アイスランド語を学んでみよう!(初学者向け教材)
「アイスランド語を勉強したいのですが、どんな教材がおすすめですか」と、ときおり訊かれるので、初学者用のアイスランド語教材をいくつか紹介します。
対人で教えてもらいたい場合
先日、駐日アイスランド大使館が、次のようなTweetをしていました。
講師を務める宮城学先生は、筆者が日本の大学でアイスランド語の授業を取ったときに教師だった方です。きっと今でも懇切丁寧に教えられているでしょうから、独学でなく、日本語でアイスランド語を教わりたいのであれば、この講座がよさそうです(筆者がディラ国際語学アカデミーで授業を受けたことはありません)。
独学で、文法をしっかり勉強したい場合
入江浩司『ニューエクスプレスプラス アイスランド語』(白水社)
現代アイスランド語の初級文法を日本語で説明している本で、これよりもよいものは現状ありません。文法をしっかり理解したい人は、まずは本書をやり込むことをおすすめします。この一冊でアイスランド語会話ができるようにはならないでしょうが、何周かすれば、さらなるアイスランド語学習に欠かせない地力をつけられるはずです。
ちなみに、書名に「プラス」がない方(入江浩司『ニューエクスプレス アイスランド語』(白水社))には、「○○に乾杯!」や「~していただけませんか?」などの表現集や、会話以外のまとまった文章(80語弱)が載っていないので、上述の「プラス」がついている方をおすすめします。
独学で、文法の説明なしに勉強したい場合
アイスランド大学が管理する、アイスランド語学習サイトです。登録すれば誰でも無料で使えるサイトで、ヨーロッパ言語共通参照枠ことCEFRの基準でA1からC1までの学習ができます。
文法の説明が殆どないため、文法が気になる人は、自分で何とかして調べなければなりません。しかし、あまり文法を気にせずアイスランド語を浴びるように学びたい人にはよいようです。また、殆どの動画や音声にテキストが付いているので、自分のレベルにあったディクテーションやシャドーイングにも使えます。
「こんにちは」の挨拶から始める「Bjargir(Survival)」コースから、Icelandic Online 1、Icelandic Online 2……と順々に勉強するとよいでしょう。
有料の「Icelandic Online PLUS」は、チューター付きの8週間コースのようですが、利用したことがないので詳細はわかりません。
結局おすすめは……
語学学習の際、筆者はしっかり文法を勉強したいです。分からない用法についての説明を求めたときに「そういうものだから」と教師に返されたとき、「そういうものなら、諦めて丸暗記するしかないな」とは、なかなか思えません。残念ながらアイスランド語の専門家でさえも、「そういうものだから!(Af því bara!)」と済ませるしかない用法が、アイスランド語には少なくありません。それでも文法に関するモヤモヤを溜めたままアイスランド語学習をするのを避けたければ、
1)入江浩司『ニューエクスプレスプラス アイスランド語』(白水社)→ 2)Icelandic Online
という順序で勉強するか、始めから対人で教えてもらうことがよいように思います。しかし、最初から「何言っているのかよく分からない!」という感じたままに勉強することが性に合っている人には、Icelandic Online一択がよいかもしれません。
もっと詳しくアイスランド語学習について知りたいことがある方は、Twitterで筆者(朱位昌併)に質問するか、この記事にコメントをしてください。
おまけ
初学者用のアイスランド語の辞書としては、下記のアイスランド語-英語オンライン辞典がよいでしょう。
Icelandic Online Dictionary and Readings
また、この氷英辞典には、まだ遠く及ばない出来ですが、近いうちに筆者が関わっている氷日オンライン辞典の雛形が公開できるかもしれません。気長にお待ちいただければ幸いです。
(文責:朱位昌併)