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Sometimes people lie because the truth is too hard to admit. from "So B. It"
最近は洋書づいている。直近で読み終わったのはこちら。
偉そうな書き出しだが、あくまでこども向けの小説。
前に読んだばかりの”Everything, Everything"もそうだけど、ちょっとでも賞を取ったりベストセラーになった本は、悉く映画化されておるのね…
12歳の少女Heidiは、自分の誕生日も、パパも、名字ですら本当のところはよく知らない。ママはメンタルに難があり、22個の単語しかわからないからだ。隣人のBernadetteが12年前、まだ赤ん坊だったHeidiとママを保護し、あれやこれやと面倒みてくれている。
そんなママが時折漏らす謎の言葉”Soof”。それは何?人なの?モノなの?
更にHeidi妊娠中と思われる昔の写真も発見。
これらの写真をてがかりにHeidiは、ママの過去、自分のアイデンティティを探す旅に出る。
読みやすい
上記記事で感想をしたためた"Everything, Everything"は、高校生の恋愛話なので会話が非常にカジュアル。チャットでのやりとりも何度も登場する。こういう日常会話、普通に主語や目的語が抜けたり、動詞ですら消失("I will."みたいな)。日本語で考えてみたら当たり前なんだけども、10代向けの小説初心者にはちょっとハードル高かった。
一方の”So B. It”、1ページまるまる英文で埋まってるなんてことザラだったが、英文そのものがとてもやさしく、サクサク読み進めることができた。さすがは対象読者年齢
というだけある。"Where Is?""What Is?"シリーズと同じ難易度。道理でスイスイいけるはずだわ。自分にとってちょうど合うレベル、ストレスなくグイグイ読んでいける洋書選びが大事であることを、改めて思い知った。
時制(過去形、過去進行形、過去完了形)
”Everything, Everything”と比べてもうひとつ。こっちは全編通じて現在形で書かれてたのだけど、”So B. It”は過去形。作者の意図がなんかあるのかな。
普段はほとんどお目にかからない、過去進行形や過去完了形がたくさん現れて、今も習ってる中華系マレー女子の英語の先生と以前、英文法をおさらいしていたことを思い出した。彼女も言ってたんである。「小説読んでると、過去形いっぱい出て来るよ(むしろ小説以外だと、あまり見ないよ)」と。
例えば過去形と過去進行形のコンビネーション、
When I went back out to the living room, Roy was sitting on the couch reading the paper.
(私が居間に戻ったら、Royがソファに座って新聞を読んでいた)
みたいな文ですな。
また過去形の助動詞wouldやcouldも頻発。単純にwillやcanの過去形というよりも(そういう場面もあったが)、if節がなくとも単独で仮定法としてのニュアンスを含むので、「あ、ここは現実には起こっていない、想像の話をしてるんやな」と瞬時にわかる。
これはこれで、とても勉強になった。
ストーリー
肝心の物語はというと、読みやすさのおかげで最初からすっと入り込めて、自分と自分の母のルーツを求めて旅する中盤以降は読むのがやめられなかった。本格的ではないにせよ、謎解きの要素が混ざって来るのもあるのだろう。
ここでもやっぱり、自分の英語読解力に合った本を選んだことが存分に生きていると思う。
結末は、”Everything, Everything”程の大どんでん返しはなく素直に終わる(プチどんでん返しはあるけど)。こういうところは対象読者年齢相応、という感じ。
”So B. It”をお送りしました。
TOEIC700~800くらいで、英語多読に興味あるけど何読んでいいか迷っている方に是非オススメしたい。
Reading Sectionの比ではない英語の分量に、最初は怯むかも知れないが、よくよく読めば難しくないことがすぐわかる。物語のおもしろさも理解を助けてくれる。300ページにも満たないので、何ヶ月もかかるような代物でもないはず。
この本が少しでも多くの、迷える英語学習者のみなさまへ届きますように。