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#逆噴射小説大賞2020
鉄板ファイター肉玉ソバ子
「ソバ子ぉ、いっしょに帰ろ!」
快活なみっちゃんの声が、校門を出るわたしを呼び止めた。振り返れば二人の少女が手を振り、向かってくる。七月の半ば。夏休みを迎えようとしていたその日は、とびきりに暑い一日だった。
「あれ、もう部活おわりなん?」
「週末に県大会じゃけ、早上がりなんよ。せっかくだし一緒に帰ろ」
凛としたれいちゃんの声が返す。わたしがまごまごしているのを待たずに、二人はバス停へと歩きだ
プース・カフェ・シェイカー
「隣、いいかしら?」
惑星唯一のディスコで出会った彼女は、おれの退屈を一撃で吹き飛ばすほどに美しかった。
深夜23時。お気に入りのコム・デ・オリオンのジャケットを羽織ったおれを待っていたのは、ジーンズ履きの学生と、キメキメのアストロパンクスだけという散々な有様だった。ダンスホールは芋臭さで充満し、おれはたまらずバーカウンターに逃げこんだ。その時、彼女が現れた。
「こんな男の隣で良ければ。なにか飲