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産まれる前から虐待される事は決まっていたのか…

産まれてきた時、すでに人の運命は決まっているのか…私は、ずっとそう思って生きてきた。それしか、生きる術が無かったからである。もしも、自由があるなら、この身体に羽を付けて飛んで行きたかった。子供の頃、ピーターパンの話を知ってから、ずっとずっとピーターパンがティンカーベルと一緒に来て、妖精の粉をかけてくれるのを待っていた。ずっとずっと。毎日…

私は三姉妹の末っ子として産まれた。4歳ずつ離れている姉がおり、一番上の姉とは8歳違った。そして、普通の家庭だと思っていた。でも、物心ついた頃に、何か違うと思った。真ん中の姉に少しながら、違和感を感じた。なんか、自分とは違う。幼いながらに思った。いつも泣いている。上手く歩けない。あれっ、どうしたんだろうと思った。深くは考えずに…そして、いつからか、私が姉の世話をしていた。ヨタヨタして歩く姉の手を取って歩いたり、手を震えらながら飲み物を入れようとする姉に気付き、自然と飲み物を入れていた。私は姉にぴったり付いていた。それが、当たり前だと思っていた。そして、いつも、真ん中の姉と私と母で、行動していた。後に知る事になるが、姉は知的身体障害者だった。

4歳くらいで、母の異変に気付いた。母親が一心不乱に勉強している。片手には黒い分厚い本を持っている。聖書だった。それは、やがて、母にとって、命より大切な存在に気付くものになる。母にとって、拠り所となる存在。神様との出会いであった。そして、母の生きる指針になっていく。母の聖書との出会いは、私の人生を容赦なく、色褪せ、残酷なものにしていく。そして、最後に何が残ったのかさえ分からない。残したのは、消えない、もう、何をしても届かない場所への傷だった。

母は宗教に入りのめり込んでいった。毎日私に聖書の教えを叩き込んだ。少しでも逆らうとお尻をベルトで叩かれた。幼稚園も通っていない。宗教の友達以外との遊びは禁止されていた。私は、家族に誕生日を一度も祝ってもらえなかった。クリスマスも無かった。子供の頃から、生々しい現実しか突きつけられなかった。夢見る事を許されなかったのである。

大人になってから、母が宗教にのめり込んだ理由を知る。だが、それは、私にとって、理想論と現実の区別を考えさせ、余計、苦しむ事になる。

小さい頃の私は、毎日、聖書の勉強、聖書の普及活動、集会への出席で、一週間予定がぎっしり詰まっていた。逆らうと、母から泣きわめくまで、お尻をベルトで叩かれた。

続く

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