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マレーシアで中国語教育のススメ

こんにちは!NORIKO@どっぷりマレーシアです。

自己紹介でも書きましたが、私の2人の娘は小学校で中国語教育を受けております。

中国語は現在約14億人が使う言語であり、世界における中国の存在感を考えると、決して習得して損する言語ではないと思います。英語だけではなく、中国語もマスター出来たら、どれだけ人生の幅が広がるでしょうか!

実際に娘たちに中国語教育を受けさせてきた体験も含め、「マレーシアで中国語教育のススメ」と題して綴ってみたいと思います!

※この記事で示す「中国語」は、北京語(マンダリン)を指しています。


マレーシアは中国語が通じる国!

マレーシアの総人口に占める華人(中華系マレーシア人)の割合は約24%。多くの場所で中国語が使用されている。英語教育を目的として日本からマレーシアへ移住する方は多いが、私は日常生活を通して中国語も習得できる環境であることも、マレーシアの大きな魅力と感じている。

マレーシアの看板にはあらゆる言語が(マレー語、英語、中国語、タミール語)

幼稚園~小学校選びまでの経緯

マレーシア生まれ&育ちの娘たちは、2歳から保育園デビューし、多言語の環境に少しずつ入っていった。そして4歳から3年間通った幼稚園は、マレーシアで使われる主要3言語(英語・マレー語・中国語)をまんべんなく学習させてくれる環境だった。
詳しくはこちらに書きました↓

長女の幼稚園卒園が近づき、小学校選びとなった時、私たち夫婦はこんな風に話し合った。「これから私たち家族はまだまだマレーシアで過ごしてく。せっかく多民族国家で成長していくのだから、子供たちは中国語・英語・日本語の3言語をぜひマスターしてほしいね。そうすれば大きくなってある程度自分で進路の選択ができるようになった時に、選択肢が無限に広がるよね。」と。

子供自身が人生の選択をする=自分の人生に責任を持つ。
あくまで親は子の意志を尊重し、全力で応援する。
これが今でも夫婦で一貫している我が家の方針。


家庭内ではもちろん日本語100%だったし、日本語なら親も教えられるので、学校で学ぶ言語は英語か中国語に絞られた。じゃぁ小学校はどっちメインがいいのか?という点で悩み、いろんな方に相談した。
その中で、教育に詳しい方や、マレーシア在住の既に子育てをある程度終えられた方々から「英語はある程度大きくなってからでも大丈夫だけど、中国語はホント難しい。小さいころからやっていないと耳が育たないよ。」というアドバイスを頂いた。それなら小学校は中国語メインだ!と決め、複数の中華系学校に見学に行き、設備も整っており小人数制の今の学校に決めた。

子供たちが通う学校の教室の掲示物

周りの反応


「中国語の小学校に行かせる」と周りの知人に話したときの反応が面白かった。日本人の知人はほぼ全員、あり得ないといわんばかりに、「何で日本人夫婦の子なのに中国語?英語ならまだしも、母国語(日本語)どーするの?」と。確かに当時、マレーシア長期在住日本人のお子様たちは大半が日本人学校またはインターナショナルスクール通い。私の知る限りで中国語教育を受けさせている家族はごくごく少数だった。
一方でマレーシア人の知人からは「中国語と英語を学校で?家では日本語?!グッドチョイスだね!」と、なんと正反対の反応だった
単言語で育った日本人と、多言語で育ったマレーシア人の価値観の違いだろうか。

小学校での成長

子供達の小学校では、毎日1〜2時間の英語の授業と、週に数時間のマレー語の授業以外は全て中国語で行われる。生徒は中国、台湾、香港などいろんな国籍の子やそれらの国々の方とマレーシア人とのハーフの子も多く、韓国人もわりと多い。日本人夫婦の子供は我が家の娘を入れると全校で3人だけ生徒同士の会話はほぼ中国語。 一部英語で話す子もいるようだ。

幼稚園である程度基礎はやっていたとはいえ、読み書きはほぼゼロからのスタート。もちろんガラッと変わった小学校での環境に最初から馴染めたわけではなく、最初の数年は親子で悪戦苦闘の日々だった。

長女の入学日。教室の入り口に飾られたアーチにネギと春菊が…これも異文化教育の一つ

低学年の頃は、先生の言っている事が分からず、友達ともうまくコミュニケーションが取れずで、学校に行きたくないと不登校になりかけたこともあったし、「友達ができない」と夜シクシク泣く日もあった。宿題のあまりの多さ、難しさにもう嫌だと泣いたことも数知れず。
一方私も、宿題や学校との連絡が日本語ならどれだけ楽か、と思ったこと数知れず…子供も辛いのならと「いつでも日本人学校に変えていいんだよ。」と何度も話したが、子供たちは決してその選択はしなかった。

小学5年生の算数の教科書

途中コロナで完全オンラインの時期が半年くらい、通ったり通えなくなったりの時期を併せると2年程あっただろうか。そんな試練の日々を踏ん張りながら乗り超えて、子供たちはとても逞しくなった。3年ほどすると”言葉の基盤”が出来上がるのであろう。3~4年生くらいから生き生きと学校生活を送るようになった。親友もでき、成績もなんとかクラスの皆について行けるほどになった。

長女は既に小学校を卒業、次女は5年生が始まったところだが、二人とも既に中国語のレベルは日本語を超えている。二人の家での会話はいつしか中国語に。もちろん喧嘩も中国語。

私も担任の先生や保護者の方たちとコミュニケーションを取りたいし、学校からの連絡も理解する必要があるので、長女が小学校に上がるくらいから中国語を勉強し、HSK5級まで取った。でも子供たちのあの耳から覚えた完璧な発音だけはどうしても真似できない。一番苦手な会話を練習したいので、子供たちの中国語の会話に入ろうとするのだが、「ママの発音、変!!」と一蹴されてしまう(涙)

現在長女はインターへ転校

現在長女は中学1年。小学校6年間で「十分すぎる」と思えるほど中国語を学んだことと、本人が5年生くらいから英語に興味を持ち始めたため、中学からインターナショナルスクールに転校した。通い始めてまだ半年。そしてインターナショナルスクールの友人とも中国語で話す機会が多く、第一言語は未だ中国語だが、今後どんな風に成長していくか楽しみだ。

長女のインターナショナルスクール入学式

インタビューしてみた

そんな2人にインタビューしてみた。

■夢は何語で見ますか?
長女:日本語とか、中国語とか
次女:日本語(と言っていましたが、最近寝言はほぼ中国語です)

■どの言葉を使ってる時が一番楽ですか?
二人共即答で:中国語

■頭の中で考え事をする時に使ってる言語は何ですか?
長女:わかんない、いろんな言葉で
次女:日本語

■日本語のあいうえおはどうやって覚えたの?
長女:ママから
次女:自分で 

■得意な言葉を順番に教えてください。
二人共:中国語>日本語>英語>マレー語

最後に

マレーシアへ教育移住を考えている方の相談を受けることが時々あり、その時にいつもアドバイスするのですが、移住するのであれば子供が小さいうちに。早ければ早いに越したことはないと思います。子供は小さければ小さいほど、適応能力は高く、言語のみならずあらゆることをスポンジのように吸収していくのを感じます。
また他言語の環境で育つということはそれだけ言語能力も高くなるのだと感じます。娘たちは4言語を話せますが、あと1〜2言語は問題なく習得できそうな気がしています。長女は今韓国語を勉強し始めています。

小学校選びの時にもたくさんの方に心配された「日本語はどうするの?」という点ですが、家で日本語を子供たちに教えた記憶がありません。興味があれば動画やテレビ、本などから自然と学んでいっています。毎年夏休みに一時帰国すると、祖父母や親戚、日本の友人たちとの会話で日本語が上達します。

また、中国語と日本語は似ているので、小学校で習う漢字はある程度読み書きできます。もちろん日本人学校に通うお子さんや日本に住む同級生と比べると日本語の能力は劣りますが、私はある程度の土台ができていれば、必要と感じた時に自らが勉強し始めると信じています。日本語に関しては学校で学んでいなくとも、小さな頃から家庭で話していた言語だし、その土台ができていると感じています。

私たちはたまたまマレーシアに住んでいたこと、マレーシア生活が長くなることが分かっていたためこのような選択をしましたが、今のところ間違った選択ではなかったと感じています。長女は小学校の時、中国語の環境にいたため気づかなかったようですが、インターナショナルスクールに入り、日本から来た日本人の生徒にも出会う中で、友達や教職員から「日本人なのにそんなに中国語喋れてすごいね!羨ましい!」と褒められることがよくあるようで、「小学校で中国語を勉強しておいて良かった」と話してくれました。それを聞いて、それまでの苦労が報われた気がしました。

英語だけではなく、これからどんどん重要性を増す中国語の習得にも興味を持つ人が増えるといいなと思います。
私の経験がそういった方への参考になれば幸いです。もし個別にご相談などあれば、気軽にXでDMください。
今後の娘たちの成長もまた綴っていきたいと思います。


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