今井紀明

認定NPO法人D×P 理事長 http://www.dreampossibility.com/

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最近の記事

生かされること、生き残った先

ある島での話だ。 「イラクで交渉していたのは、」と20年前の出来事の話を聞くのは不思議な感覚だった。スッと話される、たまたま知ることができた。それはワンサイドのストーリーかもしれないのだが、イラクのファルージャでの近郊での出来事、つまり自分の人質事件で解放に至った経緯を自分ではあまり関係者に聞いたことがなかったので「そうなのか」と思うことがこの前あった。 この20年だが、そのことを聞かずとも「生かされてきている」と「生き残ってきた」というどちらの思いが色濃くある。「生かさ

    • 本来は政府がすべきことを、寄付で事業を作ってする必要があるのか

      D×Pの事業に関して「本来は政府がすべきことで、寄付でする必要があるのか」というようなことを様々な方から言われます。政府がしないことを民間から作っていくのも重要だと思っています。 セトウチフラッグという番組で語ったことがForbes Japanでも記事化され、私たちが活動していることも書いていますが、政府が機能せず課題解決をすることができない課題もこれからより増えてきています。しかし、国や自治体に働きかけても変わらない、提言しても変わらないならば民間から即座に作ってモデルを

      • 寄付は営業するものではなく、参加をしてもらうものだと思う。

        寄付は営業するものではなく、参加をしてもらうものだと思う。寄付参加してもらう、それが非営利組織なのだと思う。 たまに「寄付の営業する」という言葉を聞くことがあるが、僕は社内でも「寄付は参加してもらう、いただく」ということをスタッフに伝えている。 営業とは検索すると以下のように説明されています。 そもそも株式会社の経営自体は利益を得る目的ではないですが、営業という言葉には「売り込み」「販売活動」などの意味が含蓄されているように思います。もちろん、NPOなど非営利組織でサー

        • 月額寄付の法人が128社に

          13期目の寄付型の認定NPO法人D×P(ディーピー)の代表を務める今井です。私たちのNPOは10代の孤立を解決するためにオンラインや繁華街でのセーフティネットづくりや機会創出の事業を行っています。具体的にはユキサキチャットという14000人を超える登録があるLINE相談から食糧支援、給付支援を行い、卒業や就職、社会保障制度までつなげることを行っていたり、大阪ミナミで道頓堀から徒歩4分ぐらいの距離の場所に50坪ほどの場所を借りてナイトユースセンターというグリ下の子たちのための支

          創業期のNPO起業家のためのメモ

          13期目の寄付型の認定NPO法人D×P(ディーピー)の代表を務める今井です。私たちのNPOは10代の孤立を解決するためにオンラインや繁華街でのセーフティネットづくりや機会創出の事業を行っています。具体的にはユキサキチャットという14000人を超える登録があるLINE相談から食糧支援、給付支援を行い、卒業や就職、社会保障制度までつなげることを行っていたり、大阪ミナミで道頓堀から徒歩4分ぐらいの距離の場所に50坪ほどの場所を借りてナイトユースセンターというグリ下の子たちのための支

          創業期のNPO起業家のためのメモ

          生き残ることの絶望と、おそらくある希望と

          イラク人質事件から20年が経った。昔のことを思い出すことがあったので、書く。 事件後、悪夢を見るようになり、また顔は誰からでも覚えられるようになり、外に出ると多くの人から声をかけられて「死ねよ、ガキ」「帰ってこなかったらよかったのに」と言われたり、「今井さん、素晴らしい活動をしていますね」と言われたりした。 僕はどちらの反応もしんどかったように思う。 罵声を浴びることの方が多かったのだが、褒められるようなことも別にしていない、ただ拘束されただけだったし、イラクの子どもたち

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          日記2023年10月27日〜31日 法善寺横丁、仙台。

          2023年10月27日(金) 心斎橋のロータリークラブで講演。ミナミのユースセンターに関心を持っていただき、即座に寄付してくださった経営者の方もいた。ありがたいことだ。その後、新大阪にすぐに御堂筋線に乗って向かい、仙台に向かう。4時間ぐらいかけての旅だ。少し遅れ気味の新幹線に乗る。B席、3席あるうちの真ん中しか空いていないので、少し狭く感じるが、仕事していると、一瞬で到着している感覚になる。 その後、年に1度の新公益連盟の合宿だ。すでに午後から始まっていたが、僕は8時に会

          日記2023年10月27日〜31日 法善寺横丁、仙台。

          日記2023年10月23日〜26日 異なるフロントラインに立つのは、自分にとって戦だ

          2023年10月23日(火)餃子と日常娘氏が「餃子を食べたい!」と話してきたので、パッと食材買ってきて作る。60個を娘氏たちと協力して作り、僕は餃子を焼く。先にお腹が減ってそうだった娘氏たちにご飯を食べさせていたら、「のりが席に着くまで、餃子は一個しか食べない」と娘に言われ「いやいや、キッチンからでも会話できるし、先に食べてよ」「嫌だ!」「いやいや、先に食べてよ」を応酬したが、全くもって譲る気配がないため、わかったよ、もう少し終わったら焼き切るから、と言って僕は餃子を急いで焼

          日記2023年10月23日〜26日 異なるフロントラインに立つのは、自分にとって戦だ

          A面とB面

          夕陽を見ていた。道路に面するアパートの廊下からは十字路が見えて、車がゆっくりと通り過ぎるのが見える。Bはその廊下に立って、手すりに寄りかかりながら、空を見上げながら夕陽を見ていた。 「さっさと、この世界から消えたいな」 Bはこの世界が嫌いだった。人間社会を蹴り飛ばしたい、と思っていた。でも、そんな勇気もなかったし、心の何かがずっとその気持ちを拒んでいた。心が二つ存在していた。人間への憎しみへの強いBと社会に対して何かしていきたいと思うA。二人は共存していたわけではない。元

          暴力がない世界に出てから。

          東京駅を歩く。今とは違って、日差しは強いが、まだ暑さは控えめな時期。僕は何人かユキサキチャットで出会った関東の10代や若年層の子たちと連続で面談してきた。 「言いたくないことは言わなくていいですからね」と僕は言い、静かに話を聞く。ユキサキチャットにたどり着いた経緯や現在の収入状況など聞き、家庭環境や滞納や借金の有無、聞くことができれば虐待やDV(家庭内暴力)などがなかったかも聞いていく。 「自分なんて、支援されるような人間じゃないと思うし、他の人の方が大変なのだと思います

          暴力がない世界に出てから。

          3月の日記 10年前、起業した日。娘とゆっくり話す日々。友人と語る日。

          3月のとある日 1 娘とゆっくり話す時間。「わたしってこういう時に集中できない」「のりはテストで100点目指す必要ないってよく話しているし、わたしもそう思うけど、他の人は『100点取らないと怒られる』って話していて、それなんで?」「わたし、昨日よくなかったことあったなー」と、ずっと話している。僕も「そうか、そうなんやなー」と言いながら、聞いている。 家族内で話し合える雰囲気づくりって大切だといつも思っていて、うちの家では家族会議と話しているが、ゆっくり自分の考えを話せる場は

          3月の日記 10年前、起業した日。娘とゆっくり話す日々。友人と語る日。

          ひとりあたり8万円の給付と食糧支援と相談と。NPOとして15〜25歳の若年層と年末まで1ヶ月向き合いまくった話。

          3週間で530名から現金給付希望の問い合わせがきた。 久しぶりに毎日現場に出ている。年末年始を目前に、この先の不安な声が届く。スタッフと一緒に毎日毎日応募があった子の面談をし、その子ひとりひとりの状況を聞いている。 12月6日、年末年始にむけて生活が不安な全国の15歳〜25歳の人に、ひとりあたり8万円を最大250名に給付するプロジェクトをスタートした。 応募はくると思っていたが、リリース後の1ツイートだけですごい勢いで拡がった。 翌日には100名以上の若者から応募があ

          ひとりあたり8万円の給付と食糧支援と相談と。NPOとして15〜25歳の若年層と年末まで1ヶ月向き合いまくった話。

          隠された「助けて」を見つける

          ずっと関わってきた子から「誰にも迷惑をかけたくないけど、頼ってしまってごめんなさい」と先日言われたときがあった。 僕はその場で 「でも、頼るのって普通だから。自立は頼ることから始まるし、頼らず生きるのは仕事や生きる上でも難しいと思う。だから、ひとりで生きようとしないでいいよ」 と伝えた。 これまでずっと働いてきた彼を僕は高校からみてきた。昼間働きながら家族の大黒柱として働き、家計も支えてきた。ただ、高校卒業後に働きながら一人暮らしをはじめ、今回体調を崩した。そんなとき

          隠された「助けて」を見つける

          パパじゃないけど、パパになった。

          「本当に、一緒に住んでいいの?」 「うん、いいよ」 と6歳と7歳の2人の女の子に話された。  まだ会ってから3回だけ。シングルマザーのパートナーと出会ってから、パートナーの子どもたちと遊ぶようになった。コロナ禍でバタバタしていたが、週末に公園を遊びにいったり、ご飯を一緒に食べたりする中で「のりー」と呼ばれるようになり、一緒に住み始めてから数ヶ月が経った。  生活の激変の始まりは、その最初の会話。電撃結婚じゃないが、子どもたちに「一緒に住みたい」と言われて、「え、本当に

          パパじゃないけど、パパになった。

          ひきこもりをしていたら、仕事に就けた

          ユキサキチャットの新規登録者が2150名を超えている。日々、不登校の子たちからの相談があって今年の4月からは相談数が本当に多い。 ただ、今年よかったこともたくさんあって、ちょっと個人情報もあるので掲載できないものが多く、許可を取っているものだけ書ける範囲でよかったことを書こうと思う。 1.学費クラファン→通信制高校に通い始めたせーたろ短く書こうと思うが、この子が中学校の時に学費を出してもらえず非常に困った時に「学費集めをクラファンでしよう」といって実際にクラファンで1日た

          ひきこもりをしていたら、仕事に就けた

          怒りを超えて優しさをブレンドする

          ここ最近、僕が代表を務める認定NPO法人D×Pの活動の一部である食糧支援や現金給付がツイッターでプチバズっている。 ツイッターやfacebookで投稿してもらった反応としては「こんな状態の子たちがいたとは」「現物の写真を見ると、胸にきます」という言葉をいただき、ツイッターでの投稿がきっかけでwithnewsで記事にしていただきヤフーニュースのトップにもなった。 「ヤフーニュースのトップになったのは人質事件以来じゃないか!!!!!」と友人に言われたのだが、たぶんそれに加えて

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