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統計準1級 2017年6月問6[1]解説

*都合上問題文を本来の文章と変えていますが、解答は同じになるようにしています。
問6[1]: あるコミュニティで、最も好きな季節を1つ選ぶ調査を857人に行ったところ、春を選んだ人数は192人でした。この割合の95%信頼区間を求めよ。

考察:
1.標本比率$${\hat p}$$に関して信頼区間を解いている。
2.標本は大きめ。
3.母集団は不明だが、春を選ぶか選ばないかのベルヌーイ試行を復元抽出で繰り返している。

アプローチ:
考察から、二項分布を中心極限定理により正規分布に近似するのが明らか。

解説:
春を選ぶ人数をXとおくと、X∼B(857,p)とみなせ、
その期待値と分散は以下の公式で表される。

$$
E[X] = np
$$

$$
V[X] = np(1-p)
$$

標本比率$${\hat p}$$の期待値と分散は以下のように計算できる。

$$
E[\hat p] = E[\frac {X}{n}] = \frac {1}{n}E[X]=p
$$

$$
V[\hat p] = V[\frac {X}{n}] = \frac {1}{n^2}V[X]=\frac {p(1-p)}{n}
$$

中心極限定理より、pを$${\hat p}$$に置き換えて$${\hat p}$$~N($${\hat p}$$, $${\frac {\hat p(1-\hat p)}{n}}$$)の正規分布に近似できる。

よって95%信頼区間は以下のように表せる。

$$
信頼区間 = \hat p​±1.96⋅SE
$$

標準偏差SEを$${\sqrt {V(\hat p)}}$$より計算し、$${\hat p}$$ = $${\frac {192}{857}}$$を代入することで目的の信頼区間を求められる。

結果、
信頼区間 = 0.224±1.96⋅0.01424
信頼区間 = 0.224±0.02789
となる。

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