テクノロジーが上司になる社会
皆さん、こんにちは。
このようなご時世になり、働き方というのがいろいろ見直されている時期かなと思っています。地方に移住やテレワークの推進もあるかと思いますが、いわゆる「ギグワーク」というのも注目されているかと思います。
これも「テクノロジーの進化」による賜物ですね。今までは「働きたい人」と「雇いたい人」を効率的につなぐことが困難だったんですが、これをテクノロジーが効率的にマッチングしてくれているおかけです。
利用する方も「痒い所に手が届く」的な感じで気軽に利用できかつ便利なためこの領域は今後も伸びていくことと思われます。また、「働き方改革」という社会の流れも後押ししていくことでしょう。
世の中が大変便利になると思いますが、これはこれで注意が必要です。この状況が進んでいくと仕事のプレイヤーが大きく次の3つで構成されるようになっていくはずです。
「①テクノロジーをコントロールする人」 「②テクノロジー(上司)」 「③テクノロジーに指示を出される人(部下)」
これはユーザー(利用者)という意味ではなく、仕事としての関わり方についてです。まだ日本ではあまり身近に感じる方が少ないかも知れませんが、水面下でこの流れが進みつつあります。というのも、日本は技術大国と思われる方が多いかと思いますが、テクノロジーに関しては決して先進国とは言えないからですね。このコロナの状況でも役所対応を中心にいろいろ批判もされていましたし。
日本は良くも悪くもこのステージにまだ到達していないというが現状です。ただ、ASEAN諸国ではすでにこの兆候が見えつつあります。彼らの国は日本のようにレガシーのシステムが存在するわけでもないので、新しいシステムを導入する際に「スクラップ&ビルト」をする必要がないんですね。だからいち早く次世代テクノロジーの導入が可能なのです。金融なんかもデジタル分野ではだいぶ進んでいますよ。
このあたりは日本にいるとなかなかイメージしづらいですよね。 これは、私が長期滞在しているタイの例でみていきましょう。
タイでは、日本のウーバーにあたる「Grab」というのが大人気です。
これはここ1,2年で急速にサービスが拡大しています。以前はどこかに行く際でもタクシーを拾って、英語が分からないドライバーとボラれないように価格交渉をし、ようやくスタートしたと思ったら道間違えられたりして(笑)、とASEANの移動には珍道中が付きものでしたが、これが導入されてからはそんな苦労とはおさらばです。タイだけでなくASEAN全体で運用されています。
行きたい場所を入力してGrabが提示した価格でOKな車が迎えに来るため面倒な価格交渉もいりませんし、スマホナビがあるためドライバーも道を間違えません。食事のデリバリーは日本でもウーバーイーツがあるのでイメージしやすいと思いますが、日本と違って「人件費が安い」ためドライバーへの支払いがめちゃくちゃ安くすみます。
こちらは食事のデリバリーや自動車の配車に加え、様々なサービスがこのシステム上に乗っかりつつあります。いわばASEANの「プラットフォーマー」ですね。タイにはAmazonもありませんし。日本の大手金融機関もこのポテンシャルには期待しているようです。
タイでは「車やバイクを持っているから、その資産を有効活用するためにこの仕事をしているのか」、または「車やバイクが欲しいからこの仕事をしているのか」どちらかはわかりませんが、圧倒的に参入障壁が低いのでサービスの担い手には事欠きません。
あまりにも便利なサービスのため、担い手は「スマホと車(バイク)があれば誰でも出来てしまう」のです。基本的に「②テクノロジー(上司)」≒スマホが行くところの指示は出してくれるので、人間はそれに指示通りに目的地に向かえばよいからです。
当面、欲しいものであるスマホや車、バイクを維持するために実施する場合は良いですが、これに慣れてしまうと何も考えなく指示をもらう「③テクノロジーに指示を出される人(部下)」人間の出来上がりです。簡単に複数の仕事に携われるため、収入がこちらの仕事中心の生活になると自身のコアとなるキャリアを身に着けられず年月が過ぎていく…。そうなるとこの手の仕事以外で収入を得ることが難しくなっていきます。
こうなってしまうとなかなか抜け出せません。参入障壁が低いため入るのは簡単ですが、抜け出すのは大変難しくなっている仕組です。
このGrabの例は少し極端かもしれませんが、これが今後「ホワイトカラー」の領域にも進出してきます。すべて「テクノロジーで全自動」でというとコストも導入期間も時間がかかってしまうのですが、「一部人間が担う」ことで生産性も改善しコストも導入期間も大幅に抑えることが出来ます。このテクノロジーと人間の組み合わせが進めば、日本のデジタル化も今より大きく推進していくと思っています。良いかどうかは人それぞれですが…。
では、どうしたら「③テクノロジーに指示を出される人(部下)」にならないか? その答えは「労働者からの独立」です。
以前の投稿でもお伝えしているように「テクノロジーの進化」によりだいぶ安価に導入できるようになりました。これは労働者には「強烈な競合」が現れたことになりますが、資本家「①テクノロジーをコントロールする人」にとっては「またとない良いお話」なんですね(笑)。資本家としては効率的で文句を言わない?仕組を安価で作れることになりますからね。
労働者から独立するためにはまずは「投資により資産を確保」し、「仕事を複線化」し「効率の良い仕組」を作り、最終的に資本家になることでテクノロジーをコントロールする側にたつことです。これは金額の大小ではなく、立ち位置として「こっち側」か「あっち側」かが大事なんです。
もしかしたら、このような「テクノロジーが上司になる社会」が来ないかもしれませんが、このような準備が出来ていれば、それはそれで人生が豊になることは間違いありません(笑)
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