マレーシアでの私の朝ごはん事情
4月半ばから始まったラマダン月が終わりを迎え、5/13(木)5/14(金)は、Hari Raya Puasaという祝日モードのマレーシアです。
(マレーシアの国教はイスラム教です)
本来ならOpen Houseといい、家族や親戚だけでなく友人知人や隣近所の人も家に上げておもてなし、盛大に祝われます。が、COVID-19による活動制限令が発令され早1年、2回目のラマダン。感染者数もなかなか減らない中、更なる移動抑制のためか、Hari Raya Puasaを前に活動制限令が強化されてしまい、ひっそりとしたラマダン明けです。あ、ここ数日、花火はそこここで上がってるけど。
で、今日は、私がほぼ毎朝たべてしあわせな気分になる、マレーシア朝ごはんの話をします。
私が住むコンドミニアムの周りには、平日朝6時か7時頃から9時頃までしか営業していない朝ごはん屋台がそこらじゅうにあります。このCOVID-19による引きこもり生活がなければ、決して知ることはありませんでした。だって、会社へ通勤していたときはただでさえ貴重な朝の時間、コンドミニアムの外へ出るはずもなく、目が覚めたらシャワー浴びて歯磨いて朝ごはん食べて化粧して地下駐車場へ直行、運転して事務所へって日々でしたから。
マレー系 5店舗
まず大のお気に入りから。
Nasi Goreng(ナシゴレン)、所謂チャーハンですね、これが食べたくなったら絶対ここ。真ん中の、後部が開いている車がお店。おそらくご夫婦でやられてて、ピーク時間帯である朝8時頃は御覧の行列。
余談ですが左側に見えてるファミマ、内装も商品もほぼ日本のファミマそのまんまです。そのうち、マレーシアフレーバーのファミマおにぎりの話でもしようと思う。誰得や。
もう、このNasi Gorengにやみつき…
少し固めに炊かれたごはん、けれどパラッパラに炒められ、味のアクセントとなるサンバルソース(後述)×目玉焼き×ミックスベジタブルっぽい具との華麗なるコラボレーション…!
ラマダン期間中も果敢にも営業されていたのですが(自分たちは断食してるのに、他人に食事を提供するってなんて精神力なの)、さすがにHari Raya Puasa前のこの1週間はお見かけせず。来週からまたたべられると思うとよだれが止まりまひぇん。
お次は、年配か同年代か年下か、マレー系女子メインの屋台。
おかん、もしくはおふくろの味?
マレーシア人が愛してやまないソウルフード、Nasi Lemak(ナシレマッ)。
(マレー語発音的にはナシ「ル」マッなのかな)
ココナッツミルクで炊いたごはんに、唐辛子やたまねぎ等をじっくりと炒めてつくるコク旨辛調味料サンバルソースをからめ、卵、キュウリ、ピーナッツやイカンビリス(小魚)を添えます。これが基本形。
サンバルソースはそれはもう、屋台、レストラン、各家庭でさえ、それぞれ独自のレシピ、味付けがあるらしくひとつとして同じ味に出合うことはありません。その出合いがたのしい。
お次はまた別の屋台。
Mee Goreng(ミーゴレン、所謂焼きそば)がたべたくなったらここへ足が向くのです。ちょっとアブラギッシュでたべてからいっつも後悔するのですが苦笑、それでもなお、たべたくなる中毒性あり。
これらふたつの屋台は、ラマダンが始まったら店じまい。1ヶ月も仕事せず収入なしなんて、日本ではなかなか考えづらいですね。副業されてるのかも知れんけど。
お次はこちら。コンドミニアムの目の前で、割とボリューミーなのでそれ程通ってはないのですが、ひとつ忘れ難い逸話がありまして。
ある日、Mee Siam(所謂ビーフンですね)を頼んだときのこと。マレー語だったので詳細はわからないけれど、バナナをオマケでつけてくれました。
前日ちょうど、Duolingoで”Pisang(インドネシア語・マレー語でバナナのこと)”を覚えたてだったので嬉しくって、「Pisang!Pisang!」と復唱しまくりました笑
覚えたことを即実践できる環境の素晴らしさ。もう最近、こういう場所では
「Satu Nasi Lemak~(ナシレマッひとつくださーい)」
「Terima Kasih~~(ありがとー)」
ってマレー語を話すようにしてます笑
うっぷ、ビーフンとはいえバナナもたべたらかなり胃にこたえるな…
ランチは抜きでいいわ…
ラマダンとは関係なくここ数ヶ月見ていないので、残念ながらお店を閉められたのか、お店を出す場所を変えられたのか…
さてお次は、店構えは撮らなかったものの最近見かけるように。
これもビーフンなんですが、野菜やキノコ多めが嬉しい。
こちらも新参者のフードトラック。
Nasi Lemak(ナシレマッ)専門店の様子。だいたいいつも、Simple Nasi Lemakか、つけてもAyam(インドネシア語・マレー語で鶏のこと)をオーダーしてしまうのですがここは趣向を変え、Sambal Sotongにしてみたのです。イカ(=Sotong)のサンバルース(=Sambal)和えですね。
これがまー激辛だったのです。
最初のうちはよかったものの、食を進めるうちに顔から噴き出す汗汗汗。
マレーシアに来て、辛さに対する耐性をつける修行を自分勝手に行ってきたものの、こんなに辛いもの人生で初めてたべました。
Sambal Sotongがお初だったのでコイツが悪さしているな!と当時は思っていたのだけど、この記事書くにあたり写真を見直し、奥に見ゆるサンバルソースが実は犯人なのかもと思い至る。が、たべる前からぜーんぶぐっちゃぐちゃに混ぜてしまったため、真相は闇の彼方。
ひとくち、ヒー
もうひとくち、ひぃー
更にもうひとくち、ヒィィィィィ
口から火が出るとはまさにこのこと。比喩ではなく。
あ、もちろん、マレーシアごはん、一事が万事辛いものばかりでないのでご安心を。
中華系 1店舗
はい、そろそろマレー系屋台に別れを告げ、中華系屋台です。
好き過ぎて通い過ぎて、右端で茶色いエプロンをしているおばちゃんにすっかり顔を覚えられています。ちなみに今朝も行ったんですが、御覧の行列。
「一事が万事辛いものばかりでないですよ~」と言う舌の根も乾かぬうち…
手前のビーフン(醤油味っぽいので、とっても日本人の舌に合うと思う)
×
目玉焼きの下に大部分隠れてますがChar Kway Teow(チャークイティオ、米粉でできた平打ち麺。きしめんをご想像ください)
真っ赤なチリと真緑の青唐辛子。
この日はビーフン(奥)×焼きそば(手前)×目玉焼き
真っ赤なチリと真緑の青唐辛子。
この日は焼きそば(奥)×トムヤム風ビーフン(手前)×目玉焼き
真っ赤なチリと真緑の青唐辛子。
辛い、ウマイ、やめられん。
日本に帰ったらもうたべられなくなるなんて、痛恨の極みであります号泣
繰り返しますが真っ赤なチリと真緑の青唐辛子は完全に自分の趣味です。なしにできますからご安心を。
インド系 2店舗
さて、インド系、バナナリーフカレーやNasi Kandar(ナシカンダー、正確ではないですが具沢山カレーを想像してもらえるといいかも)のお店でも、朝ごはんを買うことができます。
近所のバナナリーフカレー屋さんで買ったナシレマッ、本当にバナナリーフに包まれてる。殺菌だったり保存の意味があるようです。
こちらの三角ナシレマッは近隣のNasi Kandar(ナシカンダー)屋さんで買い求めたのですが、お値段RM1.5, およそ40円なり。庶民の味方。
本当にマレーシアおにぎりって感じです。
いやぁでもさ…
(中華系屋台のおばちゃんに、再びご登場いただきました)
マレーシアって暑いんでしょ?そんな中、食材放置されてて傷まない?
写真だとラップも何もかかってないし、ホコリとか虫とか大丈夫なの?
そもそも料理の名前も値段も何も書いてないし、よくわからない…
はい、わかります。その不安。
確かに暑いんですが、お店の回転速いですし、その日のうちに作り立てが供されるので問題はないですよ。少なくとも私は、こういうところの食事でお腹を壊したことはありません。度々登場した、半熟目玉焼きであっても。
(さすがに生卵を使ったTKGはオススメしませんが)
確かにメニューはないですが、逆に食材を自分の目で確かめられるって最高じゃないですか?むしろコンビニ飯の、いつつくられたのか、何が入っているのかよくわからないたべものの方が不気味な気がします。だからマレーシアだとコンビニ飯って、日本程は流行らないのかも。
(冒頭のファミマ含め、コンビニ業界の方がいらっしゃったらすみません。)
世界には、本当に様々な食性をもつ方々がいらっしゃいます。宗教上の理由で豚やお酒がダメな人。牛が無理な人。ベジタリアン、ビーガン。宗教や個人の信条でなくたって、どんなにたべたくともアレルギーをもつ人だっています。
私はマレーシアに来て、食の多様性に何より驚きました。小学校時代の給食時間には、「肉、野菜、魚、卵、栄養バランスよく、何でも残さず食べましょう」って習ったはずなのに、それとは真逆の世界が目の前に広がっていました。
中国、とりわけ広東料理について「4本足のものは机と椅子以外、2本足のものは家族以外、飛ぶものは飛行機以外、水中のものは潜水艦以外、なんでも食べる!」と言われますが、日本人も雑食であることに関しては相当いい勝負なんじゃないでしょうか。だいたい、生の魚や貝、ウニやらナマコやら白子やら、食べようと思わないのでは…
なので、自分の目で自分がこれから口に入れようとするものを直接確かめられるって、すごく意義あることだと思うのですよ。
確かに、値段が書いてないしぼったくられないのかって気持ちになりますが、今日ご紹介したのはたかだか100円200円の世界ですよ?
こういうところってほとんどが個人経営のため「この店ぼったくるらしいぜー」なんて悪評が立ったら元も子もない。信用第一。RM10(250円相当)を出して、お釣りが返ってくるのを待てばいいのです。
こういった相場感を知っておくのも、海外を旅したり暮らすには必要なスキルなんでしょうね。
とまぁいろいろ語って来ましたが、そろそろ纏め。
こんなカラフルなパラソルの下は美味しいマレーシアごはんの宝庫。国境が開きマレーシアへ気軽に来ることができるようになれば是非、怖がらず試してみてほしいです。
マレー語がわからなくたって大丈夫。相手は同じ地球上に住む人間です。
単語を連ねただけの英語でも、指差しでも、コミュニケーション取ったもん勝ちですよ!
参考文献はいつもの、私のマレーシアごはんのバイブル。