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部活動のはなし。

1.実はこの話。

 もう、20年前から考えていたことなんです。実は卒論これがドンピシャのテーマで、そのころ、この話をすると「これは教育の話じゃない」って言われた記憶があります。

 まあ、スポーツ庁の構想はあったものの、本当にできるとは思わなかったし、このころに論文書こうとすると資料がなくて困った覚えがあります。

 4年ほど真剣に考えたテーマなので、人様よりは詳しいはずですし、知り合いの方が中に入られているので、僕なりの考えを述べさせてもらえばと思います。

 このテーマ、大抵の人は通ってはいるものの、いまいちわかりにくいので、気になったニュースを貼り付けますので、お読みになられるとよく理解できるかなぁって思っています。

 実はこの話、いろんな問題がごちゃごちゃ混ざっています。ほとんどは学習集指導要領とそれに付随する部活動の話を理解していればわかるのですが。何も読まないで妄想だけで書いている記事も多いですからねぇ。ちょっと調べればわかるのに。

 これ、理解している人業界でも少ないのですが、「部活動」と「クラブ活動」って違うんですよ。混同されて使用されていますし、僕自身もたまにごっちゃになるのですが。
 それぐらいややこしい話。

2.なぜ今、部活の地域移行?

 教員の多忙化の話。

3.本質は根深いものがある。

 20年前の卒論のはじめにを一部抜粋して載せます。

 少子化に伴う児童・生徒の減少や学級規模の縮小から起こる部活動加入者の減少や生徒数の減少に伴っての教員採用の減少から起こる教師の高年齢化によって顧問不足になり、運動部の数が減少するといったことなどがある。
 教師側の面からみれば、あまり部活動というものを持ちたがらない傾向があり、名前は入っているが実際に部活動の現場に来て指導はしなくても見るということもしない教師が多い。また、自分は運動が出来ないのでみられないという教師もまたいる。
 一方、生徒側でも運動部活動は「自分の時間がとれない」とか、「体育会系の縦の関係が嫌だ」と言ったりして敬遠する生徒が増えてきているという面や、特に剣道部・柔道部といった武道系の運動部活動によく見られる「きつい」「きたない」「しんどい」といったイメージ的な問題であったりである。これには大きく理由が二つあって、一つ目には運動部活動に存在する歪みや勝利至上主義における教師・生徒による「過熱」という部分であり、そういったことから起こる教師から生徒に対する「体罰」であったり、上級生から下級生に対する「しごき」であったりといったことに発展してしまったりもする。ここから運動部活動の閉鎖性というもの指摘できる。
 また、「部活動=競技スポーツ」という図式が日本においては定着しているという指摘もあり、この結果、もともとスポーツ要求を持った生徒が自発的に参加するといった本来の趣旨からは外れて、勝利至上主義的な考え方や少数精鋭の運営を呼び込む傾向が生じている。
 その結果、青少年期に多種目のスポーツを経験する機会が乏しくなってしまい、前項において指摘したとおりに大会を重視した練習をするため、大会が終了してしまうと「引退」してしまい、また、学校を卒業することがそのスポーツ活動自体の卒業につながるケースが多く、生涯にわたってスポーツを楽しむということが出来ないのである。
 二つ目には核家族化の進行による一人っ子の増加によって両親であったり、祖父母達であったりとする保護者が甘やかすことによって自分勝手になり、他人のことを全く考えないといったことがあげられる。

私の卒論より。(一部抜粋)

 これ、2002年に書いた文章です。今と変わってないと思いません?しかも、下の提言に書いていることよりも問題いっぱいあるよってことなんですよね。

 で、これ書いたときの結論の一因になったのが、この下に書いている文章。

 結局、外部の人間が分からなくて怖いから、よく知っている教員にして話になるのです。これって怖くて、日本人の大好きな同調圧力も相まって、結局は学校が引き受けないといけない状況がずっと続いているって状況になった一つの要因だと思います。

4.提言を読んで。

 で、今回の提言についてはこちらです。

 こういうものを見る時のポイントなんですけど、本文を読んでいたら駄目です。あ、研究する人間はちゃんと読まないと駄目ですよ。なんですけど、行政に対して出すこの手のもの、提言であるとか、報告書であるとかは一番上の概要を読めばどうしていきたいのかがわかります。

 とりあえず、下のリンクの概要を読んでみて帰ってきてください。

 課題として挙げられているのは、①少子化、②教員の業務負担、③地域での学校と指導者、団体との間で連携がなされていないと挙げられているのですが、これ、ほぼ20年前と変わってないんですよね。3.の所でもお話ししている通りで、①と②は深刻化してますが、③についてはまだましになっているのかなぁってのが、僕の印象です。

 で、ポイントなのが休日の地域移行なんですよ。ここポイント。
 休日だけなんで、②についてはある種限定的なのかもしれません。地域の完全移行に持っていこうとしたいのですが、いきなりすると大混乱起こすのでとりあえずは休日からってことなんでしょうけど。

 でも、この提言にはこういうことが書かれています。

まずは休日について着実に進めた上で、次のステップとして平日に取り組むことを基本とする。地域の実情等に応じて平日と休日を一体として
構築するなどもあり得る。市町村において、地域スポーツ担当部署や学校の設置・管理運営を担う担当部署、地域スポーツ団体、学校等の
関係者からなる協議会を設置し、活動の実施主体やスケジュールなどを検討し実行。

運動部活動の地域移行に関する検討会議提言の概要より

 平日までいくって書いてますねぇ。でも、受け入れ主体とかもありますし。どうなんでしょ。

 他にも、スポーツ団体等の整備充実、スポーツ指導者の質・量の確保方策、スポーツ施設の確保方策、大会の在り方、会費の在り方、保険の在り方、関連諸制度等の在り方と具体的に現状と課題を挙げたうえで、行政の求められる対応と今回は本気なのが感じられます。

5.で、本当にできるのかな?

 提言は本気なのは分かりますが、実際はそれに学校が対応できるかってやつです。
 3.のところの引用記事でもそうですし、僕が気にしているのがこれ。

 僕の予想では、もっと教員が反対するんじゃないのかなって思ったのですが、ご時世ですね。でも、したくない人は多いんじゃないのですかねぇ。個人的な感想ですけど。

 部活動を指導したいから教員って一定数いますからね。その人が離職する可能性とか考えてないのかなぁって思ってます。

 また、このことに関しては考察を深めてみたいと思います。


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あーびん
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