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ショートショート 接着材
博士「これは世紀の発明じゃ〜!」
助手「何できたんですか?(遂に儲かるか〜!?)」
博士「聞いて驚け!接着材じゃ!」
助手「…えー。大げさですよ。もうあるじゃないですか。」
博士「チッチッチ。これはね、ただの接着材じゃぁ〜ない。何でもくっつけられる接着材じゃ!」
助手「ほぇ〜。例えばなんですか?」
博士「木材と金属はもちろん。水と油。液体と気体。生物と無機物。記憶と動画。
ありとあらゆるものを接着できるのだ!」
助手「何か壮大ですね。それ、良いことあるんですか?」
博士「ほぉ~。疑ってるね〜。というか、"接着できる"がいかに重要か、キミは理解していないようだね。」
助手「そりゃすごいんでしょうけど、記憶と動画までいくと、ちょっと接着材の範囲超えてるなぁと思って」
博士「確かにねぇ。
この接着剤は、色々なオリジナルを誕生させる可能性があるのだよ。
キミは二次創作された作品をよく見るかい?」
助手「見ます見ます!そのキャラにそんなこと言わせる?って思いますけど面白いです。」
博士「そうだろう。私も好きだ。
では、二次創作の作品はオリジナルかい?そうではないかい?」
助手「オリジナルではないでしょうねぇ。」
博士「もし、元ネタがわからないくらい、元ネタの濃度を下げて創られていたら、それは果たしてオリジナルかい?」
助手「それはオリジナルになるかと思います。有名な漫画でも、ちょくちょく他の漫画の構想使ったりしてますよね〜。けど、オリジナルはオリジナルです。」
博士「なるほど。すると、他のアイディアを使ったものでもオリジナルということだね。
接着剤の話に戻ろう。
この接着剤は、あらゆるモノを接着できる。
つまり、様々なオリジナルアイディア同士をくっつけて、新たなオリジナルが誕生するのだよ!」
助手「はぁ~。なんとなくわかったような…」
博士「実は私も、この接着剤をつくれたのは、色々なアイディアを接着したからなのだよ。特に画像編集で使うレイヤーのアイディアから着想を得た。他にも、溶接や摩擦力など色々あるが、あらゆる物事の要素を分解し、再構築するという寸法さ。」
助手「やっぱりよくわからなかったです。で、そろそろ接着剤の現物を見せてください。」
博士「ホレ。」
博士は自身の頭を指さしている。
博士「私の脳みそじゃ。」
助手「時間返せ〜!!!💢」