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Apple Vision Proとインテリアの未来

このnoteは「MESON Apple Vision Proアドベントカレンダー # 2」23日目の記事です。前日の記事はこちらです。

こんにちは!MESONディレクターの山本です。
今日はApple Vision Proとインテリアの未来について考えます。

はじめに:Apple Vision Proとは

Apple Vision ProはWWDC 2023で発表され2024年2月に米国発売が開始、今年6月には日本発売されたApple初の"空間コンピュータ"です。

上記の動画では主に家の中で使うシーンが提示され、まずは仕事やエンターテイメント鑑賞などで用いるディスプレイやテレビなどのリプレイスを図っていくことが示唆されました。

こうした屋内空間での利用イメージから、インテリアや住宅のあり方が変化しうる未来を予期した人も多いのではないでしょうか。空間コンピューティングによる住空間の変化を見据え、この記事ではインテリアの未来について3つの視点を挙げます。



3つの視点:インテリアの未来

①ECでの購買がより直感的に

1つ目はインテリアECについてです。IKEAなどに代表されるインテリアメーカーではこれまでもスマートフォン向けのARアプリを提供してきました。自宅のレイアウトに商品のサイズが合うか、色味はお部屋のトーンに合うか試せるような体験を実現するというものです。

ただスマホARでは視野角が狭く、インテリアを配置した際の空間全体のイメージを直感的にシミュレーションすることは難しかったように感じます。

Apple Vision Proで淘宝(タオバオ)アプリを使ってみたところ、お部屋に置いてみたスケール感や配置してみて導線がどうなるかなどのイメージがリアルに湧き、インテリアをオンラインで試すという体験もかなり変わってくるのではないかと感じました。

また色味やテクスチャなど素材感が伝わりやすいことも重要です。肌触りまで体験することは叶いませんが、CGの品質次第ではファブリック系の製品などもかなりリアルに質感を掴むことが出来るのではないかと思います。


②DIYがもっとスムーズに

コロナ禍では「おうち時間」というキーワードが流行し、DIYなど暮らしを彩る時間の過ごし方が見直されたように思います。
①の観点にも通じますが、DIYにおいてはお部屋の採寸が非常に重要になります。しかし正確に採寸を行うことは想像以上に難しく技術が必要です。

Magic Roomというアプリはそうした採寸フローを劇的に変革しうるポテンシャルがあると感じています。

Apple Vision Proには、ユーザーの周囲の環境をセンシングできる「LiDARセンサー」が搭載されています。LiDARセンサーによってmm単位での精度の採寸が可能となり、これまでもiPhone 12 Pro以降のLiDAR搭載端末ではお部屋のスキャンは高精度で実施できました。

Magic Roomがユニークな点は空間のレイアウトをスキャンしながら、リアルタイムに面にエフェクトが張り巡らされるような体験にあります。ユーザーへのフィードバックがリアルタイムに表示され、正確にスキャンできている手応えを持ちながら採寸できることが大きな価値だと感じました。

本来であればメジャーで測るところをApple Vision Proをかけて見回すだけで採寸ができるため、視覚の拡張といった感覚をとても強く持ちました。
このように採寸プロセスが楽しく驚きがあるものにアップデートされたことで、専門性を持たない人でも空間設計やプランニングが可能となる未来を想像しています。


③デジタル情報のインテリア化

①②は空間コンピューティング技術によってリアルの住空間がどのように変容するかという観点でした。
その流れとは別に、デジタルな情報自体がオブジェクトとして質量性を帯び、いわば物化していく流れがあると思っています。自分は「デジタル工芸」といったキーワードでそうした事象を理解していました。

MESONに来てからは「アプリのインテリア化」「情報雑貨」という言葉に触れることになります。MESONがvisionOS向けに開発した、天気を"体感"できるインテリア型アプリケーション「SunnyTune」にもこうした思想は通底していると感じます。

以下の取材記事や開発経緯にて詳しく語られているため、ぜひこちらも併せてご覧ください。

また近しい概念で説明できるvisionOSアプリとして、例えばOdioという3Dサウンドスケープ生成アプリがあると考えています。

空間上に様々な音を発する様々な形状の3Dオブジェクトを配置することで、自分の好みに合った環境音を構築することができるプロダクトです。音もさることながら、オブジェクトとしてのビジュアルが素晴らしいと感じています。

明確な機能性を持たないが、そこにあるだけで美しいと感じるもの。心地よく感じるもの。 落ち着くもの。

いわばクラフトとオブジェの間にあり、プロダクトとしての明確な機能性だけでは説明しづらいもの。

空間コンピューティングの到来と共に、そういったモノづくりにおける新たな価値基準(=モノサシ)が拓けていく未来を予感しています。


おわりに

MESONでは企業様とのApple Vision Pro向けアプリ開発も積極的に行っています。

❏ 伊藤忠商事様とのApple Vision Proの常設展示コンテンツ制作

❏ Niantic様とのPeridotコラボ

❏ 東京ガス様との3Dモデルビューワーアプリ開発


ぜひApple Vision Proを活用したアプリ開発に取り組んでみたいという方は以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。

MESONについてもっと知りたい方はぜひ以下の公式ホームページを御覧ください!


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