「一話完結」の美
我が属するユニットCOPYに、アオノと言う人がいる。
彼は自身『excube』というギャラリー兼アパレルショップを経営しており、UK、ジャーマンヴィンテージ・80's90'sインディーズファッションを中心にしたユニセックスなラインナップを展開、併設されたギャラリースペースでは作家による個展やグループ展なども定期的に開催されている。関西でもなかなかないタイプのお店で、コアなファンも多い。
COPYのフロントマンであると同時に、COPY HOUSEの内装プロデュースも彼によるものであり、シンプルでコンセプチュアルな空間は彼の力のおかげと言って過言ではない。
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彼の好きなところは、とにかく「引っ張らない」、「一つのことに依存や執着をしない」、それに尽きる。
僕はそんな彼の性格に何度も救われた。
カートゥーン漫画や昭和のギャグ漫画などは、基本的に「一話完結」だ。
彼はそれを地でいっている稀有な存在であり、極端な話、一日経つとすべてがリセットされ、またまっさらな状態で会話をできるし、何より喜びごとや楽しみごとに対する無邪気なテンションを隠さない。そこがいい。
酒を飲みながらお互いに「えげつない下ネタが嫌い」という話になった時に、彼がふと口にしたセリフ「まんまではなくポップに表現したいんすよねぇ」に、彼のエンタメ性と普遍的な目線が凝縮されているのかな、と思った記憶がある。
COPYメンバーであるジグと一緒にやっているユニット「pussy wagon posse」における選曲やEDITなどは、その性格が色濃く反映された極みだと思っている。
口では簡単に言えるが、「誰も恨まず誰も憎まず」を維持するためには、ちゃんと自分の中で相応の闘いを経ているのだと思う。そしてその努力は "強さ" として尊敬に値するし、きちんと伝わっている。
そのうえで、天性のキャラクターとのグルーヴが奇跡的に働いて彼の独自性を出しているのだろう。現に人間的魅力は果てしなく、お店はもちろん彼自身に対してファンになる人も多い。
そんな人がCOPY、そしてCOPY HOUSEにいてくれて、本当にありがたいし心強い。
僕も精進しながら少しでも恩返ししていけたら。
今日はこんなところで。