事務所の一括購入か賃貸を考える
新しいことをはじめる時、ついつい「自分の事務所が欲しくなる」ということがあります。
自分が常に居れて、他の人も集まることができる場所があるにこしたことはないのですが、固定収入の見込みが立たない中で、支出(一括購入/賃料支払)を決めてしまうのは大変思い切りがいることなんですよね。
今日は、事務所として持ったほうがいいのか、それとも賃貸で持った方がいいのか、いっそのこと購入したほうがいいのか、3つのポイントに絞って考えてみたいと思います。
※今回は1人で起業(フリーランスとして起業)することを想定して書いています。
1.事業の方向性は固まっているか
起業して、新しい事業をスタートする時、すでに自分の仕事が複業としても成立していて、お客さんも一定確保している場合、事業の柱ができているので、「賃貸」として借りてもその使いみちは大きくブレることはないでしょう。
一方、お客さんが付いていない状態で、新しいことをはじめる場合、場所の使い方も想定でしかありませんし、そのような使い方がハマるとも限りません。
「物件購入して事務所を作ったけど、人が集まるには遠すぎた」、「自分が出かけることが多いので事務所なくてもいい」とった誤算が生じることはよくあります。
方向性が固まっていない場合は、購入するのではなく、ミニマムな賃貸で借りれる場所を選びましょう。できれば、誤算が生じた時にすぐに退去できる物件を選んでおくことをおすすめします。
2.自己資金(手元資金)はどれくらい使えるか
起業する時には、多くのお金を必要とすることがあります。また、起業後の生活費を考えると、売上が立つまでには時間がかかり、手元に100万円あったとしても、あっという間に無くなってしまうことが考えられます。
起業時は、手元資金=事業資金+生活資金で分けて考え、事業資金で必要な運転資金(月にどれくらいのお金の支払いが生じるか)をざっくりとはじき出しておくことをおすすめします。
手元に100万あるからといって、中古物件を一括購入することは正直おすすめしません。購入後、手元に残るお金も少なくなりますし、その中古物件の維持修繕費がかかるからです(購入後、思わぬ修繕が生じたりします)。
購入はせず、少なくとも1年は賃貸で様子を見て、購入を検討しても遅くはないでしょう。
3.人が集まる価値をつくれるか
「場所」(事務所)に何を求めるかによりますが、少なくとも「人が集まること」を想定する場合は、顧客にとって、利便性・快適性・必然性・居場所感が得られるものかを確かめておきましょう。
顧客が集まる(集まってくる)ためには、単なる場所を用意すれば足りるものではありません。顧客が価値を感じる物件(場所)を作らなければなりません。
自身の事務所に限定し、人と会う場合はまちのカフェやネットミーティングを活用するなどすれば、究極は自分の自宅で足りることになるかもしれません。
購入・賃貸で余計なコストを払うぐらいなら、起業時に必要な投資に回しておいた方がいいと思います。
最近では、カフェや図書館、もちろんコワーキングスペースでも事務所代わりとして使うこともできますから、トータルで得られるものを考えたら、自分で場所を持つことだけが正解とは限りません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
起業をする時、ついつい憧れもあって自分の事務所を持とうとしてしまいますが、もう一度必要か考えてみてください。
賃貸/購入をすることで得られるものもありますが、ぼくは身軽さや取り返しのつきやすさを考えたら、コワーキングスペースや自宅を兼用するのでいいのではないかと考えています。
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