【2022年8月版】スマートフォンのトレンド
【高いスマホ・安いスマホ】
結論から言う。この2022年前半から後半にかけての日本でのスマートフォン事情は、簡単に言えば以下の4点に尽きるだろう。
1.2万円台前後の安価な機種の品質が上がり、機能や性能も実用上十分。デザインもかなり良い。「実用機種」。
2.高級機種の価格はほとんど15万円超えが増え、中には30万円近いものも。当然、機能はなんでもあり。3Dの重いゲームもサクサク行ける。いわゆる「高級機種」。
3.これまで「一強」だったiPhoneのシェアが落ちている。
4.3万円台~6万円台の中堅機種の登場。「中堅機種」。
【スマホの進化】
結局、スマホは毎年進化している。その進化の凄さは、高級機種ではなく、安価な「実用機種」に顕著だ。2021年前半発売の新機種では「Xiaomi Redmi 9T」の日本国内発売価格「2万円ちょうど」そして「実用機能問題なし」「外装やデザインもOK」。それを皮切りに、日本国内メーカーでも安価な機種の販売競争が顕著になった。
【円安】
「日本経済の凋落の証」と言われている「円安」。そして、輸入品や、輸入原材料を使った製品の大幅値上げ。スマホに限って言えば、その「全て」が輸入品だ。日本国内メーカーのものも発売会社が日本国内にある、というだけで、外装も含めて全てが中国などの外国製品であることは、関係者であれば常識だ。しかし、安価な実用機種でもなかなか価格が上がらない。しっかりと製造原価を安く作っている、という証拠だ。高価な高級機種は値上がりしている。シェアを毎年減らしているとは言うものの、日本の1機種でのシェア1位を続けているiPhoneの大幅な値上がりは、マスコミのニュースにもなった。
【中堅機種の登場】
2022年7月にAndroid OSの開発元であるGoogleブランドで発売されたのが「Pixel6a」だ。5万円台前半という価格は安価な「実用機種」と「高級機種」の中間にあり、機能や性能は日本国内で使うにしても必要十分以上でブランド性やデザインもGood。米国モトローラ(現在はスマホ事業は中国企業資本)は3万円台の「中堅機種」である「moto g52j 5G」を日本向け仕様で発売。「高級機種と実用機種」の中間を狙った、これらの「中堅機種」も、新しいトレンドになった。「実用機種」では物足りない。しかし「高級機種」には手が出ない。そういう層を狙った。AppleはiPhoneの「実用機種」を出すところまでは、現時点では、なかなか手が出ない様子で「iPhone SE」という「中堅機種」までだが、かつてはiPhone 5の時代に「iPhone 5C」というプラスチック筐体の廉価版iPhoneを出していたから、マインドを切り替えて商品ラインを一新する可能性も十分にあると見て良いだろう。 今後が楽しみだ。
【今後はどうなる?】
おそらく、今後は「高級機種」は更に価格が高くなり、最新機種を常に持っているだけでステータス、というようになるのだろうが、販売台数から言うとやはり「実用機種」に需要が移って行く可能性が高いのではないか?と、私は思う。中堅機種も良い具合に売れていくだろう。
【ポイント:機種変更が手軽に行えるようにしよう】
1機種のスマートフォンに慣れると、新しい機種にはなかなか慣れない。しかしスマホは今や日本人の「日用品」「必需品」であり、贅沢品ではなくなった。クルマを乗り換えるように旧機種からの機種変更ができないと、スマホも売れない。スマホを使って行われる政府などの施策の恩恵も受けられなくなる。であれば、スマホを使う消費者としては「新たな機種への変更は怖がらず、面倒くさがらず、できれば迅速に、トレーニングを厭わないで行う」ことが必要になる。要するに「お金を節約したいのであれば、面倒くさがらないように」である。これから始まるスマホの世界は、そうなっていくだろう、と、私は思う。