StarlinkにWi-Fi6ルーターを接続してみた
【Starlink導入から1か月半…】
前回のStarklink導入から1か月半経った頃、Starlink付属の無線ルーターのWi-Fi規格が、マニアにとっては時代遅れとも思える「Wi-Fi5」という規格であるのに、不満があった(Gen.2ハードウエアの場合)。そこで、新しくWi-Fi6のルーターをStarlinkに接続できないか?と、調べたら、できるのがわかった。今回は少々、玄人向け記事です。
【まずは宅内へのケーブル引き込み】
結局、新しいWi-Fi6無線ルーターの設置を宅内で行いたい、と思って、なんとか宅内に、Starlinkアンテナからのケーブルを引き込んだ。
【イーサネットアダプターを購入】
そして、そこに、Starlinkのホームページで売られている「イーサネットアダプター(Starlinkのホームページにログインした状態で見る事ができるリンク)」を追加で購入した。ショップでの価格は1万円ちょっとだが、Amazonでも8千円台で売っていた(←ここに写真があるので、どんなものか参照できる)ので、それを購入したのだが、これもまた、米国西海岸から4日ほどかかって届いた。AmazonではECMS(大陸中国系の国際宅配業者)で届く、と、そのトラッキング番号が表示されていたのだが、その番号が違う人の違う商品らしく、トラッキングでは荷物が中国に行ってしまっていた。業者にAmazon経由で問い合わせたら、発送はDPDというフランスの宅配業者(日本での提携業者はヤマト運輸)とのことで、そのトラッキング番号を教えてもらったのだが、ちゃんとトラッキングできて、しっかり届いた。最近は国際宅配業者が多く、それを1つのホームページからトラッキングできる、便利なサイトがいくつもあるのをこのとき知った。
【手元のStarlinkはGen.2だから無線LANのみ】
実は、手元にあるStarlinkのルーター込のキットは、購入時で「Gen.2(Second Generation)」だった。「Gen.1」は、大きな丸いアンテナだったり、大きな正方形のアンテナで、また付属のルーターにも、イーサネットの口がついていた。しかし、私の持つGen.2は無線LANのみの外部接続だったので、イーサネット(有線LAN)の直接の接続には、別途、イーサネットアダプターが必要だったのだ。そうでなければ、無線→有線の接続ができる数千円の「Wi-Fi中継機」(こんなやつです)を使ってもできなことはないが、マニアとしては、Wi-Fi5で途中がつながっているのに、なんだかなぁ、と、今ひとつ納得がいかなかったりする。いま、ホームページやYouTubeでStarlink導入について情報を出している人は多いが、その対象のものが「Gen.1」か「Gen.2」か、で使い方なども違うのでそこを注意してこれらの情報は見よう。
【Gen.3では「イーサネットアダプター」は必要なし】
なお、2023年12月末現在、米国ではGen.3が既に発売されているようだ。Gen.2にはあった自動でアンテナの方向と角度を変えるモータードライブが省略されているなど(従って軽くなっている、など)、かなりコストダウンの改良がされている。Gen.3ではイーサネットのポートがルーターに付属しているので、別途イーサネットアダプターを購入する必要はない。また、アンテナの大きさが小さな「Starlink MINI」も発売されているが、これは非常に軽量で小さいのでアウトドア用だ。Wi-Fiルーターもアンテナに入っている。これは外部にイーサネットの口は無い。「持ち運び専用」と思った法が良いだろう。
【イーサネットアダプターを取り付け】
届いたイーサネットアダプターは、アンテナからのケーブルと、付属のルーターの中間に入れることになる。接続の方向間違いなどはまずできないように作ってあるので、付加は簡単で間違いはまず無い。そのイーサネットアダプターに、有線LANの口がついているので、そこから自前の無線LANルーターに接続したり、有線LANのハブに接続したり、PCに接続したりできる。
【Wi-Fi6無線LANルーターの接続】
そこで私はハブ付きのWi-Fi6無線LANルーターに付加したStarlinkのイーサネットアダプタのWAN側を有線接続し、LAN側に有線でPCなども接続した。これは新しく導入した無線LANルーターの説明書に従うと、どの機種でも普通は簡単にできるはずだ。ポイントは「ルーターモード(アクセスポイントモードではなく)」で使うことと「WAN側を動的IP接続(DHCPクライアント)」で接続することだが、普通に現在市販されている無線LANルーターではこの設定は既定(デフォルト)のはずだ。
【要するにPoEの電力でアンテナは動いているんですね】
この後、海外のStarlinkユーザーのYouTubeやBlogなどを調べると、どうやら、Starlinkのアンテナ(英語ではDishyと言っている)に接続されているルーターをつなぐケーブルは、PoE(Power over Ethernet - LANケーブルで電源を供給する規格)給電されているシールドつきのカテゴリー5E(or 6)のイーサネットUTPケーブルとのこと。実はPoEのUTPケーブルは同じケーブルは使えるが、少々接続が異なるので、PoEの電源が通っているUTPケーブルと、普通のイーサネットUTPケーブルを直接つないではいけない。必ずPoEのケーブル・アダプターを必要とする(場合もあるが、そうでない場合もある。が、Starlinkの場合は必要)。ということは、イーサネットアダプターを接続した上、スマホのStarlinkアプリからの「設定」で、StarlinkWi-Fiルーターを使わない設定にする、ということは、Starlinkルーターは単なるPoEへの給電機能しか使わないことになる。そこで、その設定をした上で、外部電源を別途用意し、Starlinkルーターを外してしまう接続ができるキットも既にサードパーティが売っている。これのなにが嬉しいかというと、あのバカでかくて重いStarlink付属の「白い角張った鋭いエッジを持つのっぺりしたルーター(これは重さもあるので振り回すと凶器になるかも-する人はいないと思うけど-少なくとも足に落としたくない)-(ナイショだが私はこのルーターを「ぬりかべ」と呼んでいる)」を使わなくて良くなり、小さく簡潔にできる、ということだ。これはクルマにStarlinkを載せて移動する人には良いと思う。場所を取らないからだ。実は、Starlinkのアンテナからのケーブルの接続詳細はStarlinkのこのページの最後に書いてある(PDF)。なお、Dishyの中では、48VのPoEの電源を受け、再度降圧して、12Vにして利用しているとのことで、別にDishyに直接12Vの電源を供給するように改造している人もYoutubeで見たが、なるほど、そういう改造も良いかもしれない。もちろん改造すればメーカーの保証はなくなるわけだが、結構多くのStarlinkユーザーが、破壊的改造をしているのを、Youtubeでは見る。
【実際に外部ルーター接続してみると】
実際に、この構成で外部ルーター接続してみて、ルーターの設定された値を調べると、アンテナ内部に既に最初のルーターが入っていて、アンテナと外部無線ルーターとは100.X.X.XのIPアドレスでDHCP接続されるのがわかる(2023年12月末現在は、よくあるIPv4のローカル用アドレスに変更されている)。なので、外部ルーター経由でStarlinkアプリを起動すると、ルーターの絵のところが出てこない(アプリ開発者がなかなか頑張っている)。が、もちろん、正常に動作する。
【2023年8月5日/2023年12月31日:追記】
SpaceXからの発表によれば、第3世代(Gen.3)のStarlinkルーターは、Wi-Fi6対応となった上、外部イーサ―ネットの有線ポートも付属し、AC電源を外部に分離し、形も小さくなるとのこと。この記事では記事中にこの内容を追加してある。
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