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40歳になる!

40歳になったら、絶望するかと思っていた。
大好きな安室ちゃんが引退を発表し、
大好きな雨宮さんが亡くなった齢。

美しく前向きに、自分らしさを表現しながら年を重ねる、そんなことを体現してくれているように感じていた二人は、「40歳」でいなくなってしまった。自分の少し前を歩く憧れの先輩像は、一気に見えなくなってしまった。
だから、40歳というのはこう、人生を捉え直すような、大きな区切りを感じるような、そんな年齢なのかな、とぼんやり思っていた。
なんせ雨宮さんが亡くなった翌年に安室ちゃんが引退を発表したので、その頃は正直「40歳になる」とはかくも恐ろしいことなのか、と思ったりもした。

実際、40歳を迎えてみて、私は私が思っていたような人にはなれなかった。
新卒で就活している時、どんな社会人になりたいかと聞かれて、「ヒールとパンツスーツで都会を自分の街みたいに歩いている人」と答えたことを覚えている。今となっては「人事が聞きたいのはそういうことじゃないよ」って突っ込みたくなるけども、当時はかなり具体的にその姿をイメージしたので、回答したことも覚えていた。
私は今、子育てに追われててんやわんやしながら、スニーカーを履いてリュックを背負い、坂道を走って近所の会社に出社している。
私は、私が思っていたような大人にはなれなかった。正確には、それを手放した。

でもまあ、40歳の私、悪くないで。

新卒の時に志した業界は挫折しちゃったけど。
パンツスーツにヒールはたまの重要案件の時しか着用しないけど。
勤務先は都会とはいえない街の会社だけど。

それでも、自分のやりたい仕事をやって、しっかり稼いでいる。
嫌々やるような仕事ではなく、自分が「やりたい」と思ったことを仕事にしている。
ある程度会社で好きにやれるくらいの裁量権を持っている。
趣味で創作も続けている。
学生時代からの大事な友人と定期的に会えている。
可愛い可愛い猫も飼っている。

きっとあの時の私が想像した「ヒールとパンツスーツで都会を自分の街みたいに歩いている人」っていうのは、充実感を持って日々を過ごしているような、自尊心と相応な実績を持っているような、そんな大人だったんじゃないだろうか。
それは、実現出来ている。
色々あったけど、よく頑張って、たくさん乗り越えて、それなりに満足できる40歳を迎えられそうだよ。
ありがとう、自分。
そして私のSWEET 40 BLUESが始まる!

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