nori

23卒 期待は残っています。

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23卒 期待は残っています。

最近の記事

He was

来年も楽しみだね。 彼はそういった。確かにこの場所で。 約束の地、時彼はいない。 昨日飲みすぎたようだ。その理由は今日がくるのが怖かったから。わかっていた。 だから酒を流して恐怖から逃げるしか私になす術はなかった。 11時ぐらいに目が覚めた。私はまるで風呂場の端に落ちた髪の毛が水を浴び排水口に流れるように、御堂筋へ足を進めた。人がたくさんいた。しばらく明日止めてただ見ていた。 少しして私は何かに向かって歩き始めた。そう 彼と見た場所。住友ビルの向かい。みずほ淀屋橋の下。 たく

    • 汝、愛を送る

      11月の冷たい風を感じながら、洗濯物を干しました。 久しぶりに時の短さを感じた一ヶ月をすぎ、秋が心地よく過ぎて、冬がもうすぐそこに来ていることを確信した。 毎日窓に映った仕事をするフリをした自分とさよならに新しい環境に来た。 一体いつまで持つのだろうか。今もあそこにいたらと考えると、今日の冷たさより鼻の下がツンとした。 Yがいなくなって僕らの関係も変わっていったのかもしれない。それは悪い意味じゃなく。 移ろいゆく季節の中で、いつも一緒にいたからです。 久しぶりに3人でいた人に

      • 紙タバコ

        昔、4年前洋服のお店で働いていた時の綺麗な女性の話をします。 その女性は、肩ぐらいの髪の長さで細い目でヒールの音を鳴らしながら、綺麗な空気を纏う人でした。 ある日職場の飲み会に誘われました。私は職場では最年少で、いつも会話の端っこで笑みを浮かべるだけでした。その日も私は関係ない話と思っているとその女性が君も行こうよと言ってくれました。 居酒屋に入って、席に着くと彼女は一本煙草を咥えました。目線を着火する先に配りながら、人がいない方向へ煙を吐いていました。女は煙草の先を灰皿の箸

        • yume

          一夜の夢。女は男を誘惑し、男はその興に金を落とす。 あの夜もそんな夢だった。いや、夢のはずであった。 月が照らしたのは、私たちの淡い思い出でも、輝いた日々でもなく、 男のいい加減さだけであった。 一夜ばかりか、一年もその興に溺れた男と月と共に約束を待つ女 戯言。 なぜ私はこんなとこを彷徨っているのであろうか。 ずっと歩いても夜が明けなかった。君は手を伸ばすと届くところにいるのに、 手を伸ばせなかった。 どんな人より愛をくれたし、愛を教えてくれた人。 離れているけど近くにあった

          幻影と不在

          一体いつまで持つだろうか。 夕闇で反射をやめたガラスに自分が映る。 そんな自分が好きにはなれなかったが嫌いでもなかった。 定時が過ぎると早々に荷物をまとめて何者かに追われ逃げるように会社を出た。 ここを辞めるそんな目的はあっても次に何をしたい。なんの仕事に就きたいなんて、希望や夢はなかった。 お腹が空いていたので、コンビニで安いおにぎりを買って食べた。ただ酒を飲みながらその後タバコを吸った。時間になったので店を出ると急に足取りが重たかった。仕事をふりをして1日を過ごし、何かを

          幻影と不在

          宙に舞う。

          6月17日土曜日15時過ぎ。 私はコンビニのコーヒーを片手に、公園にいた。ただイヤフォンをつけて音楽を聞いたり、小説を読んでそれなりに余暇を楽しんでいた。 私は園内の大通り脇にあるベンチに座っていたので、色んな人が通り過ぎていった。韓国人の男女。眼鏡をかけた休日の夫婦。その中で、GUCCIの帽子にABCマートで買えそうな靴を履いた男性をその子供と思われる2人がいた。2人とも虫網を持っていて、父親はモンスターボールの虫籠を肩から下げていた。こんな都会の真ん中で何が捕まえることが

          宙に舞う。

          「」

          みんなの面白いことを面白がって、欠点で繋がってる。人って弱い部分で繋がる時、友達って呼ぶのかも。

          海のない街

          春日さん、夜の海を見たことありますか。 海、「はい。」 私彼と出会うまで夜の海を見たことがなかったんです。暗闇でぼーっとしているうちに波に飲まれて、誰にも気づかれず、溺れるんじゃないかなって怖かったんです。彼はそんな私を連れ出してくれました。 "みゆきちゃん僕の手を握ってな。""波が君を攫っても、僕が強く引っ張るから”って 彼に手を握られながら、見る夜の海は静かに私たちを見守ってくれました。飲まれない理由もわかりました。波が押し迫っても、次の波がそれを消してくれるからなんだ。

          海のない街

          She was

          「なんで黙ってんの?なんかいうことないと。」 言葉がうまく見つからなかったので、そのまま事実が口から漏れた。 「この街を出るんだ。」そういう彼の顔は今まで見たことない他人顔のようだった。 凛々しく、眉間にシワがよっていた。 私はその時感じた。「こんな風に彼は知らない顔を持つんだ」 「寂しいね。」よく笑う子だった。大きなため息とともに言葉を紡ぐ彼女に、一緒にいれない切なさと僕の夢が相対していることが現実味を帯びてきた。 一緒に入れないよ。夢を追うあなたが何より好きだった。だから

          電車から見えた雪景色の海

          大学を卒業した。この街に来た時のことを思い出したり、過ごした日々を思った。 校舎の一角にある桜が見える塔。そこから見える桜が好きだった。すごく仲のいい友人の家の屋上から見える景色が好きだった。初めて暮らした自分だけの家から見える景色が好きだった。もう見れないからもっと好きになると思う。thank youパセリ 帰路につく。 私は強く踏んだアクセルを緩め、少しもう一つの話を思い馳せた。 最近、自信を損失していた。学生から社会に出ること。それと。 でも、解決した。ここから私の人

          電車から見えた雪景色の海

          この星の終わりに

          思い出は訪れる場所であって、住む場所ではない。あなたがまだ好きとかじゃなくて、この手にないあなたとの日々が愛おしさとやるせなさの間に蒼色に染まっているだけ。 この街に居ようとは思わないが、たまに来るのはちょうどいい。友人が運転する助手席でそんなことをふと思った。オレンジ色の街路灯が真っ直ぐな田舎道を照らす。その光景を助手席で窓に後頭部をつけ、下から見ていた。街灯と街灯の間で訪れる暗闇の中でふと窓に私が映る。少しばかり老けていた。 本当のことを知るのが、なんでも正解ではない

          この星の終わりに

          この街にも。

          久しぶりに実家に帰ってきました。寒い北国から。何も変わらないこの街。そう、いつもこの街だけは何も変わらない顔をして僕を待ってくれると思っていた。信じていた。 私だけがいろんな街を見て、さまざまな人に出会って。でもそんなことはなくて、小学校は遊具が取り壊され、新校舎ができていた。見知らぬ施設もでき、この街にも雪が降っています。 また私たちは春を待つしかないのでしょうか。幾重にも降り積もった雪は何度も踏まれ、固まる。そんな中私たちは寒く暗い闇の中で何度も行き交う夜を行く者たちを横

          この街にも。

          北から送る。

          12月。辺り一面は真っ白に染められた。歩みを前に進めるたびにその白さに両の足はのまれて行った。それでもこの歩みは止まらなかった。正確には止めれなかったとでも言えようか。うちなる別の情熱に私の思考や想いはいつだって従うしかなかった。 でも、時々ふと思う。その行先はどこで私はどこに向かっているのであろうか。 今日も街はより一層白く染まる。固まるときにはすでに遅かった。やはり最適解は春を待つことなのであろうか。

          北から送る。

          紅色の季節にあなたと。

          私は大学三年生になった4月フットサルを始めた。発端は友人をチームに紹介して、断る理由もなく、なんとなく入団した。気づけば葉は紅色の染められ、シーズン2年目も佳境に入っていた。 ボールをなんとなく止めると、すぐに相手が距離を詰めてくる。激しチャージで失う私。ボールを保持してドリブルを仕掛けてくる人に対し、圧倒的敗北を繰り返す私。何度も感じた差。自身のプレーの不甲斐なさに何度も匙を投げそうになる。しかし私の足は止まることはなかった。この感情に相対して何かに向かう両の足。私は何を

          紅色の季節にあなたと。

          こんな夜に

          こんな夜に 「好きにして」100日後に始まるw杯どこが優勝するか。なんて他愛もない会話に躍るにはアルコールが足りないようだった。今持てる精一杯の笑顔を振り絞って、good byeそう言うと皆の顔がこわばったのを受け取りそれを部屋に残すようにドアを閉めた。「待って」と言う彼女の声は私には届いたが届いてない。私はロビーを出るとすぐさま、腰につけたケースから白い固形物を両耳に当てる。一人の男の私を呼ぶ声が何度もきこえたが、その場をさった。誰も追いはしないことに思うことは思ったより

          こんな夜に

          ヨーロッパ

          その運命が本物なら、どれだけ逃げても追いかけてくる。だが、二度目の出会いはより覚悟が必要だ。時が流れた分人は多くのものを手に入れ、そして多くのものを失っているから。二人違うものを見て、違うものを嫌い、違うものを愛でてきたから。 最後の時間にしてしまえるのは、僕だけだ。オレンジ色のネオンに照らされる美しい街、路肩に流れる少しばかりの水にさえその色に染められた。しかし向かいの建物は一角だけは違った。窓に美しい月が反射していた。僕はその光をただただ見つめた。

          ヨーロッパ