いて飾ってみることにしました。なんかいいものに化ける予感。
日ごろからドローイングを描いてます。それを皿にすることでクオリティ上げられるかなと思って、作ってみました。
なんかひとつのロゴになりそうな感じ。焼き上がりはドローイングのカラーなんですが、まだ焼く前なのでペールカラー。どうなるか楽しみです
絵付け完成!
完成ー!実は2Dayから4Dayまでかかりました。なので2日分の報告がありません。。。1日中集中してました。夜は金沢でうまい飯を。お買い物を・・・と思ってましたが時間なんてまったくなかったです。こういう時間って、作家にとって幸福の時間でしかない。あー、もっと作っていたい!
「金は出すけど口出すな」
金沢では工芸作家をたくさん排出しています。現代では少なくなったようですがお金持ちの旦那衆が作家を抱えて育てた歴史があるとか。その文化が今でも残っていて、工芸作家を育てる場所、金沢卯辰山工芸工房があったり、環境的に工芸作家にとって住み心地がよかったりします。
東山町を歩いて、地元の老舗をめぐり話を聞かせてもらいましたが、みんなが伝統工芸と作りてが好きで守っていきたいと話していました。面白いのが、若手に対して「口を出さない。」んです。とにかく作らせる社会に感じました。もちろん、それゆえに融通の利かない面もあると思いますが、作家を育てる思想としてすごく大事と思いました。
新しい働き方
noteでは働き方というテーマにも参加しています。私はデジタルアルティザンというコミュニティーに所属しており、この会社では「自分の好きなことを仕事にしましょう」というミッションがあります。私は画家であり現代美術家で、モノづくりで食っていきたいという目標があります。それをミッションに掲げています。
考え方も自由です。基本ソロ活動の私なので、独自の考え方で進めています。まずは手を動かして、好きなことを突き詰めることからスタート。今まで時間やお金の制約があって、できなかったことをテンポよくどんどん吐き出していくことが重要です。
自分でミッションも作っています。2か月に1種類新作を作る!そして半年後には1企画として継続できる形に持っていくこと。1年後には店舗においてもらえるレベルまで達すること。
面白いのが何を作るかは決まっていないところなんです。これはエフェクチュエーション理論と呼ばれるもので、経営学者サラス・サラバシーが提唱したアントレプレナーシップの新しい概念の一つです。何度かファシリテーターとして参加させていただいているアートシンキングワークショップではおなじみの理論です。
サラス・サラバシーさん
従来のアプローチとは逆に「手段」から始める方法で、アーティストにとっては普段から実践していることなので、一番考えやすい方法と思っています。(詳しくはリンクをみてね!)
補足として、何を作るかは決まっていないというのは全く何も決まっていないということではなく、自分のできることから始めるという意味です。絵を描くことが私はできるので、そこから出発して何ができるか探る。エフェクチュエーション理論は自分の才能や能力を自己確認することからスタートします。
私の仕事スタイルはこんな感じ。
①アウトプット
②考える
③さらにアウトプット
④考える
⑤さらにさらにアウトプット
⑥そして最後に経営方法を練る
私の素敵を作っていきたいです。
完成品をずらり
ずらり!と思ったけど、お皿って撮影難しい。。。。
よし!そうだ!ぜひ本物をDiGITAL ARTISANまで見に来てください!
FIN