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ほろ苦い旅路 Colombo, Sri Lanka
あー、とりあえず解放された。よかった。傷んだのは財布だけ。
けどここどこ…
ワタシはダレ
素敵なスリランカカレーを朝食として出してくれた、小さいけれど居心地のよい宿泊先ホテルをチェックアウトし、さぁーてどうしよう?と、観光客然としていたのがいけなかったのだと思う。
気づけば、スリランカのイケメン(今思い出しても、それなりに御尊顔は整っていた)と、トゥクトゥクに乗っていた。
「これオレの彼女」って聞いてもいないのにスマホの写真を見せられたが、それ明らかに韓国人と思しき観光客と撮った写真やん。彼女との写真にしてはよそよそしくない?!
しかも何かと理由をつけられて奥に押し込められ、奥側(≒車道側)の扉も開かないようになっていて(今思えばこのトゥクトゥク運転手もグルか)、しれっと逃げたくても逃げられない乗車位置。
ヒンドゥー教寺院なり、宝石店なり(いやー、母親の大事なプレゼントを買いに行かんよね、初対面の女と)、散々連れ回されている最中、割と最初の段階で(何となれば最初にトゥクトゥクに乗った時点で)、「あ、この人ヤバい人…」と気づき冷水浴びせられたかのような冷静さで頑なに”I'm not interested”と繰り返していたら、「こいつは金にならん」と思われたらしく、あるとき突然、「じゃあね、バイバイ」と、どこともわからぬところで降ろされた。
その間、マレーシアリンギットで900余り、日本円で数万円をなんだかんだ言われて渡し。何故か空港へ行くための交通費、いくらかスリランカルピーは盗らずに取っといておいてくれた。
自分の身体ならびに荷物の無事を確認し、安堵して、こっからどうしよう?とスマホのGoogle Mapsで今の位置を確認してみたら、もともと行こうかなとチェックしていたカフェが目に飛び込む。
降ろされたところから、なんとか歩いていけそう。
カフェに着き、落ち着け自分と、頼んだのが見出し写真のメニュー。今の所持金もしくは幸い盗られなかったクレカを切ればとりあえずこの食事に対する対価は支払えて、空腹も収まって、まともに脳みそも動く。全くスリランカらしくない料理やけどさ。今朝食べたばっかりのスリランカカレーがもう恋しい。
別にスリランカが悪いわけではない、海外にひとりで行くようになって慢心していた自分が悪い。
COVID-19がある程度収まって、自由に動けるようになったら、リベンジしたい国のひとつ。
※2018年7月のおはなし。