ノーベル賞の秘密。
【AI研究者ノーベル賞受賞でざわつく人たち】
AI研究者がノーベル賞受賞、でかなりざわざわしている界隈があるようだが、実際にノーベル化学賞受賞者の方々と接してきて思うのは「その議論、今ひとつなんかずれてる」なんだな。
【ノーベル賞の元は】
もともとノーベル賞は「物理学」をはじめとした自然科学分野の賞で、工学的発明には適用無しだった。しかし、近年は例えばCTスキャナーの開発などには適用された。また、分子生物学分野でも例えば山中先生らの共同研究になる「iPS細胞」は「iPS細胞の開発」という工学的な名前でのノーベル賞受賞になる。つまり、工学的なものへのノーベル賞適用はICTの発達で自然科学分野でも有用なものになってきた、と言うように近年はなってきたんだな。
【ノーベル賞の意義】
ノーベル賞というのは単なる権威だけではない。ノーベル賞のもとになるノーベルのダイナマイトの発明は「自然科学を応用して人間社会に利するもの」だったので、その流れに沿ってるものなんだな。しかも、現代においては研究分野の全てでICTは必須のインフラになっている。既に遺伝子創薬でも、ICTが無いと開発はできない。AIはICTの一部になるが、これは自然科学から見ても大きく見えるだろうな。一般人に分かりやすくするため、ノーベル賞を「権威」として見る一般の見方に寄り添っているから、こういう間違いに見える話し方になる人がいるんだな。結果として違うことや、勘違いされるようなことを言っちゃう。そういう人は難しい立ち位置ではあるよね。
【ノーベル賞は遺伝する?】
私がお会いした日本人のノーベル賞受賞者は、その先生がノーベル賞受賞者で、いわば「ノーベル賞人脈の中の人」だったりする。その「先生」が「今度はキミ、どうだね?」という感じなのだそうだ。よく考えればわかるが、なにもノーベル賞と関係なくても、すごい研究をした学者はおそらくかなり多く世界にいるだろう。その中で毎年数人だけ「受賞者」を選ぶのだ。当然、人どうしの「近い・遠い」はあることだろう、と想像できる。そんなことなんだな。実際、米国などの研究の先進国では、ノーベル賞そのものはたいした賞ではない、という扱いだ。
要するに、ノーベル賞、と騒いでいるのは後進国が多いのだが、実はそういうことなんだな。