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通信インフラの障害で利用者が困らないためにしておくことは。

au/KDDIの通信障害が起きたとき】
7月2日午前1時半ごろ、au/KDDIのインフラのネットワークで通信障害が起き、すぐに修復がされたものの、その影響はau/KDDIのネットワーク内で74日まで続いた。インフラ管理側としての「修復」はほとんど瞬時に済んでいたものの、ネットワーク内だけでの「影響」は長引いた。使う側からすれば「治した、って言ってるけど使えないのは、ウソついてるんじゃないか?」と思った方も多いだろう。インフラの技術者側では「できるだけのこと全部はした」が、即座に解消、と言うわけにはいかないのは、この種の大規模なIPネットワークではよくあることだ。そして大規模なネットワークであればあるほど、完全に元に戻るのは時間がかかる。

簡単に言えば「インフラ事業者の言う修復完了」と「インフラを使う側の修復完了」は意味が違う、ということだ。それぞれの立場でそれぞれが言うので、混乱は更に深まる、ということになる。

【河川の堤防決壊による洪水のようなもの】
前の記事でも書いたが、この手のネットワークのトラブルと修復、その後の経過は「河川の堤防決壊による洪水」のようなものなので、決壊箇所を修復しても、流れ出た水が引くのは時間がかかるのだ。その水が引くまでは、水浸しになった住居は使えない。

【「利用者はどうしたらいいか」を考えておこう】
こういう「事故」はこれからも、au/KDDIで無くても起きる可能性はある。「事故」というのは「思いがけないことが起きること」なんだから。どんなに優秀な人が頭を捻っても、「事故」ばかりはどうしようもないし、どうしようもないから「事故」というのだし。大切なもの(こと)なので、いざ事故が起きたとき、被害を受けないようにするには、どうしたらいいか?ということを考えるにも「お金」はかかる。インフラ事業者はそれが稼ぎの元である以上、現状は最大限にお金をかけているはずだ。であれば、次にお金をかけることになるのは利用者の側、にどうしてもなってしまう。

【ぶっちゃけて言えば、事故によって起きることを防ぐにはお金が要る】
「地獄の沙汰もカネ次第」ということわざがある。あらゆることにそれは言える、というのは、各国・地域の医療統計などを持ち出すまでもなく、私達は普段から肌で感じているはずだ。インフラが命をつなぐものであれば、大きなお金をかける必要も価値もある。コンサートのチケットが表示されないとか友人に会うときの駅での待ち合わせの連絡とか、コンサートに行けない、なんてくらいであれば、「まぁ、一回くらい、いいか。今回はしょうがないね」と言うこともある。そのインフラがなくなったときの「不利益の大きさ」によって「いざというときのための保険額」は変わる。こうやってことばにすると当たり前のことと思うが、普段から便利なインフラを安価に使い慣れていると、どうしても「保険への投資の金額」なんてことは、考えていないことが普通だろう。しかし「見えないこと」でも、そこにあるものはあるのだ。そして「いざ」が実際に起きると「保険への投資」が重要なものになることをやっと多くの人が理解する。「普段は見えないもの」が実は存在する。「それ、早く言ってよ~」だ。しかし、既に言うべきことは言うべき人が言っているのに、聞く方が「聞いてない」「聞いても覚えていない」ということもある。自分自身も含め、人間とはいい加減なものだ。

【なにに「保険」のお金を「いくら」かけるか】
今回の通信インフラのトラブルはau/KDDI以外の他社でも起きうる。であれば、

例えばフィールドでの救急医療にかかわるお仕事であれば、現在使っている携帯会社では無い別の携帯会社も契約しておき、スマホは常に2台持ち常に充電していつでも使えるようにしておく。もう一台の契約代金だけではなく、充電のための手間の人件費や電源なども、かかるお金を考える必要があるだろう。二社の携帯会社のネットワークが同時にダウンする、という可能性は当然、1社より確実に低くなる。

大地震などの大規模広域災害が突然あることを考えれば、携帯会社全てが使えない、という地域だってできるかもしれない。そこの地域にあなたがいない保障はない。そこまで心配する場合は、近距離の通信でもいいからできたほうがいい、となれば、インフラの設備が要らない独立したトランシーバー(インカム)の導入だって必要な場合があるだろう。

【「それでもだめだった場合」は?】
非常に稀でめったにそうなることはないが、非常に運悪く、何をやっても万事窮す、となればあとは諦めるしかない。「あきらめる」ときの心構えも必要な時代、なのかもしれない。「起きるはずのないことが起きる」のを「事故」と言うのだから。

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