落としながらぼんやりと
先日のライブ時に撮ってくれていたカメラマンから素材がたくさん渡ってくる。素材の容量は膨大で、一素材 30GBなんてのもざら。それらをこちらのHDDに落とし込んでいく。そこから内容を厳選し、適宜 SNS に上げていったり動画をアップロードしたりと、アーカイブをまとめる作業。なかなかに大変である。
しかしながら、毎回お付きのような感じでスタッフがいてくれることが非常にありがたいし、こうした「大人の余興」に対して同じ目線で面白がってくれてる人が近くにいてくれることが幸せだ。
昔はバンド活動に対して共同感覚なども持つことができず、個々のエゴだけが不毛な闘いばかりを生んで嫌気しかなかった。若い頃であればあるほど、承認への欲望やプライドが空回りし、お門違いなカリスマ性など「ないものねだりで一生手に入れることのない」ものばかりを探り求め続けることに疲れたことで、ある時を境に「集団行動からの退避」とともに "トラックメイクも一人、パフォーマンスも一人、とにかく何でも一人" …といった方向に走っていった。
果たして精神が成熟したのかはたまた単なる諦めなのか。そういった細かい心境はわからずも、年齢も40を越え、ある程度酸いも甘いも味わった大人たちで組むバンド活動が極めて楽しい。
餅は餅屋としてお互いがお互いの力を認めあうベース、そして肩の力を抜きつつ本気で楽しむ…といった意識が土台にあることで、当時は味わえなかったような自己効力感を覚えることができているし、なによりいやらしい話だが「大人ならではの経済力」を使い、面白いことに対して糸目をつけずアプローチできていることも嬉しかったりする。
ダウンロード待機しながら、果たしてどんな素材なんだろうと思いを馳せる。良い顔をしていることだけは確実だ。
今日はこんなところで。