ボトムアップによりみんなで創っていく「道」
ドイツの著名な環境ジャーナリストであるフランツ・アルトは、公共善エコノミーのことを「社会主義と資本主義の間に位置する実用的な第3の道」と評しています。様々な関係者が、ボトムアップの原則により、民主的に話し合い、決定し、現経済システムに変更・修正を加えながら新構築していく運動です。
クリスティアン・フェルバーの著書『公共善エコノミー』は、これら運動の基盤であり、経済・政治・教育分野をつなぐ、ホリスティックで具体的な「道」を簡潔・明瞭に描いています。
しかしその「道」は、あくまでも1つの指針であり、1つのプロトタイプです。
公共善エコノミーは、イデオロギーに基づく対立を生み出しやすい「イズム(主義)」ではありません。
あらゆる人や組織がフラットで創造的な協働により、みんなで発展・進化させていくプロセスです。すなわち、コモン・グット (公共善)を目標に、みんなでたえず方向を確認・修正しながら歩く、終了点が設定されていないオープンエンドの「道」です。
ここでいう「道(みち)」は、日本の「道(どう)」に通じるものがあります。個々人の人格形成の修養プロセスでもあります。そして運動の主体となっているのは、世界各地の地域市民と中小企業です。