見出し画像

ノルウェーの脳科学本と設計会社

私は現在、ノルウェーの脳科学本を翻訳(共訳)している。すると、なんとそこに、前回のnoteで紹介した設計会社Snøhetta(スネーヘッタ)が出てきた!

この脳科学本のテーマは「記憶」で、その中で「未来を思考することと過去を回想すること」の関連が述べられている。
未来を想像することと過去を回想することは、脳にとっては似たような活動であること、
また、
独創性を高めたければ、過去を思い出すことが有効--
などの事例がその本には紹介されている。
(興味深い話満載の本なので、出版された暁には、ぜひお手に取ってください!)

建築というのは、将来にその建物がどう使われるのかを考えてデザインすることから始まる。非常に未来志向の芸術なのだ。それゆえ、本書の中には(先週のnoteでも紹介された)オラファー・エリアソンも登場する。

私はスネーヘッタは一地方の会社だと思っていたが、実は32ヶ国にオフィスを持ち、240人の従業員を擁する国際的な設計会社だそうだ。
本書の中で同社は、オスロのオペラハウス、ニューヨークの911メモリアル・ミュージアム、ラスコーの壁画博物館、エジプトの新アレクサンドリア図書館の建設に関わった建築家集団として登場する。

画像1

オスロにあるノルウェー国立オペラハウス。Snøhetta 社HPより。
街中に突然現れた氷山。屋根が地上まで傾斜しており、誰でも建物の屋根に上れるという画期的なオペラハウス。

画像2

エジプトの新アレクサンドリア図書館。Snøhetta 社HPより。
アラブの春の騒乱期には、市民が”人間の鎖”をつくってここを取り囲み、図書館をヴァンダリズムから護った。

ところで、同社のHPのプロジェクト掲載サイトで一番私の関心を惹いたのは、ノルウェーにあるこのレストランだった。

画像3

施工に失敗して、建物が半分海に沈んだのではない。Under という名の海中レストランなのだ。(上下の写真は Snøhetta 社HPより)

画像4

海を見ながら……どころか、海水を見ながら食事ができる。きっと魚の遊泳も。
だけど私はビビリなので、きっと落ち着かないだろう。しかも海が荒れていれば、「もう帰る」とか言い出しそうだ。

やっぱり私は、ガラスやセメントで造った建物より、木の温もりを感じられる建物に惹かれる。最後に、前回の旅行で撮影した Drivstua stasjon(ドリーヴストゥーア駅)をご紹介しよう。

画像5

雄大な山をバックに建つ、屋根に草の生えた駅。これこそノルウェーの魅力!

画像6

貨物列車が走り去るところ。この駅は来年100歳を迎える。
こんな雄大な景色をのんびりと味わう旅を、またぜひやってみたい。

(文責:羽根 由

*このブログは、にほんブログ村の
海外文学」と「翻訳(英語以外)」に参加しています。*



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?