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未来は「わかりやすくない」ものさ

【思いもよらないものが来るのが未来】
最初にインターネットを見て「これは世界を変える」「日本にも来る」という感じを持ったのは、それに、私とその仲間が誰よりも速くそれを触ってからだ。そして、実際にインターネットが世の中を変え、更にスマートフォンの普及で拍車がかかった。しかし、このような未来が来るとは30年前のその時は多くの人がわからなかった。ほとんどの人は、ぼくが目の前でそれを見せても、何事もなかったかのように通り過ぎてみんなはこう言った。「毎日コンピュータの前に座っているような仕事をしていると、女性にモテないよ」。今は、その当時から見れば、多くの人にとって「思いもよらない未来」であることに間違いはないだろう。人間の自分たちで作ったものからさえ、ごく近い未来が見えない。であれば、今も人間とはそういうものであるだろう。

【今は行政の仕組みとか、考えられるんだけれども】
今話題のマイナンバーカードなど、行政と国民が直接ITでやり取りする、なんてのは30年前は考えられなかった。JR(旧・日本国有鉄道)の鉄道切符の発行オンラインシステムは、世界でも比較的早く実用化されたリアルタイムのコンピュータ・オンラインシステムで、1965年に始まったが、開発や設置などにも膨大なお金がかかったが、今で言えば数億円のお金が毎月消えていくようなとんでもない大掛かりなものだった。自前の鉄道線路網を使ってデジタル通信を行うその仕組みの毎月の通信料もかなりのもので、今のインターネットの接続料金とは桁が違う。銀行のATMが英国で始まったのが1969年だから、かなり早い時期にそれが始まったといえるだろう。なにせインターネットがない時代だ。通信回線も「自前」で用意しなければならない。当時はお金がたくさん使える日本国有鉄道・銀行などからオンラインシステムが始まったのは、お金がかかりすぎて、普通の会社では全く手が届かなかったからだ。

【これからの「未来」だって本当は見えないのが普通だよ】
いま、私達は、ChatGPTなどを見て「おお!これこそ人工知能らしい人工知能ではないか!」と思っているだろう。人間のように機械が振る舞う。それを人工知能と言っている。そこに「未来」が見えるような気がする。気がする、だけだ。しかし、人間社会の忖度など全くなしのこれらのシステムはやがて、人間社会の忖度も文化として急速に覚えるだろう。その先になにがあるのか?私達にはおそらく見えていないのだ。なにが始まるのか?全く私達には見えていないはずだ。私達は息を潜めて、新しく来るべき未来を、かたずを飲んで見ているしかできることはない。そう、インターネットがこの世に現れ、普及したときのように、ね。今はその前の時期のような時期なんだろう。いつでも人間の歴史なんてのはそういうものだけどさ。

【常に謙虚に受け入れ、素早く自分を変えていこう】
世の中のこういった動きは常に予測はできない。であれば、(その変化に沿っていくにしろ、反対するにしろ)常に受け入れ、自分をそれに合わせて、素早く変えて行くしか、生き残る道はない。結局、めんどくさがらず、勉強を怠らず、知識をUpdateし、どう変わるか分からないこれからの世の中を学習して、自分の行動に反映して行くしか、人はできることはない。あなたに子供がいたら、そう子供に教えよう。

【わかりやすさに騙されるな】
だから「わかりやすさ」は、目眩ましだ。「人類の敵」と言ってもいいかもしれない。分かりにくく、見たことがないものに、実は未来が潜んでいたりしているものだ。私達には普段は見えない。なにかの拍子にそれがちょっとだけ姿を現すことがある。そのチャンスを見逃さず、未来を掴むのは、曇のない思考と終わらない学習があってこそだ。「わかりやすいもの」には嘘だってあるだろう。そうでなければ詐欺師なんていうのは成り立たない。若いうちからの勉強は「騙されないために」やろう。

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