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愛媛や和歌山のみかんと比べないで下さい。

みかんの本場「愛媛」や「和歌山」のみかんはトップブランドです。
みかん栽培にとっての気候的条件が揃い、かつ、長年の蓄積データとそれに伴う高い技術力、さらには一大産地というプライドを賭けての設備投資。それらの行動と努力の結晶がその美味しさに繋がっています。

本場での露地栽培早生温州みかんの旬は11月ごろです。
温暖な気候の愛媛や和歌山の夏の暑さが甘さの元を作り、10度以下まで冷え込む秋の寒暖差が、十分な糖度とその鮮やかな山吹色の着色を促します。

非破壊検査により糖度12度以上を「特秀品」として評価され、糖度、味の濃さ、香り、見た目。どれをとっても非の打ちどころがありません。
また特秀品に満たないみかんも、十分に美味しいことは疑いようがありません。

一方、沖縄産温州みかんは亜熱帯の気候を利用して日本で一番早い出荷が可能です。
8月のお盆の時期に合わせて収穫され「青切りみかん」として本州へもたくさん送り届けられてきました。
「早い収穫期」ということが一番の特徴で、まだ十分に熟さず酸っぱいままのみかんでも市場では一番高い評価が付くため、おいしくなる前に出荷されます。
それは鹿児島や宮崎の沖縄の次に暖かい地域でのハウス栽培にその座を奪われまいと、より早く出荷することが求められるからです。

沖縄温州みかんの本来の旬は10月で、9月中旬から収穫が始まります。
十分に樹上で熟したみかんは本場ほどの甘さやコクはありませんが、7度から9度の糖度は亜熱帯の味覚ににふさわしい酸味の少し残るさっぱりとした甘みがあり、これはこれで十分においしいのです。
しかしながら10月には本場の極早生みかんやハウス栽培の早生みかんが出回り、その頃にはもう沖縄産が選ばれることはありません。
市場に出荷したとしても迷惑がられてしまいます。

愛媛や和歌山のみかんと比べないでください。

フルーツの価値を糖度の高さばかりに注目する現代の基準からは、全く評価されませんが、沖縄らしい、沖縄の気候にあった味の沖縄産の温州みかんは、間違いなく沖縄産でしか味わえない味覚となっております。

ぜひ皆さんが知っている「温州みかん」とは別の果物として認識してください。

甘さが足りないだとか、酸っぱいだとか言わないでください。

これが沖縄らしい温州みかんの味であり、ブランドのみかんが出回る10月以降も違う果物として認識をしてもらえたら、きっとこの美味しさに気付いててもらえると思います。

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