『LIBLADE』でRTA in Japan に参加してきましたの巻
もはや恒例となっている『RTA in Japan ex#2』に参加してきました。
5回目の参加となりますが、特に今回は反省すべき点が多くあり、自身への戒めも兼ねたレポートとなります。
書いてる人はどんな人?
Nore139(のれいちさんきゅう)
「のれしお」という名前で活動を開始し2004年ぐらいには今の名前になってます。
RTAは2021年2月に開始。
2010年前後は『テイルズ』シリーズのやりこみ動画を多く投稿していました。
speedrun.comにて4件のモデレーターと8タイトルのRUNを提出しています。
イベント関連
『LIBLADE』をプレイしたきっかけ
最初に『LIBLADE』を知ったきっかけはこのツイートだったと思います
2018年頃はインディーゲームに興味を持つようになった自身の転機です。
体験版の映像を見てこれは面白そうだ と思っていたのですが、当時は体験版をダウンロードするだけで触れていませんでした。おそらくDLするだけして忘れていたのだと思います。積みゲーと同じ感覚でしょうか。
実際に発売されたのが2021年11月なのでやはり個人開発のゲームは待つのが大事だなあと感じます。
実際に発売してからプレイしてみると期待通りの出来で面白く、全実績を取ってからはやることがなくなってしまったなと思ったのですが、毎回初期状態からプレイして何度でも記録をつめていけるRTAならこのゲームを何度でも楽しめそうだ と思ったのがRTAをプレイするキッカケとなりました。
ちょうど試行錯誤している最中、現在のルートの基礎となる動画を投稿している方がいました。
speedrun.com(以下SRC)への申請はなくこの動画のみの投稿でしたが、この動画に早くクリアするために必要なことが全て詰まっており指針となりました。
これを参考にさらに早くなる要素を取り入れて30分を切ったのが当時の自己ベストでした。
応募するも二度落選
『LIBLADE』は過去にRTA in Japan(以下RiJ)に応募していますが、二度落選しています。
とはいえ二度目の応募時は『そろそろ寿司を食べないと死ぬぜ!』が当選していたため、しばらくは『LIBLADE』から離れることとなります。
今回の出場で短期間のうちに五度目の出場となりましたが、実際には『LIBLADE』のように落選を経て当選している作品もあります。
自分が見つけて楽しいと思ったゲームで走りたい! と思っていたので、他に並走応募がないときに応募するようにしていました。
以前も書きましたが、RiJのゲームの選考基準は明確にはなっていません。
ですが、自分が好きでやりこんでいるゲームが選ばれやすいような選び方を目指しているということなので、選ばれることがあると信じて何度も応募したのが良かったんだろうなと思っています。
SSS 4thの参加
RiJ前には別のRTAイベント『Stylish Speedrun Showcase 4th』に『LIBLADE』が受かっていました。
2/11(土)が当落発表で参加が決まり、そこから急ピッチで練習を開始していくことになります。最初は特に気にせず練習をしていたのですが、思わぬ事態が発生します。
練習時間を30分に抑えていても、腕の痛みが続くようになったのです。
何を言ってるんだコイツ? と思われるかもしれませんが『LIBLADE』はスティックを倒した方向へ斬撃を放ち攻撃するアクションゲームです。
RTAでは敵を倒すために素早い斬撃が必要となるため、ものすごい勢いでスティックを倒しまくります。そのため腕とコントローラーへの負担がかなりかかり、長時間のプレイができないタイトルなのです。
このこともあり練習は毎日30分、ほぼ1回通して終わるようにしていたのですが、ここにきて痛みが残るようになったのです。
本番直前に練習をしない日も作ったのですが、それでも痛みは完全に消えませんでした。
万全ではない状態でイベント参加となりましたが、多少のミスと痛みはあったものの26:08と当時でそこそこのタイムではありました。
走り終わってからの一週間はとにかく『LIBLADE』に触れないようにしていました。
RiJに応募をしているものの、SSSで受かってすぐこちらでもという流れにはならないだろうと思い、他のゲームをプレイしてまったり過ごしていました。
しかしこの後『LIBLADE』がRiJに当選します。
いろいろな問題を抱え込んだこの状態で、どうやっていくべきかを早速考えなければならなくなりました。
RiJ当選後にすぐに動き始めたこと
RiJ当落発表が3/19(日)で、その日に真っ先に考えたことが2つあります。
『LIBLADE』RTAに耐えられる腕の構築
腕の負担を軽減できるスティック捌きの開発
SSS 4thを終えたときには毎日の腕の疲労がピークを迎えており、毎日の練習量を30分に抑えたり休みの日を作っていても腕の痛みが残り続けました。
