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【ボイトレ・脳トレ・シニアライフ】第71話

N♠「今一つ、呼吸の仕組みをつかみ切れて無いみたいだから、今回は復習を兼ねて発声呼吸の基本イメージ図を再度紹介する事にしよう。
左右の肺が接するスキマを息は自由に行き来できるよね。ここで肺の役目は、息の流れを作り出す最重要な役目(吐く・吸う・スピード変換・量変換・回転)を担っている。たぶん、それらの全てを意識出来ていないと思う。中でも、回転の概念は重要なので置き去りにしないでね。
ここに紹介するイメージ図は、発声呼吸の基本パターンとして、肺以外のあらゆる場所でも共通基本図として使えるから、しっかり理解するんだぞ。」

B♡「この図から考えると、左右の肺の中心点から吐かれた息は、2ヶの円(肺)の接点で合流し背中側へ出て行くのよね。こうして背中側に貯まった息を吐くと、逆に肺の中心に集まり余った息は、胸側に貯まるのよね。」

N♠「そこまではOKだね。ここから少し厄介なのは、背骨の存在が、いびつな呼吸動作を誘発してしまうんだ。息を吸った時、背骨の後ろは何の障害物も無いため、2ヶの丸い肺は、背骨を取り巻く様に転がり出そうとするんだ。体内の狭いエリアなので回転動作は僅かだけど、深呼吸すると肩甲骨が閉じて胸が開くのはその為だ。
この時、上側から見ると、「左胸は左回り・右肺は右回り」に回転している訳だ。この動きは、腹式呼吸でも同様だ。この意識がないと脱力動作が甘くなるからね。」

B♡「お尻の割れ目に紙を挟んで落とさない様にするボイトレは、息の吸い込み力に回転動作を意識すると、紙の密着パワーが出し易いかもね。」

 胸部水平断面図

N♠「呼吸に回転動作を付加するのは当たり前になって欲しい。円がコロコロ回転するのは省エネでもあり、回転スピードのコントロールがやり易くなる上、息を出し入れする時の切り替えが素早く行えるぞ。
この回転の発想を息(虚数君)の流れに取り込んで規則性を設定すると、発声呼吸の省エネに繋がるぞ。例えば、「吐き出す息=右ネジ進行」・「吸い込む息=左ねじ進行」に設定して置けば、息の流れを回転運動に変換できるよね。」

B♡「なるほど、息が直進するより滑らかになりそうね。直登登山より巻き道登山の発想ね。ロングトーンが楽勝に成りそうだわ。ビブラートも自然増が期待できるわね。」

N♠「息にとっては、むしろ回転の無い方が不自然だ。息(虚数君)の流れのあらゆる場面で起こる渦現象はボイトレその物だ。その代表的なスペクタクル現象が台風の渦なんだ。左巻きで吸い上げられ雨雲を発生させ、中心に出来た「台風の目」の中を右巻きで吹き下ろしている。正に、ボイトレの大先生だぞ。」

B♡「私、そんな激しいボイトレを表現できないわ。単なる息の出し入れだけでは、とても無理そうね。私の作り出す風じゃ、柔らかい筋肉片をハタメカセル程度ね。」

N♠「その事が理解出来ただけでも大したもんだぞ。これから、やるべき課題が見えてきたら、自然流の大らかな刺激的ボイトレを楽しんで欲しいな。」

【数学好きの方の為のボイトレ数式コーナー】
最新の量子力学では、量子その物が、分かつ事が出来ない相棒「Upスピン・Downスピン」で構成されていて、その特徴を内在した量子コンピューターは、莫大な情報をやり取りできるらしい。素数パスワードも決して破られないと言われている。こんな極限粒子にも、スピン(角運動量=回転運動量)

という、ひねり動作が備わっています。自然はひねり(回転)でバランスを保とうとしている訳です。偶然か必然かは分かりませんが、人体の左右の肺は、「右回り・左回り」でセット運動しています。そのお陰で、軽い吐息・深い深呼吸にも違和感なく対応できています。私自身、息の流れを「上向き右回り・下向き左回り」に設定してボイトレに常用しています。慣れてきたら同時操作に馴染みましょう。自然現象は、人体と量子を比べてみても共通なんだな~と、つくずく感心する日々です。


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