【ボイトレ・脳トレ・シニアライフ】第12話
N♠「いよいよ本格的に、実数領域を卒業して虚数領域に対象を変更してみるぞ。実数領域では、筋肉の緊張をほぐす事に意識を集中させたが、これからの虚数領域では、脳の柔軟さが要求されるよ。
ボイトレではとにかく、柔軟性が大前提だから、腹式呼吸も胸式呼吸もやる事に変わりはない。」
B♡「虚数のイメージが今一湧いてこないのよ。どういう風にとっかかっていいか、ややこしいわ。」
N♠「虚数は英語ではImageと訳されるから、ちょっと想像できたかな。要するに頭で考える事は、虚数だと思えばいい。
その事を前提に、息を心情や情感に置き換えれば、虚数の世界観が見えて来やすいのでは?」
B♡「頭で思ったことを、息に乗っけて吐いてやれば、いいのかな?」
N♠「ばっちりOK!その調子。それじゃ順番を追って、息の出し入れの意味を確認しておこうね。
先ず胸部を球体と見なそう。天(声帯部)と地(横隔膜の中心)に、とても小さなピンホールがあると考えるぞ。
息を吐くと球体の中心から湧き出た息は外へ出ようとするよね。この時、ピンホールを閉じて、息が出ないようにして欲しいんだ。
その為には、ピンホールが閉じる程度の息の吸い込みが必要だ。ピンホールの筋肉が柔軟なら簡単に閉じた閉鎖空間が完成するよね。
ここまでが第一段階だ。天(声帯部)側を閉じようとすると、わずかな筋肉量なのでリキミ易いぞ。だから無視しよう。
一方、地(横隔膜)側は、筋肉量が圧倒的に多いので、吸い込んだ息にくっ付くように、柔軟な筋肉が吸い込まれて胸の球体の中へ食い込んでくるぞ。
この時の窮屈感を体感で覚えて置こう。
こうして天地のピンホールが閉鎖される迄の一瞬の時間を確実に操作しよう。この時、息を吸い込みすぎると緊張を誘発するから、練習してリキむ手前で留める感覚を研ぎ澄ますんだ。」
B♡「要は、胸に風船を作ればいい訳ね。」
N♠「ちょっと違うぞ!体内の胸、つまり風船は生存本能により、すでに出来ているよね。この出来上がってる風船に、わずかに息を吸い込んで、風船の穴だけが閉じられればいいだけだ。ピンホールを閉じるだけの為に吸い込む一瞬操作だぞ。」
B♡「という事は、息の吸い込み量はわずかって事ね。この時リキんでいたら、台無しって事なのね。」
N♠「分かってきた雰囲気だね。この閉鎖作業が完成すると、息を吐き込んで声に変える作業にかかるぞ。
いよいよ第二段階に突入だ。吐く息は先ず閉鎖球体を膨張させて、息を出し易い圧力迄、内圧を高める必要が有るよね。この時の息の吐き出しは、ため息で充分だ。
文字の意味のごとく息を貯める、このため息は、ボイトレに詳しい人が作り上げた語彙に違いない。ある一定の圧迄、息を肺へ吹き込むと、発声の準備が完成だ。発声に応じた、のどのわずかな変化に応じて息が外部に放出されると声が生まれるぞ。」
B♡「という事は、のどには絶対リキミが有っちゃいけないわね。要は、胸の球体にはリキミが「0」になる宿命があるのね。その為に訳の分からない「虚数」を使ってるのね。
Noriがやりそうな陰謀の匂いがするわ。」
N♠「その陰謀を受け入れると、真ん丸だった胸の球体は、リンゴのフォルムに変わるはずだ。虚数君たちは、メルヘンチックなリンゴのお家で集団生活を営んでいる訳だ。」
【数学好きの方の為のボイトレ数式コーナー】
複素数球体を今回は胸に設定して、虚数空間に慣れて見ようという魂胆です。
球の中心点が息の出入口です。発声中この点は固定です。中心点から放出される息の強弱で頂点にある声帯膜に振動刺激を与えます。
この振動体側に繋がっている球体の表面膜に意識が置けるようになると声にナチュラル感が出てきます。声帯・横隔膜と一体化したリンゴの表面膜をリンゴの軸、即ち上下に貫く虚数ベクトルで振動させる発声のイメージがわいてきませんか?
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