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投資家から見たイノベーションを起こすための必要条件について

皆さん、こんにちは。

私は自身がオーナーの資産管理会社でエンジェル投資もスコープにしているのですが、これがなかなか難しい取り組みです。

いくつかお話を聞かせていただく機会もあるのですが、よくよくお話を聞いても私の理解が悪いせいもあり、「なぜこれで儲かるのか」「どうやって利益を出すのか」が良くわからない始末…(涙)。まあ、日本は昨今の金融緩和でマネーはじゃぶじゃぶですので、良いアイディアをお持ちの方は私のようなところにお話しを持ってこないことが要因かと勝手に分析し自分を慰めております。

日本は昔からベンチャーが育ちにくい社会と言われてきました。直接金融が育っていないからとか大企業至上主義だからとか、国民性として同調圧力が強いからとか、いろいろな理由がいわれていますよね。

ただ、今の大企業は戦後の焼け野原から立ち上げた会社がほとんどですし、最近では孫さんや三木谷さん、前澤さんのような方々もたくさんいらっしゃいます。といっても、感覚的にベンチャーでイノベーションを起こしている企業が少ないように感じているの方も多いのではないでしょうか?

たぶん、それは感覚的に正しく、またこれには以下の条件が満たされていないからと私は考えています。

イノベーションに必要な条件は「格差」

「いやいや、今でも十分格差があるだろう」と言われる方もいるかと思います。確かに収入の格差はあるのですが、日本は他の国とちがいだいぶ「セフティーネット」が充実してるのです。それは国も民間の企業もですね。ですので、本当の意味でお尻に火がついて課題に取り組んでいる方が少ないのですね。

例えば、良いスタートアップのビジネスがあった際に、メンバを集めようとします。優秀なメンバを集めてこようとするとそれなりの条件を出さなければこのご時世、人はなかなか集まりません。今の給料の20%くらいダウンくらいであれば、「成功時のリターン」や「夢と希望」でうまく丸め込めるかもしれませんが(笑)、現在の給与の1/2や1/3の給与ではこれまた難しい限りです(特に優秀な組織人を引き抜くには)。

しかし、もし、社会で「格差」が大きければ、優秀だけれども良い待遇に恵まれていない方々に声をかけ、一発逆転を狙って集めることが比較的可能になるのです。またその方々に対する補償もコストが抑えられるので「ROI」としては十分帳尻が合うような計算です。あくまでこのような考えは投資家目線としてはですよ。

これは歴史を見てみるとわかりやすいです。

世界史を学んだ方はご存知かもしませんが、大航海時代に南米のアステカ&インカ帝国を征服したコルテスとピサロという方々がおります。世界史の教科書に名を遺し、現在の南米スペイン人の祖先でもあるコンキスタドール(征服者)ですね。

彼らの「罪と功績」はさておき、彼らがどんな人間であったかと言いますといわゆる街の「ゴロツキ」です(笑)。当時は十字軍などで有名な「レコンキスタ」が終了し、その際に活躍していた兵士なんかの職がなくなり街にあふれていたんです。

そのやることのない彼らに資本家が「なんだか遠い所に新しい国があって、そこには金銀財宝があるみたいだから、一攫千金狙わないか。お金はこっちで出すし。うまく儲かったらお宝山分けだよ。ちょっと危険があるかもしれないけどね。」と耳元で囁きます。彼らとしても毎日街でやることもないし、「将来は全く見えねぇ」というので、その提案に乗っかって一発逆転を狙ったというのが本当のお話です。

ちょっとブラックな感じで書いていますが(笑)、本質は現代のベンチャー投資/エンジェル投資と同じです。ただ、違うのは現在の日本では「格差」は少なく、リスクを冒す人にはある程度の補償を用意しなければならないため、初期投資が大きくなかなか投資としてのROIが合わないのです。

今の日本では、いろいろ不満はあるけれどその不満を少し我慢して企業に勤めていれば「まあ食べていける程度は給与がもらえる」というのが多いのではないでしょうか?この状況ですとなかなかリスクを取って一攫千金を狙いに行くというアクションが起きないのは致しかたありません。

と、今まではそうでした。ただ、これが今大きく変わりつつあるのです。

「テクノロジーの進化」により副業がしやすい環境が整いつつあります。 また、それに伴い世の中が「中央集権」から「分散化」にシフトしつつあります行き過ぎた中央集権で硬直した組織から分散化された機動力のある組織に競争優位性が移行しつつあるのです。

ですので、今までのように全てを投げうって大きなリスクを取り、ベンチャーに賭ける必要はありません。安定した企業に勤めながら、一方でベンチャーのタネを育て「勝負できる時が来たら」こちらにシフトとすればよいだけです。

その間は出来る限り所属している会社のリソースを活用し、さらに自身のスキルを磨いたりリレーションを構築することに注力可能です(まったく現業と関係ない事をしてはだめですよ)。自分の武器を磨きながらそのタイミングを見計らえばよいのです。

折しも一都三県は緊急事態宣言がだされ、午後8時以降の外出自粛が要請されています。残業もほどほどに切り上げなければいけませんし、飲みに行くことも出来ません。ですので、この時間を使って新しいビジネスの「タネ」を育ててみるのも良い機会なのではないでしょうか?

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