この当選発表は嬉しかったのですが、本当に万全の状態で走れるのか? これまでのゲームの練習と同じ方法では絶対にダメだ と思っていたので、まずはそこから解決する必要がありました。
それが上記2点となります。
まずは腕自身をどうにかする方法から。
すぐに良いトレーニング方法を探していると、リングフィットアドベンチャーRTAでお馴染みの えぬわたさんからすぐにアドバイスをいただけました。
このアドバイスからトレーニング方法を調べつつ、実際に痛い筋肉はどこなんだ? と調べた結果、腕撓骨筋という筋肉であることがわかりました。
腕撓骨筋を鍛えれば過酷なスティック操作に耐えられるであろうと想定し、早速腕撓骨筋の筋トレ方法を調べて開始しました。
トレーニング方法はこちらの動画と同等の方法を用いました。
(この動画を他の人に見せたら、なぜか笑われました)
実際にはダンベルではなく『ucc 職人の珈琲 香りとコクの深炒りブレンド 900ml』をダンベルに見立てて毎日5分間のトレーニングを続けていきました。
もともとそんなに腕が強くないので軽いものからやっていこうということと、下手に重いものを使って更に腕を痛めてしまわないようにと様子見を兼ねています。
トレーニングを開始した直後は軽く腕の筋肉痛にような症状が出てきましたが、スティックを酷使し過ぎたときの痛みとは違っていたので構わずに毎日続けるようにしていきました。
次に腕の負担を軽減する方法です。
自分が勧めて『LIBLADE』をギフトで送ったフルトしろ。君からアドバイスをもらいました。
これまでは全て親指を攻撃したい方向にひたすら傾けていて腕に痛みが発生していたので、この一言はかなりのヒントになりました。
親指だけで動かさずに、指は添えるだけで手首または腕全体で動かすことで腕への負担は大幅に減ることになったのです。
しかもこの方法だと親指を動かすよりも更に早く動かせることがわかり、若干ですがタイム短縮にも繋がり非常に有効でした。
ただしこれには欠点もあり、親指を使った方法に比べて斬撃方向が安定せずに攻撃が空振ることが増えました。
そのため、敵が小さいときや真上など腕を振って対応しにくい方向は従来どおり親指を使い、敵が大きくて斬撃方向がズレても安定して当たる状況では腕を振って対応することとしました。(スティックを傾けた方向に斬撃を放つゲームなので傾ける方向への精度も大事です)
この2点の改善を1ヶ月続けた頃に明確な効果を確認することができました。
これまで通りなら腕の痛みが発症していてもおかしくない状況で、一度も『LIBLADE』が原因の痛みが残らなかったのです。
また、もともとそんなに腕が太くなかったのですが、明らかにこの一ヶ月で太くなっているなと感じるようになりました。
やはり筋肉は全てを解決する。
あとは練習量を無理のない30分に抑えるようにすることで当日まで無理なく万全の体調で迎えることができました。
解説はやっぱり ぼぶそんさん
もはやお馴染みですが、今回も解説は ぼぶそんさんに依頼しました。
実は『ごく普通の鹿のゲーム』で参加したときに『LIBLADE』でも応募をしていたことを話すと、すでにプレイ済みであり、当選したら解説をやっていただけるとその時点で約束していました。
当選から解説決定までの時間が全くなかったため他の要素に時間を使うことができ大変助かりました。
さらに、SSS 4thのときにすでに ぼぶそんさんが解説をしていたためスケジュールを設定して打ち合わせるだけの簡単な流れで進んでいきました。
以下が実際のスケジュールです。
基本的に自分がプライベート暇な人間なので、ぼぶそんさんの都合に合わせてスピード感重視で設定しています。
ぼぶそんさんがプレイ済みで基本情報はわかっているので、走者だけが持つ細かい情報を共有しつつ解説して欲しいところや盛り上げて欲しいところを伝えてぼぶそんさん側で調整してもらう感じです。
RiJ向けの最終リハーサルが2回あったのは、自分がどんどん新たな短縮要素を見つけて取り入れていって複雑になったことと、アドリブで毎回行動が変わるところが複数箇所出てきて台本との食い違いが出てきたのでその修正のためにもう一度行うこととなりました。
プレイヤー自身が解説をする場合、どうしてもプレイに集中しながら上手く話すのは難しいため、このように解説を依頼する形になると思います。
また、自身が解説する場合は解説内容を考えなければいけないという時間の制約もついてくるので、RTAイベントの解説の依頼は非常に大事な要素の一つだと思っています。
Twitterでの投稿について
いつも参加が決まるとTwitterでそれなりに力を入れた宣伝をしています。
これまで出た『ごく普通の鹿のゲーム』『そろそろ寿司を食べないと死ぬぜ!』の宣伝は非常に好評で、1500RTを超える勢いでした。
が、この勢いの秘密が今回で何だったのかを知ることとなりました。
これまで走っていたゲーム内容・タイトルがインパクトがあるものばかりで、それがRTAとして走られるということで面白がってリツイートしていた人が多かったようです。
今回走った『LIBLADE』はプレイしたことがある人にとっては面白いゲームなのですが、普段からインディーゲームの情報を集めている人でないとなかなか知られていないゲームです。
宣伝するのであればどんなゲームなのかがわかる内容でなくてはならず、かつRTAの魅力も伝えないといけない という難しい問題に直面したのです。
実際に宣伝した内容がこちらです。
見ていただけた数はそこそこですが、うーん、やはりリツイートやいいねはあまり多いとは言えない状況でした。
あまり知られていないタイトルで、面白がってリツイートするタイトルでもないのでかなり厳しい結果となりました。
おそらく宣伝が伸びる要因は下記3点だと思われます。
宣伝する人が有名な人か
宣伝するゲームがよく知られているタイトルか
宣伝するゲームが変なインパクトがあるものか
また、動画のサムネイルが動画の先頭部分になる仕様のため、真っ暗になっていたのはかなりのマイナスポイントだったと思います。
『LIBLADE』開発者である ゑっさんには宣伝ツイートの拡散等ご協力いただけて大変助かりました。
宣伝する際は文章だけではなく画像を用意することで視覚的に訴えることができるのでオススメです。
また、このような記事を書く際には必ず自分が出たゲームのタイトルを入れましょう。参加したのはいいが何のゲームかがわかっていないとなかなか興味を持ってもらえません。
せっかくなので『LIBLADE』Tシャツを作成
前回の『そろそろ寿司を食べないと死ぬぜ!』では応援イラストを依頼して本番前の盛り上がりを狙いました。
今回もイラスト依頼をしたかったのですが、前回以上に時間がなかったため断念しました。
代わりに何かやれないかと思ったとき、知り合いが自分でデザインした『ちいかわ』のTシャツを着ていたことを思い出しました。
モチベを上げたり宣伝の意味合いで作ることにしました。
こちらのサイトで制作しました。
アップティー
練習できる時間も決まっているタイトルだったので、とにかく何か新しいことをしておきたいと思い利用しましたが、簡単に作ることができて納期も短く数日後に送られてきて非常にスムーズでした。
当日着るものに迷ったら、ゲーム関連のTシャツか無敵時間さんのモノを身につけておきましょう。
会場へのゲームデータ持ち込みを失敗する
RiJは会場開催のとき、PCゲームは会場へのデータ持ち込みをします。
とはいえ前回のnote placeでの開催時は、会場のネット回線が十分だったため、ほとんどの方が会場でSteamにログインしゲームをDLする流れを取っていたと思います。
しかし今回はC4 LANというゲームイベントの中で開催ということで、会場のツインメッセ静岡の回線の速度が出ないため、ゲームデータを持ち込んでインストールをして欲しいとの連絡を受けます。
これまで過去に二度PCゲームの持ち込みで参加しており、そのときに自分で確認して実際に持ち込みができた方法を使えば問題ないと思っていました。
しかし持ち込みに失敗します。
会場で持ち込んだデータでの起動ができなかったのです。
運営側から持ち込み方法についてガイドを提示されていたのでそれを確認すれば良かったのですが、今まで自分がやってきた方法で問題なくできていたからという理由と、複数回の出場経験からの慢心が重なり完全に失敗することとなりました。
結局は会場で問題なく速度が出る別回線を使わせて頂いてゲームをダウンロードして解決しました。
これは完全に自分自身の問題でした。
経験があるには越したことはないのですが、慣れてくるとやはり人間は思い込みや勘違いでミスをします。
これを機に初心に戻ってイベントへ参加していくようにします。
コントローラーが認識されず焦る
コントローラーが本番用PCに認識されずに現地で冷や汗をかきながら格闘していました。
私が普段使っているコントローラーは『ASTRO C40 TRコントローラー』というかなり特殊なコントローラーで、背面ボタンやトリガーストップ、マッピング機能が付いているコントローラーです。
(すでに生産終了しているため現在は入手困難です)
使い慣れると非常に頼りになるのですが、PCとの接続が上手くできないことでも有名なコントローラーです。
とはいえそれだけ接続できない問題が発生してるだけあって、解決方法も的確なモノが検索すると引っかかります。
こちらの記事とほぼ同じく、オーディオと認識されてしまうので一旦はドライバを削除し、公式の設定用クライアントをインストールすることで認識するようになりました。
毎回現地でコントローラー接続問題にぶち当たるので、次回からは『Xbox Elite ワイヤレス コントローラー シリーズ 2』も予備として持っていこうと思います。
こちらはデザインも好きに決めることができ、高機能コントローラーの中では入手もしやすいのでオススメです。
ただし初期不良報告が非常に多いコントローラーなので正常に動作するか確認したほうが良いでしょう。
ついに迎えた本番でのアクシデント
本番はいつも通りにプレイできて満足! おしまい!
という感想ばかりだったんですが、今回はトンデモナイことが起きました。
本番中にコントローラーのスティックが左方向に反応しなくなり、いつもの調子でプレイできなくなったのです。
動画では15:08と16:06のカメの処理がわかりやすく、左へ出しているサベッジドライブという高速斬りが途中で途切れているのがわかると思います。
『LIBLADE』はスティックを倒した方向に斬撃を放つゲームです。
つまり、左方向の入力が効かなくなったということは、左への攻撃ができなくなったということです。
対処方法としては
敵の左側に回り込んで右側へ攻撃
真左には攻撃できないが斜めにはできるので左斜め上・左斜め下へ攻撃(小さい敵には不可)
この2つを、これまでの経験からその場で判断して行うしかなくなりました。
体力の多い敵にはサベッジドライブというスティックを傾け続けることで最高のダメージ効率を出せる技を使うのが基本戦法の中、左へサベッジドライブが出せなくなったのは非常に厳しい状況でした。
また、一定時間だけパワーアップするスレイヤーというスキルを発動中に倒しきるのが基本戦法ですが、この状況では倒しきれないためスレイヤーなしの状況で戦い続ける必要が出てきて完全にアドリブです。
苦戦する中、なんとかラスボスを撃破してタイマーストップとなり25:09でした。
とても悔しいです。
現在の世界記録は22:40で、最近の練習ではどれだけ遅くても23:10を出せていました。どうしたらいいのか頭がフットーしそうで、しばらくの間は何を言われたのかあまり思い出せないぐらい動揺していました。
日帰り予定で時間もギリギリだったので、とりあえず失意の中そのまま帰路へつきました。
それでも、走ったときの反応はどんな感じだったか検索してみることにしました。すると、思っていたものとは全く違っていました。
「やらかしたなあ」という反応が並んでいるものだと思っていたのですが、
「あの状況でもここまでいけるのか!」という前向きな反応ばかりでした。
改めて見た完走の感想でも、ぼぶそんさんのフォローが上手くてとても救われたんだなと思いました。
SSS 4thは大きなミスもなく26:08というタイムだったので、これだけ大きいアクシデントがあったにも関わらずここまでのタイムが出せたのなら確かにこのゲームが上手い人じゃないとできないな! ということでなんとか自分の中で納得できました。
筋トレとかいろんなこと含めて本当に頑張ったよ自分。
その他いろいろあったこと
参加者・視聴者の方に何度も出場していたので名前を覚えてもらえていた
普段Twitterでしか見てない人と実際に会ってみて印象が全然思っていたのと違っていたので会って話してみるのが大事だと思った
とにかくRiJ見に来てる人だな!と思った人には名刺を配りまくった
顔と名前を覚えるのがすごく苦手なので名刺渡した人に渡しそうになった(すいませんでした)
朝パンを食べてきたのに腹が減ったので移動中におにぎり2個とカツサンド食べた
会場のマグロ丼美味かったけど全然腹が膨れなかったのでイトーヨーカドーでラーメンとポテト大盛りを追加で食べた
夜は10%引きシールが貼られるのを待って寿司を食べたぜ!(じゃがりこ大盛りも食べた)
今後について
毎日30分しかできないRTAの練習の間、当然他にもゲームをやる時間は作れていました。
現在新たに習得を目指しているRTAは2つあり、クリアに4時間と2時間かかるゲームです。
なんとか2時間のほうが先にいけそうなので、5月中に良い記録を出してまた応募してみたいと思っています。焦がすのは其の魂…
長くなりましたがここまで読んでいただいてありがとうございました。