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「ものを作る意味」つくることは、つながること
1. 「ものの時代は終わった」と言われるけれど…
大量生産・大量消費の時代は終わり、持たない暮らしが当たり前になってきました。ミニマリストや断捨離はすっかり定着し、スマホやサブスクの普及で「所有しなくてもいい」選択肢が増えています。
ものよりも体験が重視される時代。
では、本当にものは不要になったのでしょうか?
2. ものを作る意味とは?
ものを作ることに、どんな意味があるのか。
作り手として、考え続けています。
ワークショップやアート制作を通じて感じるのは、ただ「持つ」ためのものではなく、「体験と結びつくもの」が求められているということです。
ものは、空間の中に視点を生み、日常の記憶を留める役割を持ちます。
たとえば、いつも玄関に飾られていた花のように。
何気ないものでも、そこに在り続けることで、思い出の風景になっていきます。
3. ものは外界とのコミュニケーションツール
最小限の持ち物で生きられる時代になったとしても、ものはまだ必要だと考えています。
なぜなら、ものがあることで、他者や環境との関係が生まれるからです。
誰かから贈られたものや、一緒に選んだものは、それ自体が人とのつながりを生みます。
手仕事のものや自然素材のものは、環境や文化との接点となり、人と人だけでなく、人と世界をつなぐ存在にもなります。
ものを通じて、対話が生まれ、関係が生まれていきます。
4. これからのものづくりは、「関係を生むもの」
ただ「ものを作る」のではなく、「ものを通じて関係を作る」——その意識が、ものづくりの軸になりつつあります。
作品が空間に溶け込み、日常の記憶や誰かとの会話のきっかけになるように。
「ものを持つ」から「ものを通じてつながる」へ。
誰かの暮らしの中で、ものが記憶や感情と結びつくとき、それはただの「所有物」ではなく「かけがえのない存在」になっていきます。
ものを作る人、売る人だからこそ、生み出せるつながりがある。
ものを手に取る人の、その先の物語まで思い描きながら、作り、届けていきたいです。