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『楽園追放 -Expelled from Paradise-』から見えてくる人類の深い闇
現在、You Tubeで1週間限定で無料公開されている「楽園追放」という映画があります。
これは、2014年に公開されたSFアニメ映画です。
13劇場という少数の劇場で限定上映だったにも関わらず、6万5千人以上の動員があり、BD・DVDの累計販売枚数が7万2千枚と異例のヒットをした作品です。
舞台は自然環境の激変により、地球で住むには危険が多くなり、人類の98%は、肉体を捨てて、電脳世界で暮らす様な世界です。
この電脳世界では、肉体がない為、老いも病はありませんが、地球同様で、資源が限られている為、その資源が、功績をもとに振り分けていきます。
その為、誰もが功績をあげようと躍起になっています。
一定の秩序が保たれて、平和な世界でしたが、突然、荒廃した地上から、ハッキングが行われ、電脳世界の秩序が乱される事態が起きました。
その原因を調べ、取り除くために、電脳世界の住人が、仮の肉体に精神を宿し、奮闘していく物語です。
一見すると、肉体を離れたことで、老いも病もない電脳世界は幸せそのものかのように思います。
しかし、その電脳世界の管理者たちが、絶対であり、定められたルールに守らない者は、排斥されたり、不遇な扱いを受け、電脳世界の闇を感じる作品です。
幸せとは何なのか、ということを考えさせられます。
老いや、病というものがなくなった世界であっても、電脳世界の人同士での競争もあり、限られた資源の奪い合いをしています。
他にも、管理者の価値観に合わないものは、否定され、どんなに素晴らしいもので、排斥されるという生きづらさがあります。
苦しみの形が変わるだけで、苦しみはなくならないことが知らされます。
ブッダは、これを有無同然(うむどうぜん)と言われ、環境が変わっても、また新しい苦しみが生まれ、有っても無くても苦しみ悩みは同じだと教えられています。
これは、私達の苦しみ悩みが絶えないのは、外の環境に原因があるのではなく、己の暗い心にあると教えられています。
暗い心とは、何のために生きているのか分からず、毎日が不安で暗い心をいいます。
何をやっても、どこかむなしく、達成感があったにも関わらず、時間が経つとその喜びも薄れてしまいます。
空虚感を埋めようと、新しいことをはじめても、やがて、同じ様な心になり、同じことの繰り返しに感じることも。
その暗い心の解決をすることで、本当の幸せになれると、ブッダは教えられています。
そのブッダを学んで頂きたく思います。
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