KANSOウェビナー 「揺りかごから揺りかごまで 〜LCA 循環・調和・配慮の建築」 2025年2月6日
建築業界にとってホットな時事のテーマです!
建築物の「生涯CO2」をLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)を使って算出することが、近い将来、欧州でも日本でも義務付けられそうです。材料調達や資材製造から施工、運用(使用)、補修、解体、廃棄・リサイクルと、「揺りかごから揺りかご」までの建設の全プロセスでのCO2排出が対象になります。
EUの欧州委員会は2024年4月に、2028年から1000m2以上の建物に、2030年からはすべての建物にLCAを義務付けると決定しました。日本政府も2024年11月から、建物の「生涯CO2」算出を建主や建設業者に求める制度の検討に入ったようです。2026年通常国会への関連法案提出が目指されています。
今回は、このホットなテーマに関して、デンマーク・コペンハーゲンの建築エンジニアリング・コンサルティングの会社で建物のLCA実務に携わる蒔田智則さんをゲストスピーカーに迎え、CopenhagenとAkitaとSchwarzwaldをつないでウェビナーを開催します。
https://kanso-lca.peatix.com/view
省エネ建築は、欧州でも日本でも、過去数十年の間に大分普及しました。そこで目指されてきたのは、建物の断熱(+蓄熱)性能を高めて、冷暖房などのエネルギー使用量を少なくする、ということです。ツールとして使用されている建物エネルギー証書(欧州)や建物省エネ性能表示(日本)も、建物の運用(使用)の部分の環境負荷(CO2排出)を評価するだけです。
その前と後のCO2排出は含まれていません。建築におけるLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)は、これまでしっかり把握されてこなかった建物運用(使用)の前と後を含めた全プロセスのCO2排出を算出し評価するツールで、現在欧州では、制度義務化に向けて、その活用が徐々に増えています。
建物の断熱(+蓄熱)性能だけでなく、次のような問いに数字で答えていくことが必要になります:
建材の生産や製造に使うエネルギーはどれくらいか?
建材の輸送距離はどれくらいで、どれだけのエネルギーが使われるか?
ローテクでの建設か? もしくは機械で効率化された短い工期の建設か? 建設作業のエネルギー使用量はどれくらいか?
マテリアルや構造の耐久性(賞味期限)はどれくらいか?
解体後にリサイクルできるか? リサイクルにどれだけのエネルギーが必要になるか?
レクチャー:
デンマークの建築のLCA最新事情 〜欧州ではなぜ建築のLCAを評価するのか?
ドイツの建築のLCA最新事情 〜リフォームを最優先する!
LCA計算で驚くべき数値がでたKANSOの秋田田沢湖のプロジェクトの詳細
・石場建てをアレンジしたポイント基礎
・古材も使った接着剤なしの積層木材パネル
KANSOは、多面的な性能をもつ自然マテリアルを、できるかぎり「地産地巡」で、簡素な構造で活用し、ローテクの健康で環境にやさしい建築を実践してきました。
結果的にそれが、LCAでも優れていることがわかりました。
イベントの案内&申し込み: