高齢化・人口減少の大きな社会課題に挑むソーシャルベンチャー、人材募集中
話すのを聞いているだけで元気が出る。
Community Nurse Company株式会社代表取締役、矢田明子さんの声や表情は、そんなパワーがあります。
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12月16日(木)、DRIVEキャリアで、Community Nurse Company株式会社のオンライン説明会を行いました。ゲストとしてお話してくれたのは、矢田明子さん。
矢田さんは、日本で初めて「コミュニティナース」というコンセプトを提唱した方。Community Nurse Company株式会社は、このコミュニティナースの普及・育成に勤めています。この記事では、イベント当日のお話と前提となる背景などの補足を加えて、まとめました。
コミュニティナースって何?
「コミュニティナース」とは、いつも地域の中にいて〝健康的なまちづくり〟をする人材です。
日本の看護師170万人のうち、病院や介護施設ではなく普段から地域で住民とかかわるのは5%以下と言われています。(参照)「病気になってから初めて対応する」のが日本の医療の実情。
でも、普段の暮らしの中で、気軽に健康相談ができる機会があれば、病気が深刻になることを防げるかもしれませんよね?
趣味の話や世間話など、楽しい話題を共に交わしながら、健康相談にものってくれる。そんな風に、暮らしの中で住民の心身のウェルビーングを高めるのが「コミュニティナース」の仕事です。
なぜ、コミュニティナースが注目されるのか?
このコミュニティナースを普及させるプロジェクトの推進には、日本を代表する企業経営者、政府や非営利のリーダーなど優秀なメンバーが多数関わっています。来年からは看護学生が使う教科書にもコミュニティナースが掲載される予定です。
なぜ、このようにコミュニティナースが注目されるのでしょうか?背景には、挑んでいる社会課題の大きさがあります。
2000年に900万人だった日本の後期高齢者(75歳)の人口は、今では約2倍です。そして、人口の多い「団塊の世代」が後期高齢者(75歳以上)になる2025年には、その数は2200万人になります。(元データはこちら参照)
一方、高齢者を支える現役世代(20~64歳)はこれからどんどん減少していきます。
高齢者を支える人は激減するのに、高齢者は増えていく日本。
「不足する医療・介護人材をどうやって確保するのか?」
「増え続ける社会保障費は、誰がどうやって負担するのか?」
「一人暮らしのお年寄りが増えることが予想されるが、孤独死をどう防ぐのか?」
・・などなど、課題は山積みです。
このような状況で、コミュニティナースのつくる、地域の共助による”健康的なまちづくり”の仕組みは、人口減少時代の新しい社会システムとして期待されます。
コミュニティナースの存在により、地域内の交流が豊かになり、予防医療の仕組みができる。そのことで、医療・介護分野での費用削減や、人材への負担軽減につながる。人とのつながりが強くなり、住民の孤独が解消され、幸福度が増える。
矢田さんたちは、実際に行政と協力して、成果項目をつくって検証することも行ってきました。
コミュニティナースの仕組みを広げることは、日本の医療の仕組みを変え、これからの日本の社会を形つくるかもしれない、壮大なプロジェクトなのです。
なぜ、「ナスくる」を始めたのか
Community Nurse Company株式会社は、2020年、「ナスくる」という予防する"訪問看護サービス”を開始しました。コミュニティナースくるよ、略して「ナスくる」。
各家庭単位で「ナスくる」を契約すると、月2回くらいコミュニティナースがご家庭を訪問します。健康相談だけでなく、その方が楽しみにしている趣味なども含めて応援。体調の異変に気づいたらナースが介入していきます。
クライアントは各家庭のこともあれば、企業が自社の社員の福利厚生として導入することも想定しています。また、自治体とタックを組んで地域全体に広めていくこともあります。
「ユニークで、楽しくて、予防医療的な効果もある。そんな地域社会つくる。こんなビジョンに共感してくれる企業や団体と一緒にやりたいと思っています。(お客さんは)買い手であり、作り手です」(矢田さん)
矢田さんたちの取り組みにより、これまで530人が、コミュニティナースの講座を修了してきました。しかし、その人たちが実際に地域で活動するには様々な課題がありました。思うように住民の協力を得られなかったり、資金を得るのが難しく、活動が先細りになってしまったり。
「来年からコミュニティナースが教科書に載ることで、毎年7万人の看護学生がコミュニティナースのことを学んで社会に出てくるようになる。でも、今の状況では、存在を知ってても、やれない。
「ナスくる」によって、コミュニティナースがちゃんと収入も含めて応援される仕組みをつくりたい。全国的に湧き出る『コミュニティナースやりたい』という志を、面で支える仕組みをつくりたいと思っています」
と、矢田さんは語ります。
志含めて創業メンバーになれる人、募集中
Community Nurse Company株式会社のメンバーは、コミュニティナースの現場のことはよく分かりますが、ビジネスの立ち上げ経験が不足しているそう。少ないメンバーで手探りで推進している状況なので、事業の立ち上げ経験がある方に入ってもらいたい、と矢田さんは言います。
「一部のジョブを誰かにお願いするってことは出来ると思うんですよ。そういう参加の仕方だったら参加できる人って日本中にもちろんいらっしゃると思うんです。でも、『普段の生活の中でできる予防的なケアが、日本で広がるといいよね』って、(私たちの)事業に共感できる人、スキルだけっていうより、志含めて創業メンバーになれるような方をしっかり探していきたいなと思ってます」
新しく入るメンバーは、矢田さんと共に事業を推進していきます。
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