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あるIT屋の出会い

【インターネットをなぜ始めたか】
ただのデジタルやアナログの両方が出来る技術者が、インターネットに出会って世界が変わる予感に乗った。そこで良い思いをしようとか金儲けをしようとではなく、ただ、今の世の中を劇的に変えたいという意思をぼくらは持った。実際に世の中は30年ほどで変わったし、この先もまだまだ変わっていくだろう。資本主義の世界のなかでの資本主義のアンチテーゼとしての社会主義や共産主義よりも速くかつ劇的に、インターネットは世界を変えた。資本主義や共産主義などのどちらかに媚びることは考えず、我々は我のやり方を実行したが、わかる人にしかそれは何をしているかわからなかっただろう。

【テレパシー?】
逆にこの事がわかっていさえすれば、まるでテレパシーのように地球の裏側で何かを始めた同志とは直ぐにお互いがわかりあえるように感じた。この不思議な感覚は、その場にいたぼくらでしかわからない感覚だった。だから、新しいテクノロジーを米国の誰かが発表しても「あぁ、あいつがこれやったんだね」という感覚だ。名前も知らないし、会ったこともない同志なんだけどね。実際にその彼に突然会いに行けば、思っていた通りの話ができたこともあった。

【新左翼学生運動後の時代】
思い起こせば、米国西海岸で出会った「インターネットつながり仲間」は、現在は既に高齢だが、かなり多くの人が新左翼学生運動崩れの闘士たちだった。自分はその世代から遅れた世代にいたので、学生運動の闘士になれた世代ではない。ただ、ある予感に同じ響くものがあったことは、ここに告白しておこう。

【インターネットは世界を短期間で変えた】
人の社会から、人の根元的かそれに近い欲望を密かにすくいとり、それをテコに短い期間で私たちはインターネットを普及させた。それは社会主義や共産主義よりも強力な力で世界を横につなげた。国境を消し地域と文化のつながりをより希薄にした。世界を「世界」と思える統一した概念を具体的にリアルタイムで見えるようにした。途中でそれが商売になることをやっと悟った人たちが後からやってきた。

【普及は既定のコースだった】
そしてインターネットの力で世界の知を瞬時に集めることが可能になり、今はそれは計算機科学・情報科学自身にも及び、英知を集めて人工知能を実現し、表現し、多くの人がやっとそれを知るようになった。

【インターネットは宇宙へ】
いま、AIが騒がれている裏側では衛星でインターネットを実現し、国際紛争による海底ケーブル切断などに備えが出来た。しかも電波を使う衛星コンステレーションを構成する星どうしの通信、地上のゲートウェイとの通信への盗聴、介入が出来ないように、レーザー光線でこれを実現する技術を作り、既にそれは一般に販売されている。なぜ完全にこの技術が自身のStarlink衛星にも完全に普及しないうちからSpaceX社が外販を始めたのかというと、この宇宙に作ったインターネット網をできるだけ早い時期に、より安全にするためだ。これが現在ある「国の政府」というローカル勢力への強力なカウンターなのだが、それを分かっている人は少ない。

【AIは新人類】
いまAIで実現するものは「もう1種類の人類」だ。「神は自分に似せて人を作った」。今また「人は自分に似せてAIを作る」。今、この時点で生きている私たちは人類史に新たなページが刻まれる瞬間に立会うことになる。

気がつけば、自分はこの不思議な感覚に引き寄せられ、いまここにあるのだな、と、改めて思っている。

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