完全無欠のシェムリアップ Siem Reap, Cambodia
海外ひとり旅も板についてきた頃。
そろそろカンボジアでも行っとくか~、アンコール・ワットにタ・プローム、遺跡大好き。
そんな軽めな気分で決めたのだけど、深夜の帰国便に乗る前、パブストリートのレッドピアノにて。名物のカクテル、トゥームレイダーを飲みながらふと、「あー帰りたくねぇよぉ」と涙がひとしずく零れ落ちた。
時間を巻き戻して振り返ってみよう。この濃密な3日間を。
1日目
今回は(今回も?初めての海外ひとり旅、アメリカはワシントンDCもそうだった)、韓国経由で向かった。アシアナ航空&エアソウルっていうLCCで、深夜着だ。
ビザは現地の空港で取得した。今なら事前に取っていくと思うけど、行く!と決めてはいたもののギリギリまで仕事の調整にてこずり、準備をしておくふんぎりがつかなかったから。
これも今なら絶対やらないと思うが、深夜便で到着してからの、夜明けのアンコール・ワットを見に行くツアーに参加することにしていた。早朝の5時集合。
とにかく空港からホテルへ向かい、チェックインしてベッドへダイブ。アラームかけたスマホを握りしめてしばし仮眠。
移動で疲れてるはずだし、大した睡眠時間でもなかったのに、目が覚める。
若干興奮もしているよう。
まだ暗い。
ちょうど雨季と乾季の狭間、雲が多め
でも今日は雨がやんだのだと、ガイドさんが教えてくれた。
地面が若干濡れてる。前日降ったんかな。
なんてラッキー。
明けてきた…
ここで一旦宿に返され朝ごはんを。
カンボジアはフランス領だったこともあってか、オシャレカフェやらオシャレパン屋さんがたっくさんあり、毎日お世話になった。
午前9時、まずはバイヨンから。
ほとけさまの微笑み。
心穏やかになります。
レリーフが素敵。
アプサラダンスの踊り子でしょう。
ん?亀?
ワニと魚?
これらを彫った人々は、どこでこれらの生き物を目にしたのだろう。
続いてタ・プローム、トゥームレイダー(アンジェリーナ・ジョリー主演の方)のロケ地である。
できる限り他人が写り込まないように撮るのが信条なのだが、ここは仕方ない。
ここいらでランチ。東南アジアだったらばこういうのがないと。
マンゴー♪
(*´ω`*)
お次はどこかな?
アンコール・トム。
内戦の銃弾痕…
午後は再びアンコール・ワットへ。
ここのみどころはなんと言ってもレリーフだと思っている。
アンコール朝の創建者と言われるジャヤヴァルマン2世がイケメンすぎやろ。
レリーフからでも伝わるイケメン感。本物がこの通りだったかどうかは定かでないが...9世紀くらいの人なので。笑
象さんに乗って戦争。躍動感が伝わって来ません?
アンコール・ワットを後にして、
プレ・ループって別の寺院から夕暮れを。
2日目
今日はいざ、プレアヴィヒア寺院へ!
世界遺産になったのは2008年。その少し前までタイとの紛争地帯であったこともあるのか、麓にはカンボジア軍の兵隊さんとそのご家族がお住まいだった。なのでガイドさん曰く「こんなとこ来るの、西洋人か日本人くらいだよ(≒中国人はまだここまで来てないよ)」と。
カンボジア国旗(左)、国連とユネスコの旗(真ん中と右)が翻る。
ここまでは、シェムリアップから車でおよそ4~5時間程。そのあいだの小話はこちらにもしたためた。
遠路はるばる、ようやくここまで。
そこには絶景が!!!
本来なら岩の上にいる女子のように、絶景に映える自分をガイドさん(右の帽子かぶってる人)に撮ってもらうのだろうが、私は全くもって興味がなく、
ひたすらに、
この絶景を持って帰るために、
心に、目に、焼き付けたいがために、
スマホカメラの
シャッターを
押し続けた
空と君とのあいだには。
このときこそ、鳥になりたいと思った瞬間はない。
もちろん遺跡も。
空の青さが目に沁みる。
お次はベンメリア。
ここはわざと、修復せずにそのままなのだそう。
しっかしすげぇな…
自然の力という奴は。
タ・プロームもそうだったけども。
ダンジョン♪
…
…
…
ちょ、ちょっと怖かった…(゜-゜)
ここまで壊れてると、戻す気にならんわな。
確かラピュタのモデルって言われてた気もするが。
このツアーでご一緒した方たちもとってもいい人たちだった。
割と女子率高めで、一眼レフを片手にもった夏目三久似女子、名古屋から来たお友達二人組女子、見た目ハワイとかにいそうだけども「ミャンマーでレンタルバイクに乗ってたら、意識不明になって倒れて、地元の人に助けてもらったの~」なんてハードな体験を語り始める小悪魔系女子。
せ、世界は広いな…
3日目
日本人のご夫婦が経営されているスパ、PREAH GARDENでリトリート。
今は残念ながらクローズされているよう。ホームページの更新も2020年3月から止まっているようだし、この御時世仕方ないですな。
朝ヨガ
これだけでも十分気分爽快だったが、これから数時間エステでまったりして更に、こんな素敵なランチまで…
カンボジア料理(クメール料理)って、東南アジアのくせに薄味で、とってもやさしかった。隣国ベトナム料理にも似て。
経営者ご夫婦のご厚意で、早朝にこのスパまで送ってくれたトゥクトゥクの運ちゃんを午後貸切れることになった。
だったら、シェムリアップを堪能し尽くすよ!
まずはアンコール・ワットから。
悠久の歴史を独り占め。
だって、どっさりやって来るツアー客は、有名なレリーフをちょろっと見ておしまいだから。マイナーな回廊に来ればひとっこひとりいやしない。
そしてまたもや、ジャヤヴァルマン2世に会いに来てしまった。
今なら確実に、「花様年華」でマギー・チャンと別れてからトニー・レオンが佇んだ場所を探し回ると思われる。苦笑
アンコール・ワットをひとしきり巡り、タ・プロームやバイヨンも再訪。
あー…
別れのときが
今、せまる
さようなら
とっても、たのしかったよ。
何者でもない、むき出しの、”Noriko Kato”さんでいさせてくれて、ありがとう。涙の訳は、きっとこれだ。
※2016年11月のおはなし。