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事業再構築補助金事業計画の実例解説その2

事業再構築補助金事業計画の実例解説その1からの続きです

(4)事業再構築補助金「計画性」

●「事業再構築補助金では、経費は課題解決や事業化に必要なものである。経費の算出の根拠と金額は妥当である。経費は事業再構築補助金の補助事業に必要かつ事業再構築補助金の補助事業にのみ使う経費であり、対象外経費の算入はない」ことを事業再構築補助金の審査員に伝えることがポイントです。
その場面をわが家の採択された2次公募の申請書から抜き出してみます。

●「事業再構築補助金 経費の名称・用途・型番
①作業場用エアコンポータブルクーラー冷暖2.8kW ホワイト IPA-2821GH-W 84
①収穫物作業場運搬機 TG145B 49
①業務用冷蔵庫福島工業 業務用インバーター制御冷蔵庫 Aシリーズ(ARD180RM)56
②高圧洗浄機 共立KN-S401SCⅡ+動噴SPM457SP 43
③試作用電気食品乾燥機プチミニE-3H 43
④マイクロ………粉砕機 国光HS-20(M22)43
④充填機Sumeve-5 43
④シーラーV301(袋の開口部を密封する機械)43
⑤電子黒板、置台 I-O DATA アイ・オー・データ  IWB-651EB [64.5型 /4K(3840×2160) /ワイド]93
⑤スクールバックボードと作業テーブル92
⑤配信機材設備 (照明セットVISII 20,000円、VlogカメラVLOGCAM ZV-1G110,000円、audio-technica 2.4GHz帯デジタルワイヤレスマイクロホンATW-1101/L 38,000円× 2台、 三脚+自由雲台AOKA KG324C+BH40 40,000円) 54
⑥自走式草刈り機 スパイダーモアー イセキアグリ SP852AF (斜面刈り用/刈幅500mm)、移動用運搬台 40
⑦配信機材設備(ドローンDJI
Mavic 2 Pro162,500円、GoPro HERO9 Black62,500円)54
⑧ビジュアルブランディング及びデザインコンセプト設計(詳細別紙)92
(各品目の後ろについている数字は日本標準商品分類です)」

●「事業再構築補助金 経費の各品目の用途
①空調と作業場内の材料製品運搬と生ウコンの冷蔵保管設備
②ウコンを高圧で洗浄して加工できるようにする設備
③季節で随時変更する乾燥の温度と時間を試行して決定する設備
④マイクロパウダーに粉砕し規定量を袋詰めしビニールを閉じる設備
⑤電子機材や教室設営の設備
⑥3面ある段々畑の広大なノリ面を草刈りして体験スクールの美観を守る機材
⑦SNS用の撮影編集の設備
⑧ロゴなどブランディング諸作業とホームページとショップ制作に要する費用」

●どうでしょうか?
事業再構築補助金も、ほかの補助金と同じように、いえ、それ以上に経費の計上は気をつけなければなりません。事業再構築補助金の審査員はこの経費の計上内容に、申請者の本気度と、経理関係の能力、そして採択されたあとの事業遂行の能力を見ます。

●日本標準商品分類というものがあることをぼくは知りませんでした。この分類番号は申請の際の入力時にも要求されますからお気をつけください。ググればすぐでてきます。対象の製品がどの分類になるか悩む人がいますが、これかな、と思うものを書いておけばいいです。その正確性ではなく、しっかり分類のことを考えている会社だと審査員に思ってもらえばいいです。

●経費の計上は、事業再構築補助金の事業計画づくりの上で、最大の難所です。みなさん、交付申請や補助事業完了後の申請経費の精算のことをあまり考えていませんが、どんな経費を計上するかで、あとでえらい目にあうことがあります。

(5)事業再構築補助金「遂行能力」

●「既存事業の実績から見て、事業再構築補助金による補助事業実施と補助事業実施後の再構築事業推進のための実施体制、人員体制の遂行能力が十分である。他社相互の協力体制と具体的な役割、契約締結までしている」ことを審査員に伝えることがポイントです。
その場面をわが家の採択された申請書から抜き出してみます。

●「実施体制 (組織図省略)
※1:代表者の夫は事業再構築補助金をサポートする経営コンサルタント業のかたわら当社にて当事業に1600時間を投入する。経営管理経験とコンサルタント経験を活用する。
※2:農業と加工のスタッフ。○○○○は代表者の父であり○○○○は叔父である。二人とも当事業を生きがいと言って応援してくれている。
※3:パートを2022年から再雇用してネット業務を行う。
※4:乾燥加工の委託先。加工委託契約を結んでいる。農園レストランを持つ。ここのシェフと共同でウコン活用レシピを開発してスクールプログラムに反映する。」

●どうでしょうか?
ぼくは1次公募の落ちた「里山空間で週末プロ農家貸し農園サービス」のときには、「ぼくたち夫婦のほかは周囲の仲間たちと協力し合う」と書いて、審査員から「実施体制、人員体制の遂行能力が記載されていない。他社相互の協力体制と具体的な役割、契約締結の有無が書かれていない」とコメントされました。
だから上では省略してますが、実施体制図をかなりこまかく書きました。

●1次公募の時はぼくもわが家のような小さな先を仕事先に持ったことがないので、組織の小さなことが審査員には不安要素に映ることを想像していませんでした。小さな組織の方は、ここを念入りにふくらませて書いておくことです。大きな組織はここをいつも以上に綿密に書いておいてください。

(6)事業再構築補助金「税金を使うにふさわしい社会性や公共性を持つ取り組み」

●「税金を使うにふさわしい社会性や公共性を持つ取り組みである」ことを審査員に伝えることがポイントです。
その場面をわが家の採択された申請書から抜き出してみます。

●「事業の社会性:SDGs貢献などを行う
・でSDGs3「すべての人に健康と福祉を」に、生産サプライチェーンを詳細に開示することでSDGs12「つくる責任 つかう責任」に、無農薬無化学肥料栽培によって土地の回復を図りSDGs15「陸の豊かさも守ろう」に貢献する。
・ドローン空撮や24時間畑から配信など、最新ITテクノロジーを活用する
・低炭素化に向けビニール資材・農薬化学肥料不使用、簡易包装等の取り組みを続ける。
・体験スクールは地域に人を呼び込むので周辺地域への経済的波及効果が期待できる。
・レストランメニュー開発のエコシステムを形成することで、他社を巻き込んだ経済的波及効果が期待できる。」

●どうでしょうか?
ぼくはSDGsのコンサルティングもやっているのでふだんからSDGsのことを自分ごとに考えてますからこういうことは無理なく自然体で本音で書けます。
こうした社会性はこれからどんな会社さんにも要請されますから、この事業再構築補助金のためというより、ふだんから自社が社会のため、環境のために何ができるかを考える習慣をぜひお勧めします。

以上です。お読みいただきありがとうございました!

事業再構築補助金事業計画の実例解説その1もご覧ください


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