【ボイトレ・脳トレ・シニアライフ】第69話
N♠「この辺りから、実数ボイトレから虚数ボイトレに列車を乗り換えてみるぞ。車窓から見える景色は未体験の情景に変わるから、ちょっとワクワクした感じになるかもね。これからは全ての景色が虚数色に見えるから、筋力(実数君)が表舞台に顔を出す景色は視界から消えて行く。
Bincoの心情を思いのままに色付け出来る「魔法の息づかい」が、すぐそこに控えているからノンビリしてられないぞ。」
B♡「なんとなくボヤ~とは、感じるけど、虚数色の本質はチンプンカンプンだわね。胸の空洞は2ヶの肺が親玉だから、息の発生源として「虚数の総本山」と見て良いんでしょ。この胸部空洞が虚数色を紡ぎ出す息の生産工場なのよね。」
N♠「よしよし、そこまでの認識が出来ていれば、胸部空洞の捕え方はもうチョイだぞ。発声の直前、胸部空洞風船は少しの「たるみ」が無いようにね。「たるみ」の無い事が、発声スタートラインの準備だ。こんなチョットしたことも見逃してしまうと虚数色は現れないぞ。」
B♡「胸部空洞に閉じ込められた息(虚数君)が出て行く時が、発声の瞬間なのよね。息(虚数君)の通り道は、胸部空洞の天地にある2ヶ所なのよね。
天の出口は「声帯のスキマ」でしょ。そして地の出口は「横隔膜のスキマ」なのよね。私には今一つ分からないんだけど、腹式呼吸優先だから「横隔膜のスキマ」呼吸を完了させるのが、「声づくり」の始まりなのよね。」
N♠「ズバリ完璧だ。ここから、難関のボイトレ修行に突入するから覚悟しろよ。「虚数ボイトレ列車」の車窓から「虚数色発声」が見えてきたらコーヒーで乾杯しような。乾杯は年内がいいぞ。お前若くないからな。」
B♡「私、ドトールコーヒーでの一服は日課のルーティーンなのよ。乾杯のコーヒー楽しみだわ。ついでにカボチャタルトも仲間にいれてね。」
N♠「それじゃ早速ボイトレ修行開始するぞ。胸部空洞の出口スキマを開放するのは、母音アクセント(実数)の刺激だよね。この刺激を長くしたりリキミが強かったりすると、虚数色は一瞬に消えてしまう。
要するに、虚数君以外の実数君刺激は、「より短く・より弱く」が好ましい。
Bincoは時折この掟を無視する事が有るから、ボイトレ不足だぞ。」
B♡「いたずら好きの実数君リキミが駄目なのは、分かっているんだけど気合が入ると夢中で暴走しちゃうのね。虚数君の事だけ思っていればリキミが入る訳ないわね。」
N♠「虚数君の大好物は、「自然状態」なんだ。地球表面は地球自身の重力により、固体・液体・気体・・・等あらゆる自然界の物質を地球中心点へ引き付けているよね。それ故、地球上は1気圧の大気で包まれている。ボイトレでは、この自然原理が理解出来ないと前に進む事は出来ない。
大多数の人は、この自然原理を前提にして発声呼吸を理解していないんだ。だから正しいボイトレが迷路に入ってしまうんだよね。
「1気圧=水深10mの水圧」である事は、簡単な数学計算だ。
この圧力に順応する気道系出入口の密着閉鎖性能を高める段取りは不可欠だ。この段階でボイトレが自然界のルールを、はみ出さない意識は絶対持ち続けて欲しい。この密着性能を筋力で対応してしまうと虚数色は一瞬に消えてしまうぞ。」
【数学好きの方の為のボイトレ数式コーナー】
1気圧の大気の中では、身体内には常時、「スキマというスキマ」に気体が流入しようとする自然現象が起きています。通常の呼吸では何の違和感もありません。ところが、ボイトレ呼吸ではスキマを閉鎖しない限り、思うようにいきません。
思い通りにならない原因は、自然原理に逆らっている為です。ボイトレはその不自然さを見つけて修正する事の繰り返しです。その不自然さを身体で感じ取るのは容易な事ではありません。複素数図形はその手探り感の代わりに明快なヒントを提供してくれます。
自然界の安定形は、「円・球」ですから円図形になるのは、自然の成り行きです。この円の中心点に向かって大気圧がかかる訳ですから、その結果、球体は表面膜が人体の形状に合わせて食い込みます。特に注目して欲しいのは、呼吸器系の喉・肛門は食い込み度が顕著な開放気管です。この開放気管が大気に圧縮されて最終的には完全密閉されるのが、ボイトレのスタート基本状態です。この初期
設定を脳トレ参加優先で理解してみて下さい。ちなみに、声帯密着性能は口・鼻・舌・表情筋・・・等が連動して完成しますが、それらの動きは息の流れ由来の虚数君が受け持ちます。