「3D映像データビジネス」が始まる?(or , 'When I was most beautiful.')
【「デジタル・ツイン」を売るお仕事:タレント】
俳優のブルース・ウィリスが、自身の3D映像を他で使う権利を売った、というニュースが流れた。彼は、認知症になったことを公表しており、これからの「仕事」を心配していた。そのための「自身の映像(データの使用権)売却」だったと思うのだが、これは、男も女も、一番輝いている年齢の映像、と考えれば、現在、現役のすべての俳優やモデルに、同じビジネスができることを意味していることは言うまでもない。
データ俳優は、疲れず、文句も言わず、事故も起こさず、出演料の交渉もせず、監督の思う通りの演技をするだろう。
【これからの映像データ・ビジネスのイメージ】
つまり、これからの商用映像データビジネスは、他の俳優その人にも適用されるのは確実だろう。
美男・美女は、あるいは脇役のそうでない俳優も、そして、犬や猫、ライオンやトラ、象、そして、小さなものであればコップやテーブル、家屋や消防車、海岸の風景、などすべての動画画像データと、3Dのデータがネットを介して、映画会社に売られる時代が来るだろう。3D映像データビジネスが始まる。
【未来の映画監督と俳優】
近未来の映画監督は、シナリオを片手にPCの前に座り、あの会社からこの背景、この会社からこの小道具、というデータを買ってきて画像収録スタジオをバーチャルで作り、その中に俳優(の3Dデータ)を配置して、監督の自由に喋らせ、笑わせ、怒らせ、アクションをして演技をさせる。俳優はそのデータを取るために、ある一日、大きな3Dスキャナーに入って、そこで様々な動き、表情をして、データを取りまくり、あとはそのデータの権利で一生食えるようになるのかもしれない。
新しい時代の映画監督は言うのだ。「食器のデータはXX社のデータがいい」とか「海の背景はXX社のデータを自分は主に使っている」とか。
【新しい映像ビジネス・マーケットが生まれる?】
ということは、こういった映像制作会社に、コップなどの小物のデータや背景になる海や山の映像データなどを売るビジネスをする会社がたくさん生まれて来るのではないか?もちろん、俳優を抱えるプロダクションは、その俳優の一番輝いている時期のデータを持ち、それを高額のライセンス料で売る。監督は「この映画にはXXさんの若くて一番きれいなときのデータをお願いします」「この映画にはXXさんが50歳くらいになったときの渋い雰囲気がいい」と、データを選んで買う。俳優がいま、生きているか?死んでいるか?も関係なくなるだろう。つまり、プロダクションの仕事とは、そういう「俳優のデータの使用権を売る」仕事になるかもしれない。
今度、封切られる映画の主人公の俳優は昨年、亡くなったんじゃなかったっけ?
いま、問題となっている某芸能プロダクション。この道しか、未来に生き残る道はないのかも?と思ったりする。
【どんな映像ができるのか?って?】
こんな感じだよ。