スペースシャトルとコンコルドをこの目で見たい Washington D.C., the USA
あるとき、「どうしてもここへ行きたい、これがしたい」という想いが、ふっと湧き上がることがある。
と同時に、「今行っとかないつ行くねん!」と、焦燥感に駆られる。
このときは、
ワシントンD.C.にあるスミソニアン博物館群のひとつ、
航空宇宙博物館だった。
で、決めたアメリカ行き、初めての海外ひとり旅。無謀にもソウル仁川でトランジット、選んだキャリアが大韓航空でしたので。ええ。
※戦争の話とか苦手な方、別に今そういうの読みたくないんだよなぁ、という方は、この辺りで離脱をオススメします。
今思うと
行ってよかったな!グッジョブ自分!ヽ(´▽`)/
Best timingだったぜぃ!!
て感じ。
やっぱり人間の直感てすごい。
行きたいときが行きどき。
別に鉄分多くもないのですが(あくまで自己申告)、次々現れるカッケェ飛行機やエンジンの数々にときめきマシタ…(一応文系す、これでも)
32気筒エンジンを前に、いそいそと写真撮りまくる謎の東洋人女子…アヤシサ満点なり。
そもそもめっっっちゃくっっっちゃでかい展示場に、
これでもか!とぎゅうぎゅう名だたる飛行機やらロケットやらを詰め込んだ夢の空間。
※Steven F. Udvar-Hazy Center, ウドバーハジーセンターと言いまして、ワシントンD.C.はダラス国際空港近くに航空宇宙博物館の分館があり、そこでのお話です。
まずこちらに度肝を抜かれました。
音速戦闘機ブラックバードォォォ!
かっちょよすぎて様々な角度からの写真が残っている照笑
誰得でもないので、これ以上は控える。
もちろん当初の目的であるコンコルドにもお目通り叶いました。
どんだけ引いても、全体像が入らない…やっぱでっかいなぁ
もちろんスペースシャトルにも。展示されていたのはDiscovery号です。
(ブラックバードの奥にも写ってるのですが、別の角度から)
この焦げたタイルひとつひとつが、大気圏と成層圏を行き来したんやなぁと思うと…
落涙。
Challenger号爆発事故も、ほのかに記憶にあるだけに。
(気分的にBGMはアルマゲドン、エアロスミス…
ドンウォナクローズマィアーイズ!)
しかし、日本人としていちばん心を揺さぶられたのはこれ。
零戦 VS エノラゲイ(銀色の方)
こ、こんなちっちゃい飛行機でよくハワイ真珠湾まで行って奇襲仕掛けたな?!
勝てると思とったんかい!こんなでっかい飛行機つくれる国に?!
てか零戦の真上にエノラゲイを置く展示よ…こやつが我が国を、世界初の新兵器で焼いた奴か…!
物凄い感情の嵐が、この展示を見ただけで己のこころに吹き荒れました。もちろん私は当時を経験してはいない。赤ん坊だったはずの父や生まれる前の母や、祖父や祖母の時代。歴史学習や伝聞の世界。
なんなのこれは。
そこで辛うじて思い出したのが、演出家野田秀樹が主宰する野田MAPの第9回公演、「オイル」(2003年)だった。
以下、松たか子演じる主人公富士の、衝撃の台詞を書き留めてくださったブログを見つけたので長くなるが一部抜粋。太字は筆者。
復讐は愚かなこと?
たった一度で何十万の人が殺された。その恨みは簡単に消えるものなの?
一ヶ月しか経っていないのよ。あれから。(舞台は終戦後1ヶ月経った島根に設定されている) どうしてガムを噛めるの。コーラを飲めるの。ハンバーガーを食べられるの?
この恨みにも時効があるの?
人はいつか忘れてしまうの?
原爆を落とされた日のことを。
その翌日歩いたその町を?
(富士は電話機を取り上げて、神様に電話をかける)
もしもし、もしもーし。
天国があるというのなら、なぜあの世に作るの?この世にないの?
どうして天国が今ではなくて、アフターなの?
それを教えてくれたら、信じてもいいよ。あなたのことを。
ごめんなさい。嘘ついた。
ほんとは、助けがほしいの。あなたの。
聞こえていたら返事して!神様!
零戦と言えばこちらも。私は未見。
荒井由実の”ひこうき雲”は涙がちょちょぎれるけど。
この旅を通して、”本物”がもつ力に圧倒されました。
現物を目の当たりにするって、こんなに衝撃が走るものなのか。
だったらこれからも、実物を追い続けていこうと心に誓ったのでした。
※2014年11月のおはなし